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よくある補聴器の失敗要因、トップ5とは?

よく聞こえない補聴器を、よく聞こえるようにする方法

よくある補聴器の失敗要因、トップ5とは?

「補聴器を買ったけど、うまく聞こえない」「家族が使っているけど、よく聞こえていないみたい」という感想・悩みを持っている方は、大勢いらっしゃいます。買ったけどうまくいかなかった方へ、当店では、他店で購入された補聴器でも、再調整や正しい取り扱いのサポートと相談を承っています。
ここでは、よくある失敗例から、当店おすすめの解決策をご紹介します。

失敗しない補聴器の買い方

補聴器を買う前に知っておきたいことをまとめました。

補聴器購入ガイド:補聴器を考え始めたばかりの人へ

よくある失敗例 TOP5

1、店員があなたの話をよく聞いていない、理解できていない
2、補聴器を調整する技術や設備がないお店で買ってしまった
3、正しい聴力測定を受けていない
4、補聴器をつけた時の効果を”客観的な方法”で確認していない
5、補聴器を使っても出来ないことの説明を受けられなかった

一つずつ、チェックしていきましょう。

チェック1:店員は、あなたの話をよく聞いてくれましたか?

チェック1:店員は、あなたの話をよく聞いてくれましたか?

販売する人が、あなたの困りごとを解決しようと思ったら、あなたの困りごとをしっかりと把握し、理解しなければいけません。
そして難聴による困りごとや症状は、個人差が大きいため、店員はあなたの状態や状況も詳しく知る必要があります。

たとえば、最初の相談で、どんな質問をされるかによって、どこまであなたのことを理解しようとしているかがわかります。

店員からご確認させていただく、よくある質問としては
「最近、聞こえなくて困っているのはどんなときですか?」
「自宅や職場など、どんな場所で聞こえづらいですか?」
などがあります。

しかし、ご本人だけでは見逃してしまう困りごとや心配ごともあります。そういったことについては、店員に気づいて欲しいですよね。
たとえば
「いつもではなくて、特別な場面で小さな声をハッキリ聞きたい」という時の特別な場面をしっかり確認できるか。
「補聴器のサイズが小さくて、自分では取り扱いがうまく出来ないかもしれない」「補聴器をつけた時、周りに気づかれたときにどう思われるか」という心配する気持ち。
「言葉が分からないのも困るけど、大きい音や声にすごく驚いたり、とても不快に感じることがある」などの耳の体質に関すること。
などがあります。

診察をする医者と患者

聞こえの相談相手には、あなたの話をじっくり聞いてくれる人、そして上記のようなことを上手に質問出来る人が望ましいです。
逆に、聞きたいことがあっても聞きづらい/質問に答えてくれないような店員さんは、おすすめできません。
補聴器はお店に行ってすぐ購入するものではありません。また買ったら終わりというものでもありません。購入の前には聴力検査(測定)や、聞こえに困っている状況と耳の状態に合わせた調整。購入後は定期的なメンテナンスと、長いおつきあいになるものです。
そんな時に大事なのは、話しやすい人柄と、知識に基づく専門性だと思います。

なお実際に相談するとき大切なことは、あなたの聞こえについての困りごと、解消したい問題、購入する目的、これらをできる限り具体的にすることです。
具体的な目標が決まっていれば、困りごとが解消したか否か、ハッキリして分かりやすくなるでしょう。

とはいえ、具体的にと言われても、それはそれでなかなか難しいことです。
そんなときには「専門資格を持った、聞こえの専門家」の助けを借りましょう。あなたの困りごとや解消したい問題などを、上手に聞きだしてくれるはずです。

聞こえのご相談の窓口は、いくつかあります。
耳鼻咽喉科医の中でも聴覚と補聴器を得意としている「補聴器適合判定医」や「補聴器相談医」という資格を持っている先生。
聴覚に特化した国家資格としては「言語聴覚士」というものもあり、言語聴覚士が在籍している病院や補聴器店もおすすめです。
補聴器の専門家としては「認定補聴器技能者」という資格があります。

もしここで紹介したどれにも当てはまらないお店に行ってしまうと、治療可能な難聴を見逃す可能性があります。
※認定補聴器技能者は、治療を目的とした検査・診察・診断は行えませんが、もし治るかも知れない難聴を発見した場合、耳鼻咽喉科の受診を案内しています。

すでに補聴器を購入済みの方も「うまく聞こえない」と悩んでいるのであれば、ここでご紹介した資格を持つセカンドオピニオンに相談してみましょう。

ここがポイント!

