AI搭載補聴器Genesis AIシリーズがスターキーから登場!
補聴器メーカーのスターキーが新商品「Genesis AI(ジェネシス エーアイ)」の発表会を開催しました。
ジェネシス エーアイには業界でも先進的な半導体プロセッサーとAI(人工知能)技術が搭載されています。
新製品への自信からか発表会にはアメリカ本社のCEOやCTOも出席しており、これまでにない力の入れようを感じました。
発表会の中で、CTOのアーチン氏から最新のテクノロジーについても話をうかがうことができましたので、新製品と合わせて発表会の様子もご紹介します。

Genesis AIシリーズは、発売スタートから8つのデザインをラインナップ。見た目や取り扱いの好みに合ったデザインをお選びいただけます。
脳の聴覚機能を模倣したニューロ・プロセッサーを搭載
ジェネシスの新プロセッサーは、脳の聴覚機能を模倣したディープ・ニューラル・ネットワーク(DNN)回路が搭載され、ニューロ・プロセッサーになりました。
ニューロ・プロセッサーでは人間の脳の聴覚機能を模倣することで、雑音の中でも言葉が聞こえるなど脳の役割の一部を代わりに担えるよう、補聴器業界最先端のAI雑音抑制が実現されました。
プロセッサー回路そのものにAIによる雑音抑制機能を持たせたという意味で、業界初になります。
(※過去にあったAI雑音抑制はファームウェアもしくはアプリケーションなどによるものとのこと)
AIによる雑音抑制は、そのプロセッサーの性能に依存します。ジェネシスのニューロ・プロセッサーは過去のスターキー製品と比較して、大幅な機能強化が行われました。
– パワフル – スターキーの前製品(十分強力でしたが)と比べ、6倍のトランジスタを搭載。
– スピード – 従来のプロセッサーよりも最大4倍高速に動作します。
– 大容量 – システムメモリーが従来プロセッサーより10倍に増加。補聴器内に膨大な量のデータを蓄積できるだけでなく、データ転送が効率化・高速化しました。
– 省電力 – 電池消費量を約25%削減しながら、従来品より大幅に高い処理を実現しました。

パワフル・高速・大容量でありながら省電力を実現した先進のプロセッサーチップ搭載
実際に試聴してきました。
発表会のデモブースで補聴器の音を試聴させていただきました。
音質はフロアノイズや不自然さが感じられず良好
音声信号の処理機能が向上したためか、音質の不自然さがとても少なくなっていました。従来、補聴器は難聴の人に特化して開発されているため、難聴の人には気づかれないような音質上のエラーは軽視されていました。ジェネシスでは補聴器特有の「健聴者が聞いたときの不自然さ」が感じられませんでした。
マニアックな話になるのですが、人間の耳にはダイナミックレンジというものがあります。これは聞こえに関する周波数だけではなく、どれくらい小さな音から大きな音まで感じ取れるかという概念です。人間は、この幅が小さい音から大きな音まで120dBと言われています。
ジェネシスでは内部信号の処理”範囲”が広がり、人間と同じ120dBの範囲を適切に処理できるようになっており、これが音質に貢献しているようです。ちなみにCD-ROMは96dBが上限になっており、CDから音楽を聞く場合、アンプやスピーカーを工夫してもダイナミックレンジ96dB以上の音質で聞くことはできません。ジェネシスの音質が、どれほど音質が改善しているかわかります。
またマイクロフォンからデジタル情報への変換を行うADコンバータは、一般的に昔から100dB超えのダイナミックレンジを持っています。
電子的な情報の密度としてプロセッサー内でリアルタイムに120dBを処理できるようになったのはジェネシスが初めてだそうです。

スターキー本社CTOのアーチン氏、マニアックな質問に快く答えていただき、ありがとうございます。
AI雑音抑制を試聴した感想
50人ほどの来客者が立食パーティーで歓談する会場で、ジェネシスを試聴させていただきました。

補聴器を試している様子、この会場では補聴器本体は模型に取り付けて、模型内部に仕込んだマイク経由の音をヘッドホンで聴くことができた。
周りはかなりうるさかったのですがジェネシスを試したところ、雑音をほとんど感じずに近くの人と自然に会話することができました。
補聴器は音質調整や雑音抑制の設定で聞こえ方がまったく変わるので、いくつかの設定を試させていただきました。
正面に立った人の声を聞くには、ニュートラルなスターキー推奨設定で雑音が最も少なく聞きやすく感じました。正面からの声を聞き取るというのは以前のモデルでも指向性マイクで、すでにかなり解消されている問題なので、これは当然といえば当然。
これに対して横方向から声をかけられた場合は「Edge Mode⁺(エッジモードプラス)」機能を活用した設定で聞き取りやすくなりました。エッジモードプラスは聞き取りが困難な環境で、その場の音響をAIが分析するシステムです。
このエッジモードプラス、何が期待できるかというと指向性マイクが入らないような、小型の目立たない耳あな型補聴器でも使えること。

