難聴の高齢者が補聴器をいやがる/つけない3つの理由


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難聴の高齢者が補聴器をいやがる/つけない3つの理由

難聴になった高齢者には、補聴器をいやがり/つけない人がいます。高齢者が補聴器をいやがる理由は、大きく3つに分かれます。
第一の理由は「困っている自覚が本人に無い」
第二の理由は「難聴によって困っている自覚があっても、自分の難聴を自分で受け容れられず否定する気持ち」
第三の理由は「コスト・取り扱い・検査などに対する想像の負担感」

難聴の高齢者が補聴器をいやがるのは心理的に3つの理由が絡み合っているから

難聴の高齢者が、補聴器をいやがっている場合、その理由を聞いてみても、ハッキリしないことがあります。またご本人が訴える問題を解決しても、なお補聴器を使わなかったりする場合もあります。

難聴の高齢者が、補聴器の体験をせずにいやがっている場合、3つの理由が心の中で複雑に絡み合っていることが多いです。ここでは補聴器や聴力検査の体験をいやがる高齢者の心理について、解説します。

※本記事は「補聴器の使わず嫌い」を対象に解説します。補聴器を買った後に、補聴器をつけたがらない高齢者は、本記事の対象ではありません。補聴器を体験したり、購入した高齢者が補聴器をいやがる場合は、補聴器に問題がある可能性があります。

いやがる理由その1「困っている自覚が本人に無い」

難聴は加齢とともに少しずつ進む症状です。そのため日々のコミュニケーションが少ないと、本人に困っている自覚が生まれません。
これに当てはまる高齢者は、日々の会話が少なかったり、テレビを見ている時間が多い高齢者です。家庭内の会話は、家族が大きな声を出してくれるなら、本人は困りません。テレビを見るときは、多くの番組で字幕が付いています。音量を自分で上げることも出来ます。

シニアがテレビの音量を上げて楽しむ様子

テレビは自分がよく聞こえる音量まで上げれば楽しめます

こういった生活を送っている高齢者の場合、難聴は自覚するかも知れませんが「困っている自覚」は生まれにくくなります。
当然のことながら、本人に困っている自覚が無ければ、難聴問題を解決する意思が生まれません。
どちらかと言えば、困るのは家族の方です。大きな声を出したり、大きな音量のテレビをうるさく感じたりすることになります。

ご本人が困っている自覚を持つきっかけはさまざまです。
いくつか例を上げると、親戚との集まり、同窓会、地域の自治会の会合、定期的な病院の受診、習い事での講師の話などです。人と会って会話する機会は、困りごとを自覚するきっかけになります。

詳しくは下記の記事をご覧ください。
高齢者が補聴器をいやがる/つけたがらない理由は、本人に困っている自覚が無いから!?

いやがる理由その2「自分の難聴を自分で受け容れられず否定する気持ち」

難聴の受容を否定するシニア

高齢者の一部には、難聴に対してとてもネガティブなイメージを持っている人がいます。極端な方では、難聴を恥ずかしいことと考えているのです。

現代の若い方の価値観では、すこしイメージが伝わりにくいかも知れませんが、昔々、子供がメガネを使っている人のことを「ガリ勉」などと言って、からかった時代があったことをご存知でしょうか?

これは価値観が現代と違う時代の話しです。しかし今の高齢者が若かった時代ではめずらしくないことでした。

この時代の考えが今も残っている高齢者の場合は『身体的なハンデが、他人に見つかるとバカにされてしまう』と考えてしまうことがあるのです。
この『他人に見つかるとバカにされてしまう』という価値観は、自分の難聴を隠すことにつながっていきます。

また現在の高齢者が育った時代と言うのは、しつけが厳しかった時代です。
『自分のことは自分でやる』という教育は少なくなかったようです。

この意識が強すぎると『難聴になって会話が聞こえにくい自分』をイメージするとき、同時に『他人に迷惑をかけ、世話になるダメな自分』を想像してしまうようです。こうなると難聴になった事実を否定したくなったり、自分の難聴に気付かないフリをしたくなるようです。

