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2020年版:人気補聴器メーカー6社の比較と特徴


皆さんが思う以上に、メーカーごとに個性がある補聴器

世界で最も人気の補聴器メーカーは一体どこでしょう?
人気のメーカーには、それぞれに特徴があります。
各社かなり違いますので、補聴器選びの参考にして下さい。

補聴器の人気メーカーの比較と特徴

世界的な補聴器の人気メーカーは6つあります。
なお、どのメーカーを選んでも、補聴器は調整によって音質を大きく変化させることが出来ます。
本記事では、調整で変えられない特徴を紹介します。

世界の人気メーカー(50音順)

オーティコン
GNリサウンド
シグニア(旧シーメンス)
スターキー
フォナック
ワイデックス

補聴器の補助金制度について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

オーティコン

北欧のデンマーク王国に本社を置く補聴器メーカーです。

2016年に発売されたOPNシリーズから、他社とはまったく異なった”言葉と背景雑音を自然に分けるオープンサウンドナビゲーター”というテクノロジーを搭載しています。
これ以前の補聴器は、どのメーカーも”多少は不自然さがあっても、雑音の中で言葉の聞き取りを助ける機能” を開発していました。

2016年当時、オーティコンの考え方は独特で、耳よりも脳の働きに着目していました。
一般的に音を聞くのは耳だと思われていますが、実際には脳が聞くべき音を選択し、文脈などを分析。それがどんな意味をもつか理解するという複雑なプロセスを経て、音として認識されます。
このとき実際の音と補聴器を通して聞こえる音に乖離があると、その分だけ脳に余分な負荷がかかることになります。

こういった思想の元OPNは自然な範囲で言葉を分かるようにするという点が画期的でした。
このテクノロジーには様々なメリットがあるのですが、長時間話していても疲れにくいこと、音の方向感覚が分かりやすいこと、この二つが大きなメリットです。

なお雑音のある場所で人と会話すると言っても実際の生活の場面は様々です。
路上で歩きながら会話するときの車の雑音、喫茶店で別のテーブルの食器の音は雑音の種類が違います。
また家庭内の会話で聞き返しが許される場面と、仕事の会議で聞き間違えが許されない場面も異なります。

雑音を抑えるテクノロジーには様々な種類があり、生活環境やお困りごとによって適応する補聴器が変わってきます。

ここがポイント!

オーティコンが人気の理由
付けていて負担が少ないこと、脳へのリハビリ効果を考慮。
音の方向感覚などを補助する機能を考慮。

GNリサウンド

GNは他社にない特殊な機能を開発することが得意な補聴器メーカーです。

これまで数々の業界初となる技術を生み出しており、他社にも取り入れられて業界のスタンダードになった技術が少なくありません。

WDRC(ワイド・ダイナミックレンジ・コンプレッション)回路では、小さい音や言葉を拾いながらも大きな音への不快感を減らすことに成功しました。

DFS(デジタルハウリング抑制技術)は、ピーピー音を減らしつつ、付け心地の良い耳せんを両立させることに貢献しています。

補聴器とスマホを通信・連携される機能は一般的になりつつありますが、これもGNリサウンドが業界初(2017年)でした。2017~2019年頃までは補聴器と連携できたのはiPhoneだけだったため、高校生くらいの難聴のお子さんはGNの補聴器を指名して、御両親にiPhoneをおねだりする、そんな場面もありました。

現在のGNグループの補聴器は、音質や機能に特徴があり、一部の難聴の方には、特に上手く適合することがあります。その難聴は、中耳炎の経験や、治療後も残る後遺症などによって発生する伝音性難聴です。また伝音性難聴の方が高齢化した場合に起こる混合性難聴の方も、GNの補聴器が適合することが多いです。

2020年に最新モデルとしてリサウンドワンマリーが発売されました。こちらは伝音性難聴ではなく、加齢が原因の軽度難聴の方に適応しやすくなっています。世界初のRIC型トリプルマイク補聴器になっており、先に紹介したオーティコンのOPNがコンピュータで自然な雑音処理を実現しているのに対して、マイク性能で自然な雑音処理を実現しています。

上記の他、GNリサウンドのすべての補聴器は、汗がしみこまないようナノコーティング技術が使われています。特に充電式の補聴器は、充電が非接触式で電極がなく錆びる心配がありません。
聴力に関係なく、活動が活発な方、よく汗をかく方に故障が少ないと人気です。

ここがポイント!

