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補聴器メーカー「リサウンド」の特徴と合う人・合わない人

補聴器メーカー「リサウンド」の特徴と合う人・合わない人

リサウンドは、世界第4位のシェアを持つ補聴器メーカーです。このメーカーの補聴器は重度難聴の人や、中耳炎手術の経験者によく合う場合が多いです。本記事ではリサウンドというブランドと製品の特徴について解説します。

リサウンドは世界シェア4位の補聴器メーカー、いくつかの特殊な難聴によく合います。

リサウンドは世界シェア4位の歴史ある補聴器メーカーです。1977年に補聴器メーカーのダナヴォックス、2000年に同じく補聴器メーカーであるベルトーンの買収などを経て、現在の社名は「GNヒアリング社」です。製品共通のブランド名が「リサウンド」になります。
なお日本国内では「リサウンド」と、機能・性能がそっくりな「ベルトーン」という補聴器ブランドも流通しています。これは外観こそ違いますが、リサウンドのお値打ち版です。リサウンドブランドで最新モデルを発売し、そのあと半年から1年後に、ほぼ同じモデルをお値打ちな価格にして販売しているようです。

難聴の種類によって、リサウンドの補聴器が特によく合う人がいます。第一に中耳炎経験のある方、最重度難聴の方によく合います。
音質以外の面では、おしゃれなデザインの充電式のオーダーメイド耳あな型があります。
スマホ連携機能も充実しており、目立たない小型耳あな型の補聴器でスマホからの動画音声を聞きたい方にもリサウンドがおすすめです。

2024年3月時点の最新モデルはネクシアシリーズになります。
最新のBluetooth規格に対応しており、ネクシア補聴器はテレビやスマホ、iPadなどと遅延なく、良好な音質で接続できるようになりました。
お値打ちモデルとしては、2021年2月に登場したキーシリーズが人気です。片耳85,000円から販売されています。

リサウンドの補聴器が合う人、合わない人

①中耳炎経験者にはリサウンドの補聴器の音質がよく合います。

「自然な聞き心地」とうたわれているリサウンドの音質は、中耳炎経験者(伝音性難聴と言います)の方におすすめです。
近年、他のメーカーから発売されているほとんどの補聴器は、老化によって難聴になった高齢者が便利に使えるように開発されています。言葉以外の雑音を自動で抑える機能が最たる例です。これら高齢者向けの機能は、音質を過度に加工する場合があり、伝音性難聴の人が使うと言葉の聞き取りに悪影響が出てしまうケースがあります。

中耳炎で診察を受ける人

一般的に補聴器メーカーが新製品を開発する時、高齢者と中耳炎経験者のどちらかを優先させます。ほとんどのメーカーは人数の多い高齢者を優先しますが、リサウンドは中耳炎経験者にデメリットが少ない自然な音質を優先しているようです。

リサウンドの補聴器は、言葉以外の雑音を自動で抑える機能よりも、純粋な音質の良さが特徴です。リサウンドの補聴器は、中耳炎の経験者や治療後も難聴が残った方(伝音性難聴)によく適合します。

難聴の種類によって、症状や困りごとは違います。

②充電式の耳あな型補聴器をご希望の重度難聴者にはリサウンドがおすすめです。

重度難聴者が使う補聴器には、十分なパワー(音圧)が必要になります。重度難聴用といううたい文句の補聴器は、様々なメーカーから発売されていますが、耳あな型になると選択肢が狭くなります。さらに充電式となると、耳あな型のハイパワータイプは器種が限られます。
リサウンドの「リサウンド・オムニアの耳あな型」は、耳あな型補聴器の中で世界トップクラスに強力です。

ITEサイズの耳あな型補聴器と装用した様子

ITEサイズの耳あな型補聴器と装用した様子

なお先天性の重度難聴者でも、これほどのパワーは必要とは限りません。中耳炎の後遺症による難聴と加齢による難聴の両方が混ざった混合性難聴の場合、強力なパワーが必要になる場合があります。

