充電式の重度難聴対応補聴器「リサウンド・エンツォ IA」が登場!

補聴器を日常的に使用していると、電池の交換作業は避けられないルーティンの一つです。
特に重度難聴に対応する高出力の器種では、電池の消耗も早く、予備電池の管理や外出先での交換に手間を感じることも少なくありません。
こうした「煩わしさ」を解決する、新たな選択肢が登場しました。
2025年11月、補聴器メーカーResound(リサウンド)は、最重度難聴に対応した「充電式」耳掛け型補聴器「リサウンド・エンツォ IA」を発表しました。
この記事では、補聴器専門家の立場から、この製品が長年の補聴器ユーザーにとって、どのようなメリットがあるのかを解説します。
長年の電池交換ストレスから解放へ。
充電式で叶える、最重度難聴ユーザーのスマートな日常

リサウンド・エンツォ IA本体と充電器
これまで、最重度難聴に対応できる高出力な「充電式」補聴器の選択肢は限られていました。
重度難聴用の補聴器は大きな音を出す特性上、電池の消費電流が大きくなりがちです。また近年の補聴器は、デジタル化による雑音抑制機能の充実と引き換えに、さらに電池の消費電流が増える傾向にありました。
しかし、「リサウンド・エンツォ IA」は、最重度難聴用としては画期的な充電式モデルです。
本製品は、バッテリー形状と補聴器本体の形状を工夫することで、大型バッテリーの採用を実現しました。また、内蔵デジタルアンプ(コンピュータ)の高性能化により、電力効率を向上させながら雑音抑制機能を改善しています。
これらの技術革新によって、最重度難聴用として必要なパワーを保ち、高度な雑音抑制を実現し、その上で充電式が可能になっています。
充電式ですから、交換用の電池を買いだめする必要も、外出時の予備電池管理の手間も無くなります。
連続使用時間は24時間を達成
仕事やご旅行など、朝起きてから寝るまで、一日中安心してご利用いただける使用時間を確保しています。
「クリアな音質」と「堅牢性」を実現する
タングステン製メタルフック
補聴器本体とイヤモールドをチューブでつなぐ部分には「フック」と呼ばれるパーツがあります。

エンツォ IAはフック部分に金属を採用
通常の補聴器フックは、一般的に透明なプラスチック製です。
しかし「リサウンド・エンツォ IA」は、この常識を覆し、金属製のフック(メタルフック)を採用しています。当店で取り扱う主要メーカーの重度難聴向けモデルを見渡しても、これは非常に珍しい設計です。
このメタルフックの素材には、タングステンという非常に硬く、密度の高い金属が使われています。精密機械や制振(振動を抑える)部品にも用いられる素材です。
音響という観点からも、この「硬さ」と「密度」が音質に果たす役割は重要です。
最重度難聴用の補聴器は、耳に大きな音圧(パワー)を届けます。その際、従来のプラスチック製フックでは、音の振動によってわずかな共振(ガタつきや揺れ)が生じ、それが「ビリビリとしたノイズ」や「音のにごり」の原因となることがありました。
タングステン製のフックは、この不要な振動を物理的に抑え込みます。結果として、高出力時でも音が安定し、よりクリアで雑味のない音質を実現しています。
また金属ならではの堅牢性(耐久性)も大きなメリットです。長年の使用に耐えうる設計は、安心して長く使い続けたい補聴器ユーザーにとっては、小さくないメリットです。
耳への負担を軽減:進化した小型・軽量設計

