会議から家族の団らんまで!便利なロジャーセレクトiN
ロジャーセレクトiNは、話し手の声を無線で直接補聴器に飛ばしてくれるワイヤレスマイク(送信機)です。フォナック製の補聴器、パラダイスシリーズまたはマーベルシリーズと組み合わせて使う事で、雑音がある環境での聞こえや離れた人の声の聞こえを改善します。特に、補聴器だけでは言葉が聞き取りにくい場面の会話に役立ちます。
ロジャーセレクトiNは、話し手の声を拾う送信機
ロジャーシリーズは、補聴器と組み合わせて使う事で、周りに雑音があっても離れていても、相手の声がクリアに聞こえるようにする無線マイク送信機と受信機で構成されるシステムです。
ロジャーセレクトiN(送信機)は、ロジャーシステムの最新モデルとして、2020年1月に発売されました。
旧来のロジャー製品では、音を聞き取る難聴者は補聴器本体だけでなく受信機も用意する必要がありました。
ロジャーセレクトiNは、最新の補聴器と組み合わせることで受信機が不要になりました。(ロジャーシリーズ初!)
この他にも従来のロジャー製品と比べて使い勝手で大きく改善されています。
もちろん音質の良さはそのままに、グループでの会話やにぎやかな場所での会話など、補聴器を使っても聞き取りにくい場面で活躍します。
2019年発売の補聴器マーベルシリーズと、2020年発売のパラダイスシリーズでは、補聴器本体の中に「受信機能」を内蔵。これら最新の補聴器とロジャーセレクトiNを組み合わせることで、受信機が不要になったのです。
※補聴器側の受信機能は、初期設定ではOFFになっています。
ロジャーセレクトiNとマーベルもしくはパラダイスを組み合わせて使う場合、補聴器側で受信機能を有効化する設定が必要です。この作業はロジャーセレクトiNの試聴または購入時に、販売店で行います。
ロジャーセレクトiNは、聞きたかった場面で聞こえが向上!
ロジャーセレクトiNは補聴器だけでは聞き取りにくい環境で役に立ちます。
特に役立つ場面をご紹介します。
人が多い場所、仕事の打ち合わせや家族の集まり
複数人で会話をするときは、テーブルの中央にロジャーセレクトiNを置くと、全員の声がバランスよく聞こえます。
補聴器だけで聞き取ろうとすると、近くの人や大きな声は聞こえても、離れた人の言葉が分からない場合があります。
ロジャーセレクトiNには6方向の指向性マイクがあり、話している人の声を360度からビームのように捉えます。
さらにこのとき、会話と騒音の比率を瞬時に解析し、周囲の雑音を抑えるので補聴器に届いた声が聞き取りやすくなります。
特定の場所にいる人の声を聞きたい場合は、ロジャーセレクトiNを指先で軽くタップすると、触った方向の声を集中して拾うことができます。
声の小さな高齢者や、会議で上司の言葉を聞きたい時に便利です。
ロジャーセレクトを使うと、騒音下での言葉の理解度(語音明瞭度)が、補聴器だけで聞くより最大61%改善されたという研究結果があります。お仕事で会議中の会話を重視する方には特におすすめです。
引用元:騒音下でのことばの理解を改善
外出先や自宅でも、聞きたい人の声をさらに聞きやすく。
ロジャーセレクトiNは、1対1の会話でも役立ちます。
少し離れた場所にいながら会話がしたいとき、ロジャーセレクトiNを話し手に直接身に着けてもらうと、近くで話しているときと同じように大きな声が聞こえます。
なおクリップとネックストラップは付属でついてきます。
話し手がロジャーセレクトiNを首にかけると、マイクが自動で首かけモードになります。ネックストラップを調整して、話し手の口元から20㎝程度の範囲内に着けてもらいます。
話し手と聞き手は最大で50メートル離れていても言葉が届きます。
ここからはロジャーセレクトiNが役立つ場面をいくつかご紹介します。
◆使用例①職場での会議やプレゼンの発表者の声
ロジャーセレクトiNは会議やプレゼンなど、仕事の場で活躍します。
ロジャーセレクトiNをメイン司会者やプレゼンの発表者に着けてもらう、または話す場所の近くに置かせてもらう。