これらの心理・気持ち・価値観の問題は、補聴器をいやがる最も強力な理由になる場合があります。この心理的な理由を解消するのは、とても難しいのですが、一つだけアドバイスがあります。

もし高齢者ご本人が信頼している同年代のご家族・ご親戚・ご友人に、補聴器を使ってよく聞こえている方がいれば、その方々の体験談や気持ちの変化について、お話しをうかがってみることです。

詳しくは下記の記事をご覧ください。
補聴器をいやがる/つけたがらない高齢者が「難聴じゃない!」と言い張る理由

いやがる理由その3「想像の負担感」

ここまでに紹介した補聴器をいやがる理由が該当しない方でも、なお補聴器を使わない場合があります。それは補聴器にメリットを感じていたとしても、そのメリットを超えるほど、とても大きな負担やデメリットを想像している方です。

補聴器を一度も買ったことが無い方は、想像で、負担やデメリットが膨らんでしまっている場合があるのです。
メリットデメリットを天秤で比較する様子

具体的には、下記のことが気になるようです。
・補聴器の値段
・補聴器を使って、本当によく聞こえるようになるのか?
・自分の手先の動きで、小さな機械が取り扱えるのか?
・そもそも機械が苦手で怖い。
・検査を受けるのがめんどくさい。

現在では、ほとんどの補聴器販売店で無料の試聴体験が行われています。当社の場合は、最長3ケ月の無料貸出があります。聴力検査などは必須になりますが、値段、効果、取り扱いについては、購入前に確認していただけますから、実際の負担は小さくなってきています。

詳しくは下記の記事をご覧ください。
難聴の高齢者が補聴器をいやがる/つけない理由は負担感!

3つの理由が混ざっているお客様に、私たち補聴器専門店ができること

ここまで、難聴の高齢者が補聴器をいやがる理由を、大きく3つに分けて紹介させていただきました。実際に、補聴器をいやがる高齢者と会ってお話しすると、この3つの理由のどれか一つだけということは多くありません。
心の中のことですから、3つすべてが混ざって複雑になっていることがほとんどです。

私たちの店に「補聴器をいやがっている高齢者」が来店された場合、私たちが補聴器の専門家として心がけていることがあります。

最初は、まず「私たちには、補聴器をいやがる気持ちを理解したい意思があること」をお伝えしています。
次に「ご本人の希望しないことは行わないこと」をお伝えします。具体的には、聴力検査を受けないことや補聴器を体験しないことを、ご本人が選べるということです。

この2つをしっかりお伝えすると「補聴器をいやがっている高齢者」でも、多くの場合、ご本人から、今の気持ちやご希望または心配していることなどを、いくらか聞かせていただけるようになります。

お話を聞かせていただけた場合は、ご本人が「補聴器をいやがっている理由」と、ご本人の気持ちやタイミングに合わせて、適切な提案をさせていただいています。

本記事が、補聴器をいやがるご本人やご家族が、お互いに分かりあうお役に立てれば嬉しいです。


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私が書きました

この記事は大塚祥仁が書きました

大塚 祥仁
【認定補聴器技能者】

2006年から補聴器の仕事を始めました。もっとも確実に、よく聞こえる方法をご提供することが、私のミッションです。皆様によく聞こえる生活をお届けするため、毎日毎日、聴覚医学の論文を読み、デンマークやドイツの研究機関と連絡を取り、時には欧州へ勉強に行き、海外から研究者を招き勉強会を開催し、国内の社会人大学院へ通い修士号まで取ってしまいました。本Webページでは、補聴器、難聴、耳鳴りなどについて、確かな情報や最新の情報をお届けしていきます。ご相談の方は、お気軽にご連絡ください。

保有資格:認定補聴器技能者、医療機器販売管理者

★ Twitter はじめました。耳の話を真面目に書いてます! : @mimi_otsuka

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