中耳炎経験者が補聴器を考えた時に気をつけること


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中耳炎で手術を受けた方は注意が必要です

中耳炎経験者が補聴器を考えた時に気をつけること

人生で一度は中耳炎を経験したことがある人は少なくありません。中耳炎が原因で難聴になった方が補聴器を試すとき、通常の老人性難聴とは異なる注意点があります。耳の穴の形状の変化、中耳炎が再発する可能性、補聴器に必要な機能と値段。これらが大きく変わってきます。

1)治療が完全に終わってるか?治療による改善の可能性が無いことの確認

治療で回復すれば補聴器は不要

補聴器は難聴の方が使うものですが、難聴の中には、治療で回復する場合があります。
中耳炎が原因の難聴は、治療で改善する可能性がもっとも高い難聴です。特別な理由がない限り、基本的には補聴器の前にまず治療することがおすすめです。

治療が優先

中耳炎はまず治療を優先しましょう

中耳炎といっても、急性中耳炎、慢性中耳炎、滲出性中耳炎、真珠腫性中耳炎など、数多くの種類があります。1~2週間程度の短期間で治る中耳炎もあれば、治療に数カ月の時間がかかる中耳炎もあります。時間がかかる中耳炎の多くは、慢性中耳炎と呼ばれます。
特別に急ぐ理由がない限り、補聴器を購入するのは、耳の治療を先に完了させるのが良いでしょう。急いで補聴器を購入しても、治療で回復した場合、補聴器が不要になってしまう可能性があります。

なお中耳炎の治療が完了しても、聴力が完全には回復しない場合もあります。その場合でも、聴力の回復が見込めないとわかったときに補聴器を始めても遅くありません。耳鼻科医のアドバイスに従ってから始めることをおすすめします。

難聴についてまとめた記事があります。こちらもご覧ください。
難聴に種類ってあるの?難聴の基本|プロショップ大塚

2)慢性中耳炎で、治療の完了を待たずに、補聴器を使い始める場合の注意点

耳あな型補聴器とRIC補聴器は、耳だれで補聴器が壊れる可能性あり。

慢性中耳炎で耳だれなどの症状を繰り返す方は、耳の中にレシーバーなどの部品が入る耳あな型補聴器や小型耳かけ型補聴器(RIC)だと、機械が壊れてしまう可能性があります。

耳あな型補聴器だと耳の中に部品が入ります


補聴器をつけるひと

RIC型補聴器は耳の中にレシーバーという部品が入ります


補聴器をつけたひと

補聴器を着けると、部品が耳の中に入ります

補聴器の形について詳しくまとめた記事があります。こちらもご覧ください。
補聴器購入ガイド:補聴器を考え始めたばかりの人へ|プロショップ大塚

耳だれが出ている状態でも、故障する可能性が低い補聴器はあります。標準タイプの耳かけ型補聴器です。これは耳の外にすべての電気部品が収まっています。音の出口である耳栓の部分は、ゴムやアクリル樹脂で出来ています。ですから、この部分が汚れたとしても、補聴器本体の電気部品は痛みません。

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耳栓だけ水洗いすることができます

3)中耳炎の治療しても、聴力が回復しなかったら?

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中耳炎による難聴は、中耳炎の治療で回復することが多くあります。しかし、中耳炎の治療が完了しても、聴力が改善しないケースもあります。
この場合は耳鼻科の医師にアドバイスに従って、補聴器を使い始めることになります。

中耳炎のみが原因なら、安い補聴器でよく聞こえることが比較的多い。

ケース1:中耳炎の後遺症としての難聴

一つ目の例は、中耳炎の治療をして炎症などの病気が治っても、後遺症として難聴が残るケースです。
このケースでは、比較的価格が安い補聴器で十分によく聞こえることが多いです。

価格が安い補聴器というのは、下記の機能が少ない場合が多いです。
・言葉以外の雑音を自動で抑制する機能
・音質をきめ細かく微調整する機能
・人の言葉のメリハリを強調する機能