・あなたの話をじっくり聞いてくれる人、些細な困りごとも見逃さずに質問してくれる人を選びましょう。

・相談相手は、相談しやすい間柄と、専門的知識の両方を持つ方が望ましい。

・専門的知識があるかどうかは「専門資格を持っているかどうか」が、一つの目安になるでしょう。

・すでに購入済みの方も、うまく聞こえないと悩んでいるのであれば、セカンドオピニオンに相談してみましょう。

認定補聴器技能者が常勤しており、公益財団法人テクノエイド協会が定める運営基準に適合していると認定される認定補聴器専門店はこちらから探すことができます。

チェック2:補聴器の専門家が、あなたを担当してくれましたか?
補聴器適合判定医、補聴器相談医、言語聴覚士、認定補聴器技能者が補聴器の専門家です。

認定補聴器技能者
よく聞こえるようにするためには、あなたの聴力や聞こえの状態に合わせて、補聴器の音域や音質、出力設定など、きめ細かな調整を行います。この調整がうまくいかないと、どんなに高級で多機能でも、補聴器は本来の性能を発揮することができません。

補聴器はきちんと調整することが大事です。

下の図は、購入したが役に立たないと、耳鼻咽喉科を受診した人の補聴器の状態の内訳を表したものです。
補聴器に対する期待
上記グラフは、ゼロから始める補聴器診療を参考に当社作成
参照:ゼロから始める補聴器診療

上記の表からわかることは、補聴器を使ってもよく聞こえていない人は、もともと自分の聴力に合っていない可能性が非常に高いということです。
これでは使っている意味がありません。
自分の聴力にあった補聴器を正しく選んで、調整してくれるところへ行きましょう。

ここがポイント!

満足していない人の多くが、調整に不具合あり。

補聴器は調整によって音量・音質を変えられますが、それでも器種によって最大の音量は決まっています。

最大音量の不足は、見た目を重視して選んでしまうことが原因であることが多いです。

他店で補聴器を購入したあるお客様は『とにかく目立たない、小さな補聴器にしてほしい』という希望を伝えて、小型耳あな型のオーダーメイド補聴器を選びました。
しかし、器種を選ぶ前に、聴力を測定しなかったそうです。補聴器は出来上がってきたのですが、その方の聴力には合わず最大音量が不足したものでした。

これでは、どんなに調整してもその方に必要な音量がきちんと入らないので、うまく聞くことができません。

自分に合う補聴器を選び、正しく調整してくれるのは補聴器適合判定医や補聴器相談医がいる耳鼻科の中で行われる補聴器外来、言語聴覚士が常勤している総合病院の耳鼻科、認定補聴器技能者が常勤している専門店(認定補聴器専門店)です。

正しい調整できる場所

・補聴器適合判定医や補聴器相談医がいる耳鼻咽喉科の中で行われる補聴器外来

・言語聴覚士が常勤している総合病院の耳鼻科

・認定補聴器技能者が常勤している専門店

お客様との接客の様子

チェック3:密閉型の防音室で、聴力測定を受けましたか?
電話ボックスより広い“部屋”です。

大塚補聴器 相生店_聴検室

あなたが補聴器を購入した時は、どんな環境で聴力測定をしましたか?
耳鼻咽喉科をしっかり受診した方、補聴器専門店で測ってもらった方、メガネ兼業の補聴器店の電話ボックスで聴力を測定してもらった方など、様々な方がいるでしょう。