小型の耳あな型補聴器と、耳に装用した様子
従来の小型の耳あな型補聴器は、その小ささから指向性マイクが搭載できませんでした。外から見えない代わりに、雑音が多い場面での聞こえの改善には限界があったのです。
しかしGenesis AIでは進化したAI技術により、指向性マイクを搭載しなくても、周囲の音を分析し、音声がより聞こえやすくなるようにその時々の状況に応じて音質を変えてくれます。
外から見えない補聴器をご希望で、雑音が多い場所でのスムーズな会話を求めている方に新しい選択肢になりそうです。
Genesis AIは音を増幅する基本機能も進化
AIによる雑音抑制だけでなく、基本的な音質を底上げする新機能が搭載されています。
それが子音強調機能と加算型コンプレッサーです。
子音強調機能が新搭載
難聴になって聞き間違える事が多いのが「サ行」「タ行」「カ行」など子音の聞き分けです。
たとえば「サトウさん」「カトウさん」は最初の一文字が似ています。
「(鳥の)ササミ」と「(床の)タタミ」は最初の一文字もアクセントも似ています。
こういった単語を聞き間違える場合、子音を聞き間違えていると言えます。
Genesis AIには、子音の聞き分けを助ける子音強調機能が新たに搭載されました。
子音の聞き取りをより補いやすくするために音声処理方式が変更され、日本語での会話音声成分が含まれている4000kHz付近の音をしっかり出せるようになりました。
音の増幅量を変化させるコンプレッサーが進化
補聴器には入ってきた音の大きさに合わせて、音の増幅量を変化させる回路が搭載されており、これを「コンプレッサー」と呼びます。
Genesis AIは、このコンプレッサーも進化しました。従来、周りの音環境の変化に敏感に反応する高速コンプレッサー、音や言葉をなめらかに変化させる低速コンプレッサーの2種類がありました。どちらにも一長一短があり、どちらかを選ぶしかありませんでした。
しかしGenesis AIは、高速コンプレッサーと低速コンプレッサーが自動で切り替わる加算型コンプレッサーが搭載され、両方のメリットが得られるようになりました。
旅行にも安心!満タン充電後の連続使用50時間!
従来、充電式の補聴器は、基本的には毎日充電する必要がありました。長くても連続使用時間は20~30時間ほどだったのです。
補聴器を24時間つけっぱなしにする人はあまりいませんが、それでも一日12時間以上使う人は少なくありません。
Genesis AIは連続使用時間が最長50時間まで延長されました。これは従来製品のほぼ2倍です。
充電無しで50時間使えるなら二泊三日の旅行でも充電無しで使うことが出来ます。充電器を忘れてしまっても、旅行を楽しむことが出来ます。
介護施設を利用している方がショートステイに行き来した時、充電器を置いてきてしまっても数日の時間の猶予がありますから慌てなくても大丈夫です。
朝、目を覚まして顔を洗ってから補聴器を付けて、夜お風呂に入る前に補聴器を外すまで、およそ12時間使うとしても1度の充電で4日間使えるのはとても魅力的です。
Genesis AIはスマホアプリと連携することで高機能ウェアラブルデバイスに
Genesis AIは単独でも素晴らしい補聴器ですが、スマホと連携してアプリを活用することで、さらに高度な機能が利用できるようになります。
その一つが、転倒した時のフルオートの緊急連絡です。
高齢になると、ちょっと転んだだけでも骨折してしまうことがあります。また高齢になると、心臓や脳などの病気で発作的に倒れることを心配されている方もいらっしゃいます。その瞬間、周りに誰かがいれば救急車を呼んでくれますが、いつも近くに人がいるとは限りません。
Genesis AIと自分のスマホを連携させておくと、補聴器に入っているセンサーが利用者の転倒を自動で検知してくれます。転んでしまって動けなくなったときには、自分で何もしなくても自動でご家族などの登録済み電話番号へお知らせしてくれるのです。
この他にも、Genesis AIとスマホを連携すると、下記の機能が利用できます。
・高精度な運動履歴の記録
・補聴器を無くしたとき、スマホアプリで補聴器の場所を探す機能
・AI雑音抑制のカスタマイズ
・ハンズフリー通話(iPhone11以降に限る / スマホでの電話中、通話相手の声が補聴器から高音質になって聞こえます)