GNリサウンドは、こんな人におすすめ
伝音性難聴の方、混合性難聴の方には、特に人気。
近年のヒット製品は、充電式補聴器と持ち運び可能な充電器のセット(汗に強い)
当店では、活動が活発な方におすすめしています。

GNリサウンドについてもう少し詳しくまとめました。
補聴器メーカー「GNリサウンド」の特徴と合う人・合わない人

最新モデルのリサウンドワンマリーはこちらで詳しく紹介しています。
新製品補聴器!GNリサウンドのワン マリー世界初3マイク

スマホと連携して便利に使う事例をご紹介しています。
【GNリサウンド】補聴器の調整で英語が聞き取りやすくなった、70代男性の事例

シグニア

以前はシーメンスという名前だった補聴器メーカーです。
現在は製品ブランド名がシグニア、日本法人の社名はシバントス、グローバル本社はWS Audiology社です。

後述するワイデックスは関連会社なのですが、製品の特長はまったく異なります。

シグニアの補聴器は「補聴器を使っていない方/買ったけど使わなくなった方の声」を聞いて開発されてきた歴史があります。

特徴的な機能を挙げると
・大きな音が聞こえすぎる!
→突発音の軽減機能

・雑音の中では、言葉が聞こえない!
雑音と言葉の分離機能を強化

・補聴器を耳につけた時の自分の声に違和感がある!
自分の声を録音して、自分の声だけ増幅しない機能

・横や後ろから声を掛けられた時に分からない!
声の方向に合わせて、そちらにマイクを集中する機能

・声を聞きたい時と静かにしたい時がある!
モーションセンサーとマイクを組み合わせて環境認識し音質を自動調整

特に雑音と言葉の分離機能は、2015年のBinaxシリーズからとても強力になっており、極めてうるさい場所でも、顔を向けた方向の声だけを拾うというものです。この機能は、先に紹介したOPNやリサウンドワンマリーと比べて、不自然さが出る可能性があるものの、より大きな雑音に対応できます。実際の調査では軽度難聴者に限れば、居酒屋程度のうるさい場所で”耳のいい人を超えて言葉が分かった”という報告もあります。

2020年に発売された新製品「Signia Xperienceシリーズ」からは、補聴器にモーションセンサーが搭載されました。これにより補聴器を使っている人の動作を認識し「今、言葉を聴きとりたいのか?」「静かに過ごしたいのか?」などをAIが高精度に推測できるようになりました。補聴器を使っている最中、何も意識することなく、周りの環境に合わせた音質に切り替わってくれます。

またオーティコンと並んで、脳の疲れ対策に取り組んできたメーカーでもあり、聞こえすぎることによる疲れの心配は少ないでしょう。

これらの機能によって、シグニアの補聴器は軽い難聴の方、補聴器の初心者に人気です。

ここがポイント!

