世界の補聴器メーカーの比較と特徴
各社の補聴器の違い/個性をまとめました。
世界で最も売れている補聴器メーカーは一体どこなのでしょうか?
もちろん自分にとってよく聞こえることが一番大切なのですが、補聴器を購入するにあたって、たくさん売れている補聴器は安心ですよね。
補聴器の器種別のデータは見つかりませんでしたが、世界のメーカー別シェアランキングが見つかったので、各社の特長と合わせてご紹介します。
なお、どのメーカーも価格はピンからキリまで幅があり、メーカーによる価格差はありません。
最新版2022年版はこちら。
以下は、2015年当時にまとめた記事になります。
2022年の最新版として、世界6大メーカーの特徴と評判をまとめた記事を書きました。補聴器は、メーカーによって音質が異なります。カタログだけではわからない音質の特徴をこちらの記事で詳しく紹介しています。
補聴器メーカーの比較と特徴(2015年当時)
1位 ソノヴァグループ(商品ブランド:フォナック、ユニトロン)
一番たくさん補聴器を売った企業はスイスに本社を置くソノヴァグループでした。
日本では、ほとんどの方に聞き慣れない会社だと思います。
この会社は大企業なので、子会社に2つも補聴器メーカーを持っているためです。
子会社の補聴器メーカーの名前は、フォナック社とユニトロン社になります。
会社名が2つありますが、製品の内容はほとんど同じものです。新製品の発売時期もまったく同じです。同じ中身で製品名は異なりますが、フォナック社、ユニトロン社のどちらを選んでも大丈夫です。
プロショップ大塚では、フォナック補聴器を取り扱っています。
2位 ウィリアムデマントグループ(商品ブランド:オーティコン、バーナフォン)
シェア第2位は、北欧のデンマークに本社を置くウィリアムデマントグループでした。
この会社も大企業で、ヨーロッパの貴族が大株主なのだそうです。
1位のソノヴァグループと同じく、小会社に2つの補聴器メーカーを持っています。
オーティコン社とバーナフォン社になります。
こちらは製品が基本的に異なります。
オーティコン社の製品は、つけていて負担が少ないことや、脳へのリハビリ効果などが考慮されています。
バーナフォン社の製品は、言葉のツブがハッキリすることに重きを置かれているようです。
特徴の異なる2つのメーカーで、色々な種類の難聴に対応できるようになっています。
プロショップ大塚では、オーティコン補聴器を取り扱っています。
3位 シバントスグループ(商品ブランド:シーメンス、シグニア、レクストン、ハンザトーン)
シェア第3位は、ドイツのシバントスグループでした。
この会社、元は医療機器総合メーカーのシーメンス社の補聴器部門でした。シーメンス社は世界で初めてレントゲンを発明したドイツの歴史ある医療機器メーカーです。その後、上場して別会社になりました。
ここまでグループでランキングを説明してきましたが、一社単独ではシバントスの補聴器が世界シェア1位のようです。また日本国内のシェアも1位のようです。
製品としては、居酒屋での会話など、騒音下の聞き取りを得意としています。
軽度難聴者がシグニア補聴器を使うと「うるさい場所では耳のいい人以上によく聞き取れる」という研究結果*があるほどです。
格安ブランドのレクストンは、数年前の型落ち品に商品名をつけ直すことで、値崩れを防ぐ目的で使われるブランドのようです。
超大型スーパーのコストコなど、安さをPRする小売店で、取り扱われています。
シバントスグループの補聴器をお求めの場合は、どのブランドを選ぶか迷ってしまいそうですね。
価格と性能のバランスを考慮すると、10万円以下の最安品をお求めの場合はレクストンの製品、中価格帯以上の補聴器をお求めの場合はシグニアの製品をお選びいただくのが、お得だと思います。
プロショップ大塚では、シバントスの補聴器を取り扱っています。
*参考:シーメンスホワイトペーパー「最新指向性技術の補聴器vs健聴者のきこえ」
4位 GNリサウンドグループ(商品ブランド:GNリサウンド、ベルトーン)
明治時代から日本で電気通信事業を営んでいたデンマークの大企業The Great Northern Telegraph社の補聴器部門です。
やはり子会社に2つの補聴器メーカーを持っています。
子会社の補聴器メーカーの名前は、GNリサウンド社とベルトーン社になります。
会社名が2つありますが、製品の内容はほとんど同じものです。
新製品の発売時期もまったく同じです。同じ中身で製品名は異なりますがGNリサウンド社とベルトーン社のどちらを選んでも大丈夫です。
特徴的な製品としては、重度難聴用の補聴器、スマホ連動で紛失時に発見できる補聴器、余分なピーピー音(ハウリング)の抑制が強力な補聴器など、特徴的な補聴器を開発しています。
プロショップ大塚では、リサウンドの製品を取り扱っています。
5位 スターキー社(商品ブランド:スターキー)
ここまでヨーロッパ企業ばかりでしたが、第5位はアメリカのスターキー社です。
1967年に、全メーカー対応の補聴器修理会社として設立した比較的歴史の若い会社です。
ロナルド・レーガン元大統領が、在任中にスターキー社の補聴器を使っていることを公表したことで、一躍有名になりました。
製品としては世界で一番小さな耳あな型補聴器(外からまったく見えません!)などのオーダーメイドの耳あな型補聴器を得意としています。
6位 ワイデックス社(商品ブランド:ワイデックス、バイタル)
第6位は、デンマークの補聴器メーカー、ワイデックス社です。このメーカーの製品は、小さい音に対する感度が極めて高いことが特徴です。
ワイデックス補聴器のマイクは、一円玉が布団の上に落ちた音さえ拾うことができます。そんな音は聞こえなくても良いのですが、この性能が役立つ場面は、会議・会合など、距離3メートル以上離れた場所での会話です。プロショップ大塚では、お仕事が現役の方や、老人会の会合の聞こえを改善したい方におすすめしています。
格安ブランドのバイタルは、数年前の型落ち品に商品名を付け直すことで、値崩れを防ぐ目的で使われるブランドのようです。安さをPRする量販店で、取り扱われています。
ワイデックスの補聴器をお求めの場合は、バイタルではなく、ワイデックスブランドの補聴器をお買い求めいただくことをおすすめします。
理由は(2022年現在)ワイデックスブランドの補聴器でも、お値打ちな価格帯の商品ラインナップが充実してきたためです。お値打ちな価格でも、比較的に性能が優れている器種があります。
具体的な器種については、一人ひとりの聴力によって合う器種が変わります。詳しくは店頭までご相談ください。
7位以下 その他の補聴器メーカー(国産メーカー全社を含む)
6位までに、国産メーカーが登場していません。
<その他>の中にパナソニック、リオン、パイオニア、オムロンなどの国産メーカーがすべて入ります。
日本人としては残念なのですが、今は国産の補聴器が、あまり売れていません。
はじめての補聴器で安心・確実なものが欲しい場合には、上位3位までの補聴器メーカーであれば、どこをお選びいただいても大丈夫だと思います。
特別なご要望の方(例:一番目立たない補聴器が希望、会議だけ困っている)には、4位から6位の補聴器メーカーを含めて、試聴体験していただいた上でお選びいただくのが良いと思います。
出典 Global Hearing Aid Market Report: 2015 Edition(※英語の有料情報です)
(http://www.reportlinker.com/p0619281/Global-Hearing-Aid-Market-Report-Edition.html)