2019年版:補聴器メーカーの比較と特徴(シェア率上位5社を紹介)


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皆さんが思う以上に、メーカーごとに個性がある補聴器

2019年版:補聴器メーカーの比較と特徴(シェア率上位5社を紹介)

世界で最も売れている補聴器メーカーは一体どこなのでしょうか?
販売台数を元に、企業グループごとの順位と、それぞれのグループの特徴をまとめました。
補聴器選びの参考の一つになればと思います。

世界の補聴器メーカーの比較と特徴

世界で見たとき、補聴器の販売台数の企業グループごとに以下の順位になる予定です。
ここで特徴的なのは 2019年3月1日 に 世界シェア3位のシバントス社と、6位のワイデックス社が合併し、WS Audiology 社となりました。
なお日本法人については、まだ別の会社です。これから色々なことが決まっていくと思います。
今後 補聴器業界も大きな再編の波が来るかもしれません。

世界での補聴器販売台数ランキング(カッコ内は商品ブランド名)

1位) ソノヴァグループ(フォナック、ユニトロン)
2位) ウィリアムデマントグループ(オーティコン、バーナフォン)
3位) WS Audiology 社(シグニア/ワイデックス)
4位) GNグループ(GNリサウンド、ベルトーン)
5位) スターキー社(スターキー)
6位以下)その他のメーカー(国産メーカー全社を含む)

1位 ソノヴァグループ(商品ブランド:フォナック、ユニトロン)

世界シェア1位はスイスに本社を置くソノヴァグループです。
日本で、ほとんどの方に聞き慣れない会社だと思います。

ソノヴァは非常に大きなグループで、子会社に2つの補聴器メーカー(フォナック社とユニトロン社)を持っています。

子会社は2つありますが、製品の内容はほとんど同じものです。
新製品の発売時期もほぼ同じです。

フォナック社、ユニトロン社で製品名は異なりますが、同じ中身を思っていただいてよいでしょう。
どちらを選んでも基本的に違いはありません。

補聴器の音質や機能については、際立った特徴があまりありません。
世界シェア1位の補聴器メーカーですから、商品ラインナップが豊富です。

先天性の難聴のお子様、加齢にともなって難聴になった高齢者、最高級の目立たない補聴器を求める方、ほとんどどんな難聴の方でも、適合する補聴器が揃っています。
また補聴器は、補聴器専門店で調整すると、音質を大きく変化させることが出来ます。調整の幅が広いことも特徴です。

日本の補聴器専門店では、メーカー直営店を除けば、最も多く販売されているメーカーの一つです。

ここがポイント!

フォナック ブランドを持つ、ソノヴァグループは世界一の販売台数
フォナックとユニトロンは、製品の内容はほとんど同じ
シェア1位だけあって、機能面は充実。様々なニーズに対応可能

2位 ウィリアムデマントグループ(商品ブランド:オーティコン、バーナフォン)

世界シェア第二位は、北欧のデンマーク王国に本社を置くウィリアムデマントグループです。

この会社も大企業で、ヨーロッパの貴族が大株主なのだそうです。
新製品の発表会には、王位継承権のある閣下が応援スピーチにいらっしゃったりします。

1位のソノヴァグループと同じく、子会社に2つの補聴器メーカー(オーティコン社とバーナフォン社)を持っています。

こちらはソノヴァグループと異なり、ブランドごとに製品が基本的に異なります。

それぞれのブランドから感じる個性をまとめると
オーティコン社の製品:付けていて負担が少ないことや、脳へのリハビリ効果、音の方向感覚などを補助する機能が考慮されています。
バーナフォン社の製品:言葉がハッキリ分かる事や、聴力に合わせて精密な音質の調整ができることに重きを置いているようです。
ウィリアムデマントグループは、特徴の異なる2つのメーカーを持つことで、色々な種類の難聴に対応できるようになっています。

ここがポイント!

