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骨伝導補聴器4種類、特徴やデザイン、価格について

骨伝導補聴器4種類、特徴やデザイン、価格について

骨伝導補聴器とは、音の振動を骨が伝える「骨伝導」という仕組みを利用した特殊な補聴器です。骨伝導補聴器は、伝音性難聴の人・耳の穴の状態が特殊な人に合う場合があります。通常の補聴器と比べたメリットは鼓膜が無くても聞こえること、耳の穴を塞がないことによる着け心地の快適性です。形状はメガネ型、カチューシャ型、骨埋め込み型などがあります。

骨伝導補聴器とは?通常の補聴器と比べたメリット

骨伝導補聴器のメリットを理解するために、通常の補聴器と比べてみましょう。
通常の補聴器は耳の穴に入れたり、耳の上に掛ける形になっています。どちらであっても耳せんを使い、耳の穴を塞ぎます。音は、一般的なイヤホンやヘッドホンと同じように空気の振動によって鼓膜に伝わります。
通常の補聴器の空気の振動が分かる耳の断面図

骨伝導補聴器は、通常の補聴器と異なり、耳の穴を塞ぎません。また鼓膜が無くても聞こえる仕組みになっており、鼓膜を振動させません。骨伝導補聴器は、頭蓋骨を直接振動させることによって音を聞くことができる「骨伝導」という仕組みを利用しています。
骨の振動が分かる画像

骨伝導補聴器は、耳の後ろの骨に密着した部品(振動子といいます)から頭蓋骨へと音を伝えます。

骨伝導補聴器も補聴器の一種ですから、内部には振動子の他にも、音を感じ取るマイク、音を増幅するアンプ、これらが動くための電池などが入っています。

骨伝導補聴器のマイク、アンプ、振動子の部品

メガネ型骨伝導補聴器

鼓膜がなくても音が聞こえる?
  • 人の耳の奥にはカタツムリの形をした蝸牛(かぎゅう)という部分があります。この蝸牛が、音(振動)を脳に届ける役割を担っています。蝸牛に適切な振動が届けば、鼓膜が無くても音は聞こえるのです。
  • 骨伝導の仕組みについて詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
  • 骨伝導とは?その仕組みと音質、安全性について

骨伝導補聴器の形状によるメリット3つ

骨伝導補聴器のメリットは、主にその形状によるものが多いです。代表的な3つのメリットをご紹介します。

①耳の穴を塞ぐことによる不快感がない。
これは音楽用イヤホンなどでも同様ですが、一部の人は耳の穴を塞がれることに不快感を感じます。通常の補聴器では耳せんで耳を塞ぐ必要がありますが、骨伝導補聴器は耳の穴を塞がないため不快感がありません。

②日常的に耳だれが出る人でも故障の心配なく使用できる。
慢性の中耳炎などで、日常的に耳だれが出てしまう人が通常の補聴器を使うと、浸出液によって補聴器が壊れるおそれがあります。骨伝導補聴器であれば、浸出液による故障の心配はありません。

③耳の穴が特殊な形で耳せんが入らない人でも使える。
耳の穴が無くても関係ないため、耳の穴の手術を受けた経験のある方や、先天的に耳の形に奇形がある方など、耳が特殊な形になっていても使えます。通常の補聴器であれば耳の穴に耳せんを入れる必要がありますが、耳の穴が特殊な形に変形している人は耳せんが耳に合いにくくなる場合があるため、通常の補聴器が使えない場合があります。

骨伝導補聴器の音質が合う人・合わない人

補聴器に種類があるように、難聴にも種類があり、相性があります。
中耳炎やその後遺症が原因の伝音性難聴の人は、骨伝導補聴器の音質がよく合うことがあります。この逆に加齢が原因になる感音性難聴の場合は、骨伝導補聴器の音質よりも、通常の補聴器の音質や機能がよく合います。
難聴と骨伝導補聴器の相性

感音性難聴の方が骨伝導補聴器を使って、音質が合うことはほとんどありません。伝音性難聴の方が、通常の補聴器を使って音質が合うことは少なくありません。

人数としては骨伝導補聴器の音質のメリットが享受できる難聴者は、とても少ないのですが、まれにとても上手くいくことがあります。

骨伝導補聴器がよく合う伝音性難聴とは?