シグニアの特徴
補聴器を使うことによる疲れやうるささが少ない。
雑音のある場所では、不自然でも雑音を強力にカット。
補聴器の初心者・軽度難聴の方におすすめ。

Signia Xperienceシリーズについてはこちらで詳しく紹介しています。
シーメンス・シグニア補聴器の新製品「Xperience(エクスペリエンス)」の特徴

騒がしい中でも会話をしたいというご希望に合わせた事例をご紹介しています。
「喫茶店でお友達と会話ができるようになりたい」中等度難聴の女性にシグニア耳かけ型補聴器をフィッティングしました

スターキー

スターキー社は、アメリカに本社を持つ企業です(他のメーカーは全てヨーロッパ企業)。ロナルド・レーガン元大統領が、在任中にスターキー社の補聴器を使っていることを公表したことで、一躍有名になりました。

補聴器の形状には耳に掛ける耳掛け型と、オーダーメイドで耳の穴に合わせて作る耳あな型があります。スターキーは、オーダーメイドの耳あな型に特化した補聴器メーカーです。

アメリカにあるスターキーチェーン店では、ほぼオーダーメイド耳あな型しか販売されていません。

当社で開催する「耳あな型補聴器のメーカー比較大会」において、見た目の小ささの部門では、スターキー社が毎回一位です。

2020年には、世界で初めて充電式のオーダーメイド耳穴型補聴器を発売しました。2020年11月現在、充電式のオーダーメイド耳あな型は、スターキーしかありません。

コロナ禍以降、多くの方が常にマスクを着ける生活になって、スターキーの耳あな型補聴器はとても人気で爆発的に売れています。

ここがポイント!

スターキーが人気の理由
世界で一番小さな耳穴型補聴器を開発。
耳あな型補聴器のメーカー比較(当社開催イベント)で、見た目の小ささの部門で一位。
充電式のオーダーメイド耳あな型は、スターキーだけ!

スターキー社についてもう少し詳しくまとめました
充電式のオーダーメイド耳あな型は、こちらで詳しく紹介しています。
世界初、充電式耳あな型補聴器が発売!スターキー「Livio AI」

フォナック

フォナックは世界シェア1位の補聴器メーカーです。
関連会社にユニトロンという補聴器メーカーもありますが、こちらはフォナックブランドで最新モデルが発売された後、しばらくしてから似た製品がユニトロンブランドで発売されています。

世界シェア1位の補聴器メーカーですから、商品ラインナップが豊富です。どんな難聴の方にも合うように様々な補聴器を開発しています。

他社にあまりない製品や機能としては
・先天性の難聴のお子様向けの補聴器(スカイシリーズ)
・最高級の目立たない補聴器を求める方にチタン製の極小補聴器。
・パソコンと接続してZOOM会議に使えるBluetooth機能付き補聴器。
・雑音下で声が聞こえる両耳間通信指向性マイク機種(シグニアとほぼ同じ機能)
などがあります。

高齢者向けの補聴器は各社発売していますが、上記の4つは他社にあまり無いため特に人気があります。

日本の補聴器専門店では、メーカー直営店を除けば、最も多く販売されているメーカーの一つです。

ここがポイント!

フォナックの特徴
シェア1位だけあって、機能面は充実。ほとんどのニーズに対応可能。
補聴器のお店選びで迷ったらフォナック取り扱い店を選ぶのが堅実です。

フォナックについてもう少し詳しくまとめました

最新のスカイシリーズはこちらで紹介しています。
フォナックから子ども向け補聴器「スカイM」新発売!Bluetoothで音声が聴けます!

ワイデックス

ワイデックス社はデンマークのメーカーで、音質の自然さと小さい音に対する感度が極めて高いことが特徴です。

補聴器は本来、聴力に合わせて音を加工する装置ですが、音の加工は微かな音質の劣化を招きます。
ワイデックスの補聴器は、音質的な劣化を避けつつ、言葉の聞き取りを重視している傾向があります。
他社のような分かりやすい機能はありませんが、ワイデックスの音質には根強いファンがいます。

実際、ワイデックスの音質が適合して満足される方は初心者よりも経験者の方が多いです。他メーカーの音質を経験した方が、ワイデックスに買い替える方は多く居ますが、ワイデックスの音質に満足していた方が他のメーカーに買い替えるケースは多くありません。