2つの異なる特徴を持つ補聴器メーカー(オーティコン社とバーナフォン社)を子会社に持つ。
オーティコン:
 付けていて負担が少ないことや、脳へのリハビリ効果、音の方向感覚などを補助する機能を考慮
バーナフォン:
 言葉がハッキリ分かる事や、聴力に合わせて精密な音質の調整ができることに重きを置いている

3位 WS Audiology 社(商品ブランド:ワイデックス、シグニア、レクストン、オーディオサービス など)

世界シェア第三位は、WS Audiology 社です。

もともとは業界3位の「シバントス」と、業界6位の「ワイデックス」が、2019年3月1日に合併したばかりの会社です。
合併後の2019年も世界シェア3位の状態が継続すると見込まれています。

まだ、日本においては「シバントス株式会社」「ワイデックス株式会社」と別の会社です。

それぞれの会社の特徴をまとめます。

シバントスグループは元はドイツの会社で、医療機器総合メーカーのシーメンス社の補聴器部門でした。
2015年に分社化され、社名がシバントスになりました。
補聴器の商品ブランドは「シグニア(旧シーメンス)」「レクストン」「A&M」などがあります。

シバントスの製品の特徴は「補聴器を使っていない方/買ったけど使わなくなった方の声」を聞いて開発されてきた歴史があります。

例えば

  • 大きな音が聞こえすぎる! → 突発音の軽減機能
  • 雑音の中では、言葉が聞こえない! → 雑音と言葉の分離機能
  • 補聴器を耳につけた時の自分の声に違和感がある! → 特定の声を録音して、自分の声だけ増幅しない機能
  • 横や後ろから声を掛けられた時に分からない! → 声の方向に合わせて、そちらにマイクを集中する機能

このように、難聴の方が補聴器を使わない/使いたくない理由を解消するための機能が数多く搭載されています。
これらの機能によって、シグニアの補聴器は「軽い難聴の補聴器初心者によく適合する」ことが多いです。

続いてワイデックス社です。

ワイデックス社はデンマークのメーカーで、小さい音に対する感度が極めて高いことが特徴です。一円玉が布団の上に落ちた音さえ拾うマイクが搭載されています。もちろん、実際に一円玉の音は聞こえなくても良いのですが、この性能が役立つ場面は、会議・会合など、距離3メートル以上離れた場所での会話です。

ワイデックスの音質が適合して満足される方は初心者よりも経験者の方が多いです。他メーカーの音質を経験した方が、ワイデックスに買い換える方は多く居ますが、ワイデックスの音質に満足していた方が他のメーカーに買い換えるケースは多くありません。

ワイデックスの補聴器は、お仕事が現役の方や、老人会の会合の聞こえを改善したい方には、特におすすめしています。

ここがポイント!

WS Audiology は シバントス と ワイデックス が 2019年3月1日に合併したばかりの会社
シバントス:元はドイツの医療機器メーカー「シーメンス」の補聴器部門
 特徴:補聴器を日々心地よく使えるように、不満や違和感を解消する機能に注力
ワイデックス:元はデンマークのメーカー
 特徴:小さい音に対する感度が極めて高い。経験者ほど感度の高さを実感されます

4位 GNグループ(商品ブランド:GNリサウンド、ベルトーン)

GNグループは、1990年頃、補聴器のデジタル化によって開発費が高騰する中、数多くのメーカーが合併する中で今の形になりました。

歴史は1943年まで遡ります。
これまで数々の業界初となる技術を生み出しており、他社にも取り入れられて業界のスタンダードになった技術も少なくありません。

WDRC(ワイド・ダイナミックレンジ・コンプレッション)回路では、小さい音や言葉を拾いながらも大きな音への不愉快感を減らすことに成功しました。

DFS(デジタルハウリング抑制技術)は、ピーピー音を減らしつつ、付け心地の良い耳栓を両立させることに貢献しています。

ここまでに紹介したメーカーと同じく、やはり子会社に2つのブランドを持っています。
GNリサウンドとベルトーンです。この2つのブランドは、製品の内容がほとんど同じものですから、どちらを選んでも大丈夫です。

現在のGNグループの補聴器は、音質や機能に特徴があり、一部の難聴の方には、特に上手く適合することがあります。その難聴は、中耳炎の経験や、治療後も残る後遺症などによって発生する伝音性難聴です。また伝音性難聴の方が高齢化した場合に起こる混合性難聴の方も、GNの補聴器が適合することが多いです。

近年のヒット製品は、充電式補聴器と持ち運び可能な充電器のセットです。これは、2019年2月現在、汗による故障が最も少ない補聴器の一つです。

汗がしみこまないよう、ナノコーティング技術が使われており、充電式なので電池の隙間がありません。また充電は非接触式のため電極がなく、錆びる心配がありません。
プロショップ大塚では、活動が活発な方におすすめしています。

補聴器の充電器 | ReSound https://www.resound.com/ja-jp/hearing-aids/resound-hearing-aids/quattro/rechargeable

ここがポイント!