実際に、重度難聴用に耳あな型補聴器をオーダーメイドでお作りする場合、補聴器を着けている最中のピーピー音(ハウリング)に注意が必要です。耳あな型は構造的に、耳掛け型の補聴器よりピーピー音(ハウリング)が発生しやすくなります。

ピーピー音を抑えるには、耳の穴の形の型を取る「耳型採型」がとても大切になってきます。ここはメーカーではなく、補聴器店の技術の差が出る部分になりますので、補聴器専門店にご相談ください。

ハウリング音がなくなる様子

ハウリングで悩んでいる方は、こちらをご覧ください。

③小さい耳あな型補聴器(CICサイズ)をスマホ連携させたいガジェット好きにおすすめ。

近年、iPhoneと接続できる補聴器が増えています。ストリーミングと言って、スマホの音楽・動画、電話の音声を補聴器で聞いて楽しめる機能です。

ストリーミングを楽しむ男性

リサウンドの「キー」シリーズでは、超小型補聴器(CIC)で、iPhoneや一部のAndroidスマホからのストリーミングができます。リサウンドでは、CICサイズでストリーミングできる補聴器が他メーカーより先駆けて発売されました。

ストリーミング機能に対応している補聴器は、こちらの記事をご覧下さい。

スマホアプリで、音量・音質を切り替えられるリモコン機能。

リサウンドが無料で提供している「リサウンド・スマート3D」アプリでは、補聴器の電池残量の確認をしたり、音量・音質を自分好みに調整できます。レストランや屋外など、場面ごとに補聴器の機能を切り替えて使うことも可能です。

3Dスマートアプリの画面

状況に合わせて、音質を変更できます。

電池残量が確認できます。

電池残量が確認できます。

④テレビやタブレットを多人数で楽しめる「LEAudio」に対応

難聴の人がテレビを見ると、ついつい大きな音を出してしまうものです。周りの家族に迷惑をかけないようにしようとしてイヤホンを使うと、今度はスピーカーからの音が止まってしまうので、周りの人に音声が聞こえなくなってしまいます。

このほか介護施設の共有部のテレビでは、テレビの音を止めてしまっている場合があります。難聴の高齢者が多い環境で、彼らによく聞こえる大音量にすると、他の方の耳に悪影響が起こりえるためです。結局、介護施設の共用部では高齢の皆さんが音の聞こえないテレビを眺めている状態になっていることがあります。

2024年2月に発売されたリサウンドの最新モデル、ネクシアシリーズは新しいBluetooth規格のLE Audioに対応しました。旧来のBluetooth通信は1vs1でしたがLE Audioによって1vs 多の通信ができるようになりました。

一つのテレビを夫婦やご家族で一緒に観るとき、全員がそれぞれ好みの音量・音質を選べるようになりました。

一つのテレビの音声を視聴者一人ひとりが、自分の好みの音量で聴くことができる。

一つのテレビの音声を視聴者一人ひとりが、自分の好みの音量で聴くことができる。

一つのタブレットでそれぞれ自分の好みの音量で聴くことができる

一つのタブレットの音声を兄弟だけが、それぞれ自分の好みの音量で聴くことができ、電車の移動中でも周りには迷惑をかけません。

最新のネクシアシリーズについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。

⑤加齢性の中等度難聴には合わないこともある。

加齢性の難聴の場合、ドアが閉まる音や、水の流れる音、新聞紙をめくる音などの雑音が気になりやすい人がいます。
リサウンドの補聴器は、上述の通り音質の自然さを実現するため、音質劣化する可能性がある極端な補助機能(強い雑音抑制)は少なめになっています。そのため、雑音が気になりやすい一部の加齢性難聴の方には合わない場合があります。

中耳炎手術をした人でも耳あな型補聴器が作れる、3Dデジタルイヤスキャナー「オトスキャン」

今まで、中耳炎の方は治療が完了していても、耳あな型補聴器を注文しようとすると断られることがありました。理由は安全上の問題で、中耳炎経験のある方は、耳あな型補聴器を作成するために必要な「耳型採取」が失敗する可能性が高かったためです。