聴力測定は、軽い難聴の人ほど検査設備の整った環境が必要になります。

なぜかというと、防音室が無ければ、軽い難聴や中程度の難聴は、周りの物音の影響で間違った(悪い)検査結果が出てしまうことがあるからです。
実際より悪い測定結果を元に補聴器を調整すると、補聴器の音量を不必要に大きすぎるものにしてしまう可能性があります。
軽い難聴の方が、防音室がないお店で購入すると、非常に高い確率で補聴器の調整に失敗します。

正しい聴力測定を受けるためには、設備の整った防音室のある耳鼻咽喉科の受診がおすすめです。
なお購入済みの補聴器の再調整をご希望の場合、補聴器を得意としている耳鼻科でも、補聴器のメーカーによっては調整装置が用意できていないことがあります。その場合は、お手元の補聴器メーカーを普段から取り扱っている補聴器店へ相談しましょう。

ここがポイント!

・聴力測定は、軽い難聴の人ほど検査設備の整った環境が必要

・聴力測定は設備が整った防音室が望ましい

・精度の高い聴力測定が、質の高い調整には欠かせません

自分の耳がどんな状態であるか、知っておくことも大切です。
聴力検査の結果の見方について、こちらのページに書きました。
もし聴力検査を受けたとき、コピーをもらえた場合はこの記事を読みながら確認できます。

聴力図(オージオグラム)の読み方を紹介しています。

チェック4:補聴器をつけた効果を“客観的に”確認してもらいましたか
補聴器をつけたとき、つけてないときの違いを確認します。

補聴器の効果を確認するためには、購入した時に補聴器をつけた状態と外した状態で、どのくらい聞こえ方に違いがあるのか、客観的に確認すると、その効果がよく分かります。

補聴器を使っている本人の主観や感想だけでなく、あくまで数値として確認すると、効果がよく分かるのです。
実際どのくらい小さな音まで聞こえているか、言葉の聞き取りはどのくらいよくなったのかを確認しないままでは本当に調整が合っているのかわかりません。

補聴器の効果を確認する方法はいくつかあります。全国的に広く普及している方法は、補聴器をつけた状態での聴力測定です。この測定では、音の周波数によって聞こえにくいところはないか、もしくは聞こえすぎていないかなど、音の聞こえ方のバランスを確認します。

下の図はスピーカーから音を出して効果を確認した結果です。
△は、補聴器を外した状態での聞こえ、▲はけた状態の聞こえです。
縦軸は音の大きさ、横軸は音の高さを表しています。表を見ると、外した状態から、どのくらい効果があったかがわかります。

効果確認の図修正2
もっと直感的に分かりやすい方法としては、補聴器をつけた状態で、言葉の聞こえ方を測定する語音明瞭度測定というものがあります。

語音明瞭度測定について詳しくご紹介しています。

これは日本語五十音の順番をバラバラにしてスピーカーから聞いていただき、聞こえた結果を回答してもらうものです。正答率から、言葉の聞こえ方の改善具合が確かめられます。

補聴器の効果は、これらの客観的な測定で、確かめられます。

もし、この測定の結果から「十分に効果が出ていない」ということが分かれば、補聴器の調整を見直すことになり、より良い調整に近づけていきます。
補聴器を買ったとき、客観的な測定による効果確認はありましたか?

ここがポイント!

・補聴器をつけた状態での聴力測定検査をしないと、本当に調整が合っているかわかりません。

・実際の効果確認の測定では、つけた状態と外した状態の測定結果の比較をします。

チェック5:補聴器の限界について、説明がありましたか?
耳の良い人を超えて聞こえるようにはなりません

耳を当てて聞く
補聴器は「難聴者の聞こえを、耳のいい人に近づけること」を目的に開発されています。
基本的に、耳のいい人に出来ないことは、出来るようになりません。

耳のいい人に近づけるための機能として、周囲の騒音を減らして、人の話す言葉だけを選んで、強調する機能があります。

こういった機能がある補聴器は言葉の聞き取りを向上させます。
それでも補聴器を使った『聞こえる状態』は、耳のいい人の健康な聴覚と同じになるわけではありません。

例えば、早口で話す人の声を聞き取るのには限界があります。
テレビドラマやバラエティ番組を見ていると、早口やボソボソ話す声が何を言ってるのかわからないということがあります。
これは補聴器では完璧に解決することが出来ません。音量や音質を調整できますが、話し声のスピードを変えることは出来ないからです。

ここがポイント!