子会社に2つのブランド(GNリサウンドとベルトーン)ただし製品の内容はほとんど同じ。
伝音性難聴の方、混合性難聴の方には、特によく適合する可能性が高い。
近年のヒット製品は、充電式補聴器と持ち運び可能な充電器のセット(汗に強い)
当店では、活動が活発な方におすすめしています。

5位 スターキー社(商品ブランド:スターキー)

スターキー社は、アメリカに本社を持つ企業です(上の1~4位は全てヨーロッパ企業)

1967年に、全メーカー対応の補聴器修理会社として設立した比較的歴史の若い会社です。

ロナルド・レーガン元大統領が、在任中にスターキー社の補聴器を使っていることを公表したことで、一躍有名になりました。

製品としては世界で一番小さな耳穴型補聴器(外からまったく見えません!)や、骨伝導メガネ型補聴器など、特徴的な製品を開発しています。

近年は、翻訳機能付き補聴器や転倒を発見する機能を開発・発表しており、これらは2019年6月以降の発売が見込まれています。補聴器の領域を超えて多角化しています。

当店で開催した「耳あな型補聴器のメーカー比較大会(2018年10月から2019年1月)」において、付け心地の快適性の部門および見た目の小ささの部門では、スターキー社がそれぞれ一位でした。

ここがポイント!

世界で一番小さな耳穴型補聴器や、骨伝導メガネ型補聴器など、特徴的な製品を開発。
耳あな型補聴器のメーカー比較(当社開催イベント)で、付け心地の快適性や、見た目の小ささの部門で一位

6位以下 その他のメーカー(国産メーカー全社を含む)

主な国産補聴器メーカーは以下のとおりです。

主な国産補聴器メーカー

パナソニック
リオン
パイオニア
ベルトーン
オムロン
パイオニア

街なかの補聴器販売で聞いたことのある名前や、家電有名ブランドなど、馴染みのある名前もあると思います。
そして各社、個性的な補聴器や、日本国内のブランド名を活かした活動など、頑張っておられます。
ただ、世界規模で見た場合、やはり国産メーカーは小規模と言わざるを得ません。

国産だから安心、最大手だから安心と考えず、気になった補聴器をいろいろ試していただき、専門家の意見を聞くことが、より良い聞こえを手に入れる一番の方法だと思います。

皆さんが思っている以上に、メーカーごとに個性のある補聴器

この記事に書いたメーカーを比較した特徴は、メーカーのカタログにはまったく載っていません。メーカーの公式サイトを見ても、以下のようなことはわかりにくいと思います。

補聴器の個性

・遠くまでの言葉のハッキリを優先しているか、言葉は近くだけでも日々の快適性を優先しているか。
・補聴器が故障する可能性について、耐水性に優れているか、汗をかく人におすすめできるか。
・補聴器を付けた時、どの機種がどれくらい目立つのか、逆に目立たないのか。
・テレビのセリフをハッキリさせたい、会議でしっかり聞きたい、電話の言葉を分かりやすく等、特定の場面に適しているか。
・メーカーごとに耳栓の形状は異なるが、それぞれどんな耳の形に適合するのか。

補聴器の専門家は、多くの補聴器を扱うことで、カタログだけでは見えてこない、様々なご要望にあった最良の補聴器のご提案が出来ます。
ぜひ、補聴器店を選ぶ時の参考にしていただければと思います。

出典

Global Hearing Aid Devices Market Analysis Report 2018-2025 : Industry Overview, Segment, Type, Application, Competition, Demand, Price, History and Forecast(日本語訳:グローバル補聴器機器市場分析レポート2018-2025:業界概要、セグメント、種類、アプリケーション、競争、需要、価格、履歴および予測)
http://www.99strategy.biz/global-hearing-aid-devices-market-analysis-report-2018.html


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この記事は
私が書きました

この記事は大塚祥仁が書きました

大塚 祥仁
【認定補聴器技能者】

2006年から補聴器の仕事を始めました。もっとも確実に、よく聞こえる方法をご提供することが、私のミッションです。皆様によく聞こえる生活をお届けするため、毎日毎日、聴覚医学の論文を読み、デンマークやドイツの研究機関と連絡を取り、時には欧州へ勉強に行き、海外から研究者を招き勉強会を開催し、国内の社会人大学院へ通い修士号まで取ってしまいました。本Webページでは、補聴器、難聴、耳鳴りなどについて、確かな情報や最新の情報をお届けしていきます。ご相談の方は、お気軽にご連絡ください。

保有資格:認定補聴器技能者、医療機器販売管理者

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