補聴器にはベントという穴が開いているものがあります
耳せんの穴の大きさによって聞こえ方が変わります。
補聴器をよく観察すると、穴が2つあります。
一つは、補聴器から出る音の出口。もう一つは、ベントと呼ばれる通気口です。
補聴器で耳の穴をふさいでしまうと、違和感を感じる場合があります。ベントには、この違和感を軽減する効果があります。
またベントの大きさは、補聴器を使った時の音や言葉の聞こえ方にも影響します。
補聴器の耳せんに穴が開いているのはなぜ?
補聴器をよく見ると、耳せんの部分に穴が開いているものがあります。
補聴器にはベントと呼ばれる穴が開いています。
これは、オーダーメイド耳あな型補聴器にも、耳かけ型の補聴器にもあります。
補聴器を耳に着けると、通常ならふさがれていない耳の穴をふさぐことになります。
人間は、耳の穴をふさぐと(補聴器から音が出ていなくても)、それだけで不愉快に感じたり、自分の声に違和感が生じる場合があります。
自分でやってみましょう!
今、自分で自分の耳の穴を、指でふさいでみてください。
この時、痛くない範囲で、ぎゅっと力を入れて、自分の耳をすき間なくふさぎましょう。
この状態で「あ、い、う、え、お」と大きめの声を出しましょう。
およそ80%ほどの方は、自分の声が大きすぎるように感じます。
同じ声の大きさで、耳の穴をふさいだ時と、ふさいでいない時を比べると、すぐに分かると思います。
このように耳の穴をふさぐと、それだけで自分の声の聞こえ方は大きく変わります。
補聴器の話に戻ります。
体験していただいた通り、人間は耳の穴をふさぐだけで、自分の声に違和感を感じるようになっています。例えば、鼻がつまった時のような鼻声や、くぐもった声に聞こえます。
加えて耳の穴をふさいだことで閉塞感を感じることもあります。
この違和感を防いで、補聴器を快適に使っていただくため、補聴器にはベント(という通気口)が開いています。
ベントが開けてあると、この穴から自分の声を外に逃がすことができます。耳の穴の中で、自分の声が、不愉快になることが防げます。
しかし、このベントの直径が大きすぎると、言葉を聞き取るために必要な音も外に漏れてしまいます。過剰に大きなベントは、補聴器から出る音が減ってしまったり、正しく音が出せなくなります。つまり、言葉がよく聞こえなくなるといったように補聴器の効果が減ってしまいます。
私たち補聴器の専門家は、お客様の状態に合わせて、オーダーメイドの補聴器やオーダーメイド耳せんを制作しています。
ベントの大きさは、補聴器の効果が最大に発揮されつつ、ご自分の声の不快感を感じないよう、様々な測定にもとづいて決めています。
- プロショップ大塚では、ベントが大きくても適切に聞こえるように、鼓膜に届く音を実際に測定しながら補聴器の調整を行っています。
- 実耳測定による補聴器の調整【鼓膜面の音圧に合わせたフィッティング】
お試しできます!
2006年から補聴器の仕事を始めました。もっとも確実に、よく聞こえる方法をご提供することが、私のミッションです。皆様の耳に合った補聴器をお届けするため、毎日毎日、聴覚医学の論文を読み、デンマークやドイツの研究機関と連絡を取り、時には欧州へ勉強に行き、海外から研究者を招き勉強会を開催し、国内の社会人大学院へ通い修士号まで取ってしまいました。本Webページでは、補聴器と難聴について、確かな情報や最新の情報をお届けしていきます。ご相談の方は、お気軽にご連絡ください。
保有資格:認定補聴器技能者、医療機器販売管理者
★ Twitter はじめました。耳の話を真面目に書いてます! : @mimi_otsuka