・補聴器は聴力が落ちた耳でも聞き取りやすく音を加工する機械であって、耳が良くなるわけではありません。

テレビ番組が聞き取れない

ほかにも、ある程度以上、難聴が進んでしまうと、補聴器をつけたら直ぐに良く聞こえるというのは難しくなってきます。

言葉や聞きたい音をはっきり聞こえるようにするには、慣れる必要、つまりトレーニングが必要になります。
音が聞こえない状態に慣れてしまった難聴の脳に、最初から十分聞こえる音量に調整すると、うるさくてつけていられません。
だから、音量を段階的に上げていくトレーニングをする時間が必要となります。

ここがポイント!

・難聴が進んだ方は、補聴器をつけても聴力が落ちた状態に慣れているため、すぐに聞こえる状態にはなりません。

・難聴が進んだ方は、音量を段階的に上げていくトレーニングをする時間が必要となります。

自分でも出来るトレーニングを紹介しています。

また、試聴レンタルなどで、実際に体験したら、感想(良いことも悪いことも両方)を専門家に伝えることが大切です。
補聴器の専門家は、あなたの希望と、体験した感想を伝えれば、もちろんよく聞こえるようにしてくれます。
同時に、良い専門家は、できること、できないことも正直に分かりやすく説明してくれます。

すでに買った補聴器をムダにしない方法

満足していない人の多くが、調整の不具合が原因でした。
言い換えれば、適切な聴力測定と、適切な調整を行えば、満足できなかった補聴器が、満足して使えるようになる可能性は高いです。

ここがポイント!

満足していない人の多くが、調整に不具合あり。

プロショップ大塚の調整サービス

私たちプロショップ大塚では、他店で購入された補聴器の相談と調整を承っています。他店で購入された方も、ぜひ私たちにご相談ください。
相談のみの方は、無料です。調整については、一回につき5,500円(税込)をいただいております。片耳、両耳とも同料金です

他店で購入されたとしても、調整料をお支払いいただいた方については、先にご紹介した聴覚リハビリサービスを提供しています。
今使っている補聴器に満足していない方は、ぜひ私たちにご相談ください。

また、以下のケースのように耳に合っていない場合、いくら調整しても聞こえが良くならないこともあります。

耳に合っていない補聴器例

・性能の問題で限界がある

・見た目を優先して最大音量が足りない

・値段の安さを過度に優先しすぎて、雑音を抑制する機能が無い。もしくは弱い。

・購入した後に、難聴が進行して耳に合わなくなってしまった

こういった場合も、プロショップ大塚にご相談いただければ、下取りをさせていただく場合もあります。まずはご相談ください。


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この記事は
私が書きました

大塚祥仁 写真

大塚 祥仁
【認定補聴器技能者】

2006年から補聴器の仕事を始めました。もっとも確実に、よく聞こえる方法をご提供することが、私のミッションです。皆様の耳に合った補聴器をお届けするため、毎日毎日、聴覚医学の論文を読み、デンマークやドイツの研究機関と連絡を取り、時には欧州へ勉強に行き、海外から研究者を招き勉強会を開催し、国内の社会人大学院へ通い修士号まで取ってしまいました。本Webページでは、補聴器と難聴について、確かな情報や最新の情報をお届けしていきます。ご相談の方は、お気軽にご連絡ください。

保有資格:認定補聴器技能者、医療機器販売管理者

★ Twitter はじめました。耳の話を真面目に書いてます! : @mimi_otsuka

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