・動画などの音声のストリーミング(Youtube等の動画の音声を補聴器から聞くことができます)
・補聴器の音量の上げ下げ
Genesis AIのクラス別機能表・価格表
クラスにより、機能や聞こえ方が変わります。
機能\クラス | 24 | 20 | 16 | 12 (未発売) |
10 (未発売) |
---|---|---|---|---|---|
加算型コンプレッサー | 〇 | 〇 | 〇 | – | – |
エッジモードプラス*1 | 〇 | 〇 | 〇 | – | – |
子音強調 | ◎ | 〇 | △ | – | – |
指向性モード*2 | 追従型 24ch |
追従型 20ch |
追従型 16ch |
– | – |
モーションセンサー指向性*2 | ◎ (フル) |
〇 | – | – | – |
音質調整の細かさ (チャンネル数) |
24 | 20 | 16 | – | – |
突発音抑制 | 〇 | 〇 | 〇 | – | – |
クラスにより、機能や聞こえ方が変わります。
機能\クラス | 24 | 20 | 16 | 12(未発売) | 10(未発売) |
---|---|---|---|---|---|
加算型コンプレッサー | 〇 | 〇 | 〇 | – | – |
エッジモードプラス*1 | 〇 | 〇 | 〇 | – | – |
子音強調 | ◎ | 〇 | △ | – | – |
モーションセンサー指向性*2 | ◎ (フル) |
〇 | – | – | – |
指向性モード*2 | 追従型 24ch |
追従型 20ch |
追従型 16ch |
– | – |
音質調整の細かさ(チャンネル数) | 24 | 20 | 16 | – | – |
突発音抑制 | 〇 | 〇 | 〇 | – | – |
メーカー希望小売価格
クラス | 24 | 20 | 16 | 12(未発売) | 10(未発売) |
---|---|---|---|---|---|
片耳価格 | 687,600円 | 487,600円 | 327,600円 | – | – |
両耳価格 | 1,357,600円 | 957,600円 | 637,600円 | – | – |
メーカー希望小売価格
クラス | 片耳価格 | 両耳価格 |
---|---|---|
24 | 687,600円 | 1,357,600円 |
20 | 487,600円 | 957,600円 |
16 | 327,600円 | 637,600円 |
12(未発売) | – | – |
10(未発売) | – | – |
新世代AI補聴器「Genesis AI」の試聴体験は近日スタート
新製品「Genesis AI」は新たなプロセッサーによる最新のAI雑音抑制を実現しました。
雑音のある場所での会話を改善したい方、最新のデジタルガジェットとしてのウェアラブルデバイスに興味のある方にはとくにおすすめです。
当店では最新器種を含め常時100器種以上の補聴器をご用意し、最長3ヶ月の無料補聴器サービスを提供しております。
Genesis AIも試聴器が入荷次第、無料でご試聴・ご体験いただけます。
最新器種の試聴器は、数に限りがありますので、ご興味をお持ちの方はぜひすぐに試聴の予約をお申込みください。
Genesis AIのご試聴をご希望の場合、ご予約の時点で「Genesis AIの試聴希望」とお伝えいただきますと、在庫のある限りお取り置きします。
なお最長3ヶ月の貸出期間を設けているため、最新機種の試聴は最初の1クール目を逃すと、体験できるまで1ヶ月以上お待たせしてしまう場合がございます。
少しでも気になった方は、今すぐご予約ください。
【監修】
補聴器専門店プロショップ大塚を運営する株式会社大塚の代表取締役。認定補聴器技能者、医療機器販売管理者。
たくさんの難聴の方々に、もっとも確実によく聞こえる方法をご提供することが私たちのミッションです。
監修においては、学術論文もしくは補聴器メーカーのホワイトペーパーなどを元にしたエビデンスのある情報発信を心がけています。
なお古いページについては執筆当時の聴覚医学や補聴工学を参考に記載しております。科学の進歩によって、現在は当てはまらない情報になっている可能性があります。
※耳の病気・ケガ・治療、言語獲得期の小児難聴や人工内耳については、まず医療機関へご相談下さい。