詳しくはこちらをご覧ください。

リサウンドは検査機器メーカーのOtometrics社と協力して、日本で最初に耳の穴の形状を3Dスキャナで撮影し、それを元にオーダーメイド耳あな型補聴器を作れる体制を整えました。

オトスキャンで耳をスキャンする様子

オトスキャンで耳をスキャンする様子

この方法によって、既存の耳型採取より、とても安全に耳あな型補聴器を作れるようになりました。中耳炎経験のある方、何かしら耳の手術を受けたことがある方が補聴器を作る場合、リサウンドの補聴器がおすすめです。

当店では、オトスキャンで
耳あな型補聴器が作れます!

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

耳の3D形状撮影装置オトスキャン(Otoscan)を全店に導入しました。

補聴器の専門家がおすすめするリサウンドの補聴器

リサウンド・オムニア5 充電式耳あな型ITCサイズ 片耳303,000円

リサウンド・オムニア5 充電式耳あな型ITCサイズ

デザインにこだわった最先端イヤホン風の補聴器です。外から見える部分はイヤホンのようになっていますから、外から見たら補聴器を着けているとは思われません。耳の中におさまる部分は耳の型を取って制作するオーダーメイドですから着け心地も快適です。
機能も革新的で、バッテリーが長時間持つ充電式になっています。

リサウンドこだわりの充電ケース

おすすめの本当の理由は取り扱いの簡単さ

革新的なデザインは素晴らしいのですが、おすすめの本当に理由は別にあります。取り扱いの簡単さです。

旧来の電池式の補聴器では、小さな補聴器専用のボタン電池を一週間に一度、自分で交換する必要がありました。オムニアの充電式耳あな型は、充電ケース内の専用パーツに乗せるだけです。

充電ケース内の専用パーツ
この充電ケースに入れる際にも、リサウンドのこだわりがあります。実は充電ケース内の専用パーツ部分、ここもオーダーメイドでポンっと置けば、自然とハマる凹凸になっています。

専用パーツは左右を間違えにくいデザイン
補聴器の左右を間違えたり、置き方を間違えて充電が出来ていないということが起こらないデザインになっているのです。
先に述べたような重度難聴や伝音性難聴でなくても、細かい取り扱いに自信がない方、毎日使う補聴器には取り扱いのスムーズさを求めたい方には、リサウンドの充電式耳あな型が特におすすめです。

リサウンドの補聴器が気になる人は、購入前の試聴をおすすめします。

補聴器メーカー「リサウンド」の歴史から、最新器種までご紹介してきました。ここまで書いたことは、すべて私たちが確認した事実ですが、聞こえは一人ひとりの聴力や好みの影響が大きいものです。リサウンドの補聴器をご検討の方はご購入の前に、ぜひ私たちのお店で無料試聴サービスをご利用下さい。
補聴器専門店プロショップ大塚では、補聴器をご自分で試して、体験して、よく聞こえることを確かめてからのご購入をおすすめしています。リサウンドの補聴器に興味のある方は、当店までお気軽にご来店下さい。


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この記事は
私が書きました

大塚祥仁 写真

大塚 祥仁
【認定補聴器技能者】

2006年から補聴器の仕事を始めました。もっとも確実に、よく聞こえる方法をご提供することが、私のミッションです。皆様の耳に合った補聴器をお届けするため、毎日毎日、聴覚医学の論文を読み、デンマークやドイツの研究機関と連絡を取り、時には欧州へ勉強に行き、海外から研究者を招き勉強会を開催し、国内の社会人大学院へ通い修士号まで取ってしまいました。本Webページでは、補聴器と難聴について、確かな情報や最新の情報をお届けしていきます。ご相談の方は、お気軽にご連絡ください。

保有資格:認定補聴器技能者、医療機器販売管理者

★ Twitter はじめました。耳の話を真面目に書いてます! : @mimi_otsuka

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