補聴器メーカー「GNリサウンド」の特徴と合う人・合わない人
GNリサウンドは、世界第4位のシェアを持つ補聴器メーカーです。このメーカーの補聴器は重度難聴の人や、中耳炎手術の経験者によく合う場合が多いです。本記事ではGNリサウンドというブランドと製品の特徴について解説します。
【目次】
GNリサウンドは世界シェア4位の補聴器メーカー、いくつかの特殊な難聴によく合います。
GNは世界シェア4位の歴史ある補聴器メーカーです。1977年に補聴器メーカーのダナヴォックス、2000年に同じく補聴器メーカーであるベルトーンの買収などを経て、現在の社名は「GNヒアリング社」です。すべての製品共通のブランド名が「GNリサウンド(ジーエヌリサウンド)」になります。
なお日本国内では「GNリサウンド」と、機能・性能がそっくりな「ベルトーン」という補聴器ブランドも流通しています。これは外観こそ違いますが、GNリサウンドのお値打ち版です。半年から1年程度、古いモデルをお値打ちな価格にして流通させているようです。
難聴の種類によって、GNリサウンドの補聴器が特によく合う人がいます。第一に中耳炎経験のある方、最重度難聴の方によく合います。また目立たない小型補聴器でスマホからの動画音声を聞きたい方には、唯一の選択肢になります。
現在、最新シリーズのクアトロは、それ以前の3Dシリーズと比べ、音質が大きく改善したこと、使い勝手の良い充電式補聴器になったことなどから、前シリーズを大きく超える販売台数を記録しているそうです。GNの補聴器を選ぶときには、値引きありの型落ち品よりも、お値打ちな最新モデルを選ぶと良いでしょう。クアトロシリーズで一番お値打ちな補聴器は、2020年6月現在、片耳160,000円から販売されています。
GNリサウンドの補聴器が合う人、合わない人
①中耳炎経験者にはGNリサウンドの補聴器の音質がよく合います。
GNリサウンドの音質は、中耳炎経験者(伝音性難聴と言います)の補聴器ユーザーから「音に違和感がなく、自然に聞こえる」という評価を受けています。
近年、他のメーカーから発売されているほとんどの補聴器は、老化によって難聴になった高齢者が便利に使えるように開発されています。言葉以外の雑音を自動で抑える機能が最たる例です。これら高齢者向けの機能は、音質を過度に加工する場合があり、伝音性難聴の人が使うと言葉の聞き取りに悪影響が出てしまうケースがあります。
一般的に補聴器メーカーが新製品を開発する時、高齢者と中耳炎経験者のどちらかを優先させます。ほとんどのメーカーは人数の多い高齢者を優先しますが、GNリサウンドは中耳炎経験者にデメリットが無い音質を優先しているようです。
GNリサウンドの補聴器は、言葉以外の雑音を自動で抑える機能よりも、純粋な音質の良さが特徴です。GNリサウンドの補聴器は、中耳炎の経験者や治療後も難聴が残った方(伝音性難聴)によく適合します。
②重度難聴者にはGNリサウンドのハイパワー補聴器がよく合います。
重度難聴者が使う補聴器には、十分なパワー(音圧)が必要になります。重度難聴用といううたい文句の補聴器は、様々なメーカーから発売されていますが、GNリサウンドの「リサウンド・エンツォ クアトロ」は、重度難聴用ハイパワー補聴器の中でも世界トップクラスに強力です。

88タイプを装用した様子
先天性の重度難聴者でも、エンツォのパワーは必ずしも必要ではありません。中耳炎の後遺症による難聴と加齢による難聴の両方が混ざった混合性難聴の場合、エンツォのパワーが必要不可欠になる場合があります。
GNリサウンドは着けている最中のピーピー音(ハウリング)を抑える機能にも優れています。どの補聴器メーカーでも、ハイパワーの補聴器ではハウリング音が鳴りやすくなるのですが、GNリサウンドの場合、ハイパワーの補聴器でもハウリング音をしっかり抑制してくれるので、周りにピーピー音を聞かれる心配がありません。
この器種は、他メーカーのハイパワー補聴器を試しても聞こえが改善しなかった人から、特に高い評価を得ています。中耳炎を経験した混合性難聴の方、高度~重度難聴の人は、一度試聴してみる価値があります。
③小さい耳あな型補聴器(CICサイズ)をスマホ連携させたいガジェット好きはGNリサウンド一択。
近年、iPhoneと接続できる補聴器が増えています。ストリーミングと言って、スマホの音楽・動画、電話の音声を補聴器で聞いて楽しめる機能です。
GNリサウンドの「クアトロ」シリーズでは、超小型補聴器(CIC)で、iPhoneや一部のAndroidスマホからのストリーミングができます。2020年6月現在、このサイズの耳あな型補聴器でストリーミングできる補聴器はGNリサウンドだけです。
スマホアプリで、音量・音質を切り替えられるリモコン機能。
GNが無料で提供している「リサウンド・スマート3D」アプリでは、補聴器の電池残量の確認をしたり、音量・音質を自分好みに調整できます。レストランや屋外など、場面ごとに補聴器の機能を切り替えて使うことも可能です。