「リサウンド・エンツォ IA」では、本体サイズも小型化されました。
最重度難聴に対応するスーパーパワー補聴器は、内蔵する大型レシーバ、大型バッテリーのために本体サイズが大きくなりがちでした。しかし本製品は同等パワーを持つ従来のモデルと比較して、本体サイズが物理的に小さく、そして軽量になりました。
長時間の装用における「耳への負担軽減」は大きなメリットです。
軽量化されたことで耳にかかる重さは軽くなり、一日使った後の耳の疲れ具合も改善されます。
長年補聴器を使っているユーザーにとっては、日々の装用ストレスからの解放は、生活の質を大きく向上させる要素です。
ぜひご体感ください。
【深掘り】メーカーとしてのResound(リサウンド)
新しい充電技術やデザインが特徴の「リサウンド・エンツォ IA」ですが、製造元のResound(リサウンド)社は、従来から最重度難聴に対応するスーパーパワー補聴器の分野で高く評価されてきました。
「自然な音質」を追求するメーカーの哲学
Resoundの補聴器は、その「音の自然さ」に定評があります。過度な音の加工を抑え、音がクリアに聞こえる設計思想です。これは特に伝音性難聴や混合性難聴の方にうまく適合することが多いという特徴に表れています。
メーカーとしての詳細な特徴や、他の難聴タイプとの適合性については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
2025年:補聴器メーカー各社の特徴と評判、上位6社を徹底比較
リサウンド・エンツォ IAクラス別の価格とクラス別の搭載機能
リサウンド・エンツォ IA は、搭載されている機能に応じて5つのクラスに分かれており、クラスによって価格が異なります。
| 9 | 7 | 5 | 4 | 3 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 片耳価格 | 620,000円 | 430,000円 | 290,000円 | 200,000円 | 160,000円 |
| 両耳価格 | 1,240,000円 | 860,000円 | 580,000円 | 400,000円 | 320,000円 |
| 片耳価格 | 両耳価格 | |
| 9 | 620,000円 | 1,240,000円 |
| 7 | 430,000円 | 860,000円 |
| 5 | 290,000円 | 580,000円 |
| 4 | 200,000円 | 400,000円 |
| 3 | 160,000円 | 320,000円 |
| 9 | 7 | 5 | 4 | 3 | |
|---|---|---|---|---|---|
| バンド | 17 | 14 | 12 | 12 | 12 |
| 雑音抑制 | ◎ | ◎ | 〇 | △ | ▲ |
| 風切抑制 | ◎ | ◎ | △ | △ | ▲ |
| 衝撃抑制 | ◎ | ◎ | △ | △ | ▲ |
| 自動声センサー | ◎ | 〇 | 〇 | △ | ー |
| 自動ボリューム | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ー |
| 正面フォーカス | ◎ | 〇 | △ | ー | ー |
| 自動雑音抑制 | ◎ | ◎ | ー | ー | ー |
| 故障保証 | 3年 | 2年 | 2年 | 2年 | 2年 |
| 紛失・破損保証 | 2年 2回 |
2年 1回 |
1年 1回 |
1年 1回 |
ー |
| 9 | 7 | 5 | 4 | 3 |
|---|---|---|---|---|
| バンド | ||||
| 17 | 14 | 12 | 12 | 12 |
| 雑音抑制 | ||||
| ◎ | ◎ | 〇 | △ | ▲ |
| 風切抑制 | ||||
| ◎ | ◎ | △ | △ | ▲ |
| 衝撃抑制 | ||||
| ◎ | ◎ | △ | △ | ▲ |
| 自動声センサー | ||||
| ◎ | 〇 | 〇 | △ | ー |
| 自動ボリューム | ||||
| ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ー |
| 正面フォーカス | ||||
| ◎ | 〇 | △ | ー | ー |
| 自動雑音抑制 | ||||
| ◎ | ー | ー | ー | ー |
| 故障保証 | ||||
| 3年 | 2年 | 2年 | 2年 | 2年 |
| 紛失・破損保証 | ||||
| 2年 2回 |
2年 1回 |
1年 1回 |
1年 1回 |
ー |
【各機能の解説】
・バンド
音の帯域をバンドに区切り原音に近い音を再現。数字が大きいほど自然なきこえ。・雑音抑制
雑音と音声を区別して、雑音のみを抑制。
・風切抑制
風切り音を抑制するので、屋外でも聞き取りやすい。
・衝撃抑制
衝撃音を抑制することで聞き取りの快適性を向上。
・自動声センサー+
音の方向感や距離感を得やすい。
・自動ボリューム
周囲の音環境を自動で認識。自動でボリュームを調整。
・正面フォーカス
騒音化で正面の会話にフォーカス。
・自動雑音抑制
周囲の音環境に合わせて自動で雑音抑制のきき具合を調整。
【重要】購入前に確認したい「補助金・助成金」制度
補聴器は高額な買い物ですが、公的な支援制度を利用することで経済的な負担を軽減できます。「リサウンド・エンツォ IA」が適合する最重度難聴の場合は「補装具費支給制度」の対象となる可能性が高いです。
この制度は自治体から購入費用の一部が支給されるもので、申請には手続きが必要です。
制度利用を希望される場合は、必ず購入前の手続きが必要です。
詳細や申請方法について詳しく解説しています。ぜひご一読ください。
補聴器の購入は補助金がもらえる?申請は耳鼻科と自治体への相談が大切
まずは「無料貸し出し」でご体感ください
ここまで「リサウンド・エンツォ IA」の新しい特徴について解説してまいりました。長年の補聴器ストレス(電池交換、音質、装用感)を解消し、日々の生活をより快適なものにする可能性を秘めたモデルです。
補聴器選びで最も重要なのは、実際にあなたの聴力やライフスタイルに適合するかどうかです。
当店では、この「リサウンド・エンツォ IA」を含む最新モデルを対象とした「補聴器3ヶ月無料貸し出し」サービスをご提供しております。ご自宅や職場で、納得がいくまでじっくりと効果をお確かめいただけます。
新しい聞こえへの第一歩として、まずはこの無料試聴サービスをご活用ください。詳細の確認や、お申し込み・ご予約は、以下のリンクより承っております。
【監修】
大塚補聴器を運営する株式会社大塚の代表取締役。認定補聴器技能者、医療機器販売管理者。
たくさんの難聴の方々に、もっとも確実によく聞こえる方法をご提供することが私たちのミッションです。
監修においては、学術論文もしくは補聴器メーカーのホワイトペーパーなどを元にしたエビデンスのある情報発信を心がけています。
なお古いページについては執筆当時の聴覚医学や補聴工学を参考に記載しております。科学の進歩によって、現在は当てはまらない情報になっている可能性があります。
※耳の病気・ケガ・治療、言語獲得期の小児難聴や人工内耳については、まず医療機関へご相談下さい。
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