人間の耳の内部は大きく3つに分かれています。下図のとおり、外側から順に「外耳」「中耳」「内耳」の3つです。
耳の内部構造

この3つのうち、外耳や中耳における障害によって起こる難聴を「伝音性難聴」といいます。耳の奥に音が伝わりにくくなるため、このように呼ばれています。伝音性難聴の多くは、耳鼻咽喉科で治療が可能です(難聴が残ってしまう場合もあります)。

伝音性難聴かもしれないと思ったら、まずは耳鼻科で診察・治療してもらいましょう。それでも難聴が残った場合に、骨伝導補聴器を検討していただくのが良いでしょう。
難聴に種類ってあるの?難聴の基本 | 補聴器専門店プロショップ大塚(認定補聴器技能者運営)

骨伝導補聴器の種類と特徴(メガネ型、カチューシャ型など)

メガネ型

スターキー社メガネ型骨伝導補聴器F228-D

引用:スターキー社 メガネ型骨伝導補聴器F228-D


骨伝導補聴器の中で最も普及しているタイプです。内部部品はすべてメガネのツルに入っており、ツルの前方先端にマイクが付いています。振動を発生させる振動子はツルの後ろ側についており、耳の後ろの骨に振動を伝えます。

メガネ型の利点は、補聴器を着けていることに気づかれにくいこと、通常のメガネと同じようにレンズを入れることができることです。ただし補聴器の調整とは別にメガネ部分のかけ心地、レンズの見え方などを調整する必要があります。

カチューシャ型

スターキーカチューシャ型

引用:スターキー社 カチューシャ型骨伝導補聴器miniデジタル骨導


小児の伝音性難聴者が使うことが多いタイプです。たくさん動き回っても外れにくいという特徴があります。振動子をカチューシャで固定して使用します。カチューシャの部分はどうしても外から見えてしまうため、カバーを着けておしゃれなヘアバンドのように使用しているお子さんもいらっしゃいます。

埋め込み型骨伝導補聴器(手術が必要)

骨固定型補聴器

引用:株式会社日本コクレア骨固定型補聴器

インプラントタイプの骨伝導補聴器で、他の骨伝導補聴器とは違い埋め込みのための手術が必要になります。チタン製の部品を側頭骨に埋め込みます。骨伝導で音が伝わる仕組みは他の骨伝導補聴器と同様ですが、骨に振動子を埋め込むため、より効果的に音を伝えることができます。
メガネ型やカチューシャ型のような大きい本体を身に付ける必要はありませんが、周りの音を感じ取る小さいマイクを頭部に着ける必要があります。

軟骨伝導補聴器

骨伝導の一種である「軟骨伝導」という仕組みを利用する補聴器で、主に外耳道閉鎖症の方のために開発されました。前述の埋め込み型のように使用前の手術は必要なく、メガネ型・カチューシャ型のように補聴器を骨に圧迫する必要が無いことが利点です。
通常の補聴器のように本体部分を耳にかけ、耳たぶの軟骨部分に振動子を密着させて使用します。一部の医療機関のみの取り扱いで、補聴器販売店での直接購入はできません。

骨伝導補聴器、価格の例

メガネ型

・スターキー社 片耳220,000円(軽度難聴用)240,000円(高度難聴用)
・リオン社 片耳185,000円(軽度~中等度難聴用)

カチューシャ型

・スターキー社 片耳180,000円

軟骨伝導補聴器(取り扱いは一部医療機関のみ)

・リオン社 片耳300,000円

骨伝導補聴器を実際に使う人・使わない人

実際に骨伝導補聴器を使っている人は国内にどれくらいいるのでしょうか?日本補聴器工業会が発表した2019年の補聴器年間出荷台数によると、骨伝導補聴器で最も人気のメガネ型でも319台でした。これは国内の補聴器所有者全体の1%以下となります。

骨伝導補聴器を使う人が少ない理由は、多くの伝音性難聴が治療で回復するためです。また治療を受けて完治しなかった場合も、必ず骨伝導補聴器を使うわけではなく、普通の補聴器を使う方が多くいらっしゃいます。

治療を受けても完全には難聴が治らず伝音性難聴が残り、骨伝導補聴器がよく適応する病気やケガには下記の例があります。

骨伝導補聴器が特によく適応する病気やケガの例(治療完了後を含む)
・先天性の奇形で、耳の穴が塞がっている場合
・生まれつき耳が小さく、補聴器が耳の穴に入らない、または耳にかけられない場合
・慢性の中耳炎があり、普通の補聴器で耳の穴が塞がると症状が悪化する場合

骨伝導補聴器を買う前に気を付けたい事

骨伝導補聴器は伝音性難聴という種類の難聴に合う可能性が高い補聴器です。しかし伝音性難聴は耳鼻科での治療によって改善される可能性が高い難聴です。骨伝導補聴器を試聴したり、購入したりする前には、ぜひ耳鼻科を受診して下さい。

本記事では骨伝導補聴器のメリットを解説しましたが、ほとんどの難聴は骨伝導補聴器よりも通常の補聴器の方がよく合います。通常の補聴器の方が、様々な機能があり、種類も多く、価格も幅広くあります。
ほとんどの難聴の方にとって、骨伝導補聴器は3番目くらいの選択肢と考えていただくのが良いと思います。まずは通常の補聴器が自分に合うかどうか、実際の生活環境で試聴をしてみることをおすすめします。

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補聴器専門店プロショップ大塚を運営する株式会社大塚の代表取締役。認定補聴器技能者、医療機器販売管理者。

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