状況に合わせて、音質を変更できます。

電池残量が確認できます。
④極度な汗かきや湿気に強い、高耐久な補聴器
通常、補聴器は精密機械なので、汗、水、湿気に弱いです。一部に防水性能をうたっている補聴器もありますが、プールに入れるレベルの防水補聴器は性能が極端に低下します。それ以外の防水補聴器は、水をはじく程度の防水性能です。
GNリサウンドの補聴器「リサウンド・リンクス クアトロ 充電式」は2020年6月現在、汗による故障が最も少ない補聴器の一つです。汗がしみこまないよう表面にナノコーティング技術が使われており、充電式なので電池の隙間がありません。さらに充電は非接触式のため補聴器の表面に電極がなく、錆びる心配がありません。

リサウンド・リンクス クアトロ充電式
ジョギングやランニングなど汗をかくスポーツをされる方、建築や工事の現場で働く方は、GNリサウンドの充電式補聴器を選んでおくと、故障率が抑えられます。
⑤加齢性の中等度難聴には合わないこともある。
加齢性の難聴の場合、ドアが閉まる音や、水の流れる音、新聞紙をめくる音などの雑音が気になりやすい人がいます。
GNリサウンドの補聴器は、上述の通り音質の自然さを実現するため、音質劣化する可能性がある極端な補助機能(強い雑音抑制)は少なめになっています。そのため、雑音が気になりやすい一部の加齢性難聴の方には合わない場合があります。
中耳炎手術をした人でも耳あな型補聴器が作れる、3Dデジタルイヤスキャナー「オトスキャン」
今まで、中耳炎の方は治療が完了していても、耳あな型補聴器を注文しようとすると断られることがありました。理由は安全上の問題で、中耳炎経験のある方は、耳あな型補聴器を作成するために必要な「耳型採取」が失敗する可能性が高かったためです。
GNリサウンドは検査機器メーカーのOtometrics社と協力して、日本で最初に耳の穴の形状を3Dスキャナで撮影し、それを元にオーダーメイド耳あな型補聴器を作れる体制を整えました。

オトスキャンで疑似耳をスキャンする様子
この方法によって、既存の耳型採取より、とても安全に耳あな型補聴器を作れるようになりました。2020年6月、日本において3Dスキャナを使って補聴器を作れるのは、まだGNリサウンドだけです。中耳炎経験のある方、何かしら耳の手術を受けたことがある方が補聴器を作る場合、GNリサウンドの補聴器は最も安全です。
プロショップ大塚がおすすめするGNリサウンドの補聴器
リサウンド・リンクス クアトロ7 超小型耳あな型補聴器 片耳340,000円

CIC装用イメージ

取り外し用テグスとワイヤレスアンテナが兼用になっています。
GNリサウンド最新の超小型耳あな型補聴器です。外からは着けているのがわからないほど小さな補聴器ですが、iPhoneと通信してリモコン機能を使ったり、音楽や電話の音声を補聴器から流すことができます。
中耳炎やその後遺症による伝音性難聴の方、目立たない補聴器でもiPhoneとの連携機能を楽しみたい方におすすめです。
リサウンド・エンツォ クアトロ5 片耳220,000円
リサウンド・エンツォ クアトロは、重度難聴用の高出力補聴器です。
重度難聴の方で今使っている補聴器の音量感に満足ができない人やピーピー音にお困りの方、iPhoneと接続して電話や音楽の音声を補聴器から聞きたい人におすすめです。

左:88タイプ、右:98タイプ
GNリサウンドの補聴器が気になる人は、購入前の試聴をおすすめします。
補聴器メーカー「GNリサウンド」の歴史から、最新器種までご紹介してきました。ここまで書いたことは、すべて私たちが確認した事実ですが、聞こえは一人ひとりの聴力や好みの影響が大きいものです。GNリサウンドの補聴器をご検討の方はご購入の前に、ぜひ私たちのお店で無料試聴サービスをご利用下さい。
補聴器専門店プロショップ大塚では、補聴器をご自分で試して、体験して、よく聞こえることを確かめてからのご購入をおすすめしています。GNの補聴器に興味のある方は、プロショップ大塚まで、お気軽にご来店下さい。