2020年に発売されたモーメントシリーズでは「ゼロディレイ テクノロジー」を搭載。
通常、補聴器はマイクに音が入り、内部でコンピュータ処理され、スピーカーから音が出る構造になっており、どうしてもミリ秒単位で音が遅れる仕組みになっていました。
「ゼロディレイ テクノロジー」では、この音の遅れ(ディレイ)を1ミリ秒以下に抑えることに成功し、ますます音質に磨きがかかっています。

小さい音に対する感度がとても高いこともワイデックス補聴器の特徴です。
一円玉が布団の上に落ちた音さえ拾うマイクが搭載されています。もちろん実際に一円玉の音は聞こえなくても良いのですが、この性能が役立つ場面は、会議・会合など、距離3メートル以上離れた場所での会話です。
ワイデックスの補聴器は、学校の授業・会議・会合などの聞こえを改善したい方には、特におすすめしています。

ここがポイント!

ワイデックスは、こんな人におすすめ
授業・会議・会合での聞こえを良くしたい方に人気!
すでに補聴器を使っていて、買い替えの際には試聴してみる価値あり!

ワイデックスについてもう少し詳しくまとめました。
補聴器メーカー「ワイデックス(WIDEX)」の特徴と合う人・合わない人

その他のメーカー(国産メーカー全社を含む)

上記の世界的な人気メーカーの他にも、補聴器メーカーはあります。

主な国産補聴器メーカー

パナソニック
リオン
パイオニア
オムロン
パイオニア

実は世界規模で見た場合、国産メーカーはどこも小規模と言わざるを得ません。
上記5社を合計しても、ご紹介した人気メーカー1社より小さいのです。

補聴器の機能・性能は一般の方の購入価格よりも、メーカーの研究開発費の影響が大きいのが実情です。

補聴器を検討する際は、大手の人気メーカーの中から選んでいただくのが良いと思います。

気になった補聴器はいろいろ試していただき、補聴器は専門店へご相談いただくのが、良いと思います。

皆さんが思っている以上に、メーカーごとに個性のある補聴器

この記事に書いたメーカーを比較した特徴は、メーカーのカタログにはまったく載っていません。メーカーの公式サイトを見ても、以下のようなことはわかりにくいと思います。

補聴器の個性

・遠くまでの言葉のハッキリを優先しているか、言葉は近くだけでも日々の快適性を優先しているか。
・補聴器が故障する可能性について、耐水性に優れているか、汗をかく人におすすめできるか。
・補聴器を付けた時、どの機種がどれくらい目立つのか、逆に目立たないのか。
・テレビのセリフをハッキリさせたい、会議でしっかり聞きたい、電話の言葉を分かりやすく等、特定の場面に適しているか。
・メーカーごとに耳せんの形状は異なるが、それぞれどんな耳の形に適合するのか。

補聴器の専門家は、多くの補聴器を扱うことで、カタログだけでは見えてこない、様々なご要望にあった最良の補聴器のご提案が出来ます。
ぜひ、補聴器店を選ぶ時の参考にしていただければと思います。


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この記事は
私が書きました

大塚祥仁 写真

大塚 祥仁
【認定補聴器技能者】

2006年から補聴器の仕事を始めました。もっとも確実に、よく聞こえる方法をご提供することが、私のミッションです。皆様によく聞こえる生活をお届けするため、毎日毎日、聴覚医学の論文を読み、デンマークやドイツの研究機関と連絡を取り、時には欧州へ勉強に行き、海外から研究者を招き勉強会を開催し、国内の社会人大学院へ通い修士号まで取ってしまいました。本Webページでは、補聴器、難聴、耳鳴りなどについて、確かな情報や最新の情報をお届けしていきます。ご相談の方は、お気軽にご連絡ください。

保有資格:認定補聴器技能者、医療機器販売管理者

★ Twitter はじめました。耳の話を真面目に書いてます! : @mimi_otsuka

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