また多人数が発言する会議では、自分の席から遠い場所にロジャーセレクトiNを置かせてもらう。
こうすることで、雑音が補聴器のマイクに入ることなく、さらに発表者の声は大きく聞こえるようになります。
会議にも集中しやすくなります。
◆使用例②買い物や銀行でのパーテーション越しの会話
コロナ感染予防対策で、どこに行っても飛沫防止のパーテーションが設置されています。お話が必要なときだけ、隙間からロジャーセレクトiNを置かせてもらえば、話し手の声が聞き取りやすくなり、何度も聞き返すことが少なくなります。ソーシャルディスタンスを保ち、大きな声を出せない状況の中、さまざまな場面で役に立っています。
◆使用例③病院での大事な会話
ご高齢の方は、病院への定期的な通院時に活用できます。
診察時の医師からの大事な話や、看護師さんや受付の方とのやり取りにも使います。マスクとパーテーション、さらにはフェイスシールドをされていると相手の声が聞こえにくくお困りの方が多いです。聞こえにくいからと、毎回ご家族についてきてもらうのも気が引けるという方もいらっしゃると思います。ロジャーセレクトiNを使っていただけると、一人での診察でも安心です。
テレビ視聴の音質も大幅改善
ロジャーセレクトiNは、テレビ視聴の音質を改善することにも役立ちます。
付属のドッキングステーションとテレビをケーブルでつなぎ、ロジャーセレクトiNをセット。これだけでテレビの音声が、テレビのスピーカーを通さずに補聴器に届きます。しかもこの音は、周りの方には聞こえないので、ご家族に音がうるさくなるなどの影響もありません。
従来品のロジャーよりトータルコストが安い
先にも書いた通り、ロジャーセレクトiNは送信機ですが、受信機を別で購入する必要はありません。
マーベルよりひとつ前に発売されたビロングシリーズと比較してみます。ビロングシリーズの耳かけ型電池式の補聴器「オーデオB30‐312T」と組み合わせて、ロジャーを使う場合は、送信機と受信機が必要となります。
ビロングシリーズと同じ形状、同グレードで最新のパラダイスシリーズの補聴器は「オーデオP30‐312」です。ロジャーセレクトiNは、カタログではオープン価格となっていますが、プロショップ大塚では11万円(税込)で販売しておりますので、合計額はこの金額で比較しています。比較してみると、送信機と受信機をそれぞれ購入する必要がないので、トータルコストも抑えられ、お得と言えます。
ロジャーセレクトiN対応補聴器
パラダイスシリーズ
ロジャーセレクトiNに対応した、フォナックの最新補聴器パラダイスの解説はこちら
※2021年6月現在パラダイスの耳あな型はまだ発売されていません。
マーベルシリーズ
ロジャーセレクトiNに対応した、フォナックの耳あな型補聴器はマーベルになります。カラーは、黒、ベージュ、赤、青、白、クリアからお選びいただけます。
ロジャーセレクトiNのご試聴
プロショップ大塚では、フォナックの最新補聴器パラダイスと合わせて、ロジャーセレクトiNの試聴を無料で体験できます。使い方も簡単なので、若い方はもちろんご高齢の方にも好評です。補聴器だけでは解決できなかった聞こえの困りごとも改善する可能性があります。
ロジャーセレクトiNの試聴ご希望の方はプロショップ大塚へぜひご相談ください。
【監修】
補聴器専門店プロショップ大塚を運営する株式会社大塚の代表取締役。認定補聴器技能者、医療機器販売管理者。
たくさんの難聴の方々に、もっとも確実によく聞こえる方法をご提供することが私たちのミッションです。
監修においては、学術論文もしくは補聴器メーカーのホワイトペーパーなどを元にしたエビデンスのある情報発信を心がけています。
なお古いページについては執筆当時の聴覚医学や補聴工学を参考に記載しております。科学の進歩によって、現在は当てはまらない情報になっている可能性があります。
※耳の病気・ケガ・治療、言語獲得期の小児難聴や人工内耳については、まず医療機関へご相談下さい。