上記の機能は、もちろんあった方が便利で快適です。加齢性の難聴の場合は、とても大きな助けになる機能です。しかし中耳炎の後遺症のみが原因の難聴では、これらの機能を必要としないケースが多く、結果的にお値打ちな補聴器でも十分に便利な生活を送れる方が多いです。

補聴器の価格の違いについて詳しく書いた記事があります。こちらもご覧ください。
高い補聴器と安い補聴器の違いとは?|プロショップ大塚

安い補聴器でもよく聞こえる人とよく聞こえない人の違いについても書いてます。こちらもご覧ください。
補聴器の値段と選び方、自分で比較する3つのポイント|プロショップ大塚

 

混合性難聴なら、加齢性難聴と同じ対策になる。

ケース2:中耳炎以外が原因の難聴が隠れている

中耳炎の治療が完了しても、聴力が回復しない場合、その原因は中耳炎の後遺症だけとは限りません。中耳炎に隠れて、気付いていなかった老化による加齢性難聴(老人性難聴ともいう)が、いつの間にか進行していたというケースです。

このケースは、もっとも一般的な難聴と同じ対策が必要です。中耳炎の治療完了後に、補聴器の購入を検討していただくと良いと思います。

加齢性難聴について、こちらをご覧ください。
難聴の種類、原因、症状|プロショップ大塚

4)中耳炎の術後耳だと、耳型採取で注意が必要

イヤーモールド(オーダーメイドの耳栓)と耳あな型補聴器

オーダーメイドの耳栓と耳あな型補聴器

補聴器の形は、耳かけ型と耳あな型があります。
どちらであっても、補聴器を作る際には、耳の穴の形に合わせる為に、耳の穴の型を採取することがあります。

耳型採取の様子

耳型採取するときは、印象材というアクリル樹脂を固めて取ります

一般的な難聴で、この耳型採取に失敗することは、ありません。しかし中耳炎の治療で、耳の手術を受けた覚えがある方は、注意が必要です。

ノーマル外耳道

耳の中の構造は外耳、中耳、内耳にわけられます

耳の手術を受けている方の一部には、外から見えない耳の穴の奥の方(外耳道)の形が、変形している場合があります。

ノーマル外耳道

正常な人の外耳道


変形外耳道

耳の手術を受けた人の外耳道は奥が広がってる場合もあります

インプノーマル外耳道

正常な外耳道の耳型採取のための印象材が入ったイメージ


インプ変形外耳道

手術を受けた外耳道の耳型採取のための印象材が入ったイメージ

上のイメージ画像のように、耳の穴の奥が広がっている方の耳型を取ろうとすると、型用の印象材が、奥で広がってしまい、粘土が固まった後に外せなくなってしまう場合があります。

※手術の方法によって外耳道の変形がない場合もありますが、耳型採取の際は耳鼻科医に診てもらう必要があります。
耳の手術を受けた経験がある方が、補聴器の相談をする場合、軽い難聴であったとしても必ず専門家がいる施設を選びましょう。

過去に手術を受けた耳鼻咽喉科が、もっとも確実だと思います。もし遠方であったり、すでに閉院されているなら、補聴器についても詳しい耳鼻咽喉科を選びましょう。補聴器外来を行っている耳鼻咽喉科であれば、スムーズに対応してくれると思います。もし病院に行くほどではなく、補聴器についてまずは相談だけしたいなどのお気持ちの場合は、補聴器専門店をお選びください。


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私が書きました

この記事は大塚祥仁が書きました

大塚 祥仁
【認定補聴器技能者】

2006年から補聴器の仕事を始めました。もっとも確実に、よく聞こえる方法をご提供することが、私のミッションです。皆様によく聞こえる生活をお届けするため、毎日毎日、聴覚医学の論文を読み、デンマークやドイツの研究機関と連絡を取り、時には欧州へ勉強に行き、海外から研究者を招き勉強会を開催し、国内の社会人大学院へ通い修士号まで取ってしまいました。本Webページでは、補聴器、難聴、耳鳴りなどについて、確かな情報や最新の情報をお届けしていきます。ご相談の方は、お気軽にご連絡ください。

保有資格:認定補聴器技能者、医療機器販売管理者

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