世界の補聴器メーカーの比較と特徴
各社の補聴器の違い/個性をまとめました。
世界で最も売れている補聴器メーカーは一体どこなのでしょうか?
もちろん自分にとってよく聞こえることが一番大切なのですが、補聴器を購入するにあたって、たくさん売れている補聴器は安心ですよね。
補聴器の器種別のデータは見つかりませんでしたが、世界のメーカー別シェアランキングが見つかったので、各社の特長と合わせてご紹介します。
なお、どのメーカーも価格はピンからキリまで幅があり、メーカーによる価格差はありません。
補聴器メーカーの合併など、大きな変化がありましたので、2019年版を作成しました。
2019年版:補聴器メーカーの比較と特徴(シェア率上位5社を紹介)
1位) ソノヴァグループ(フォナック、ユニトロン)
2位) ウィリアムデマントグループ(オーティコン、バーナフォン)
3位) WS Audiology 社(シグニア/ワイデックス)
4位) GNグループ(GNリサウンド、ベルトーン)
5位) スターキー社(スターキー)
6位以下)その他のメーカー(国産メーカー全社を含む)
本記事は2015年当時の情報です。最新版はこちら
以下は、2015年当時にまとめた記事になります。
2019年になり、シバントス と ワイデックス が合併し、補聴器メーカーの状況も大きく変化をしました。当時の状況も参考になるとは思いますが、新しい状況もご覧いただければと思います。
2019年版:補聴器メーカーの比較と特徴(シェア率上位5社を紹介)
補聴器メーカーの比較と特徴(2015年当時)
1位 ソノヴァグループ(商品ブランド:フォナック、ユニトロン)
一番たくさん補聴器を売った企業はスイスに本社を置くソノヴァグループでした。
日本では、ほとんどの方に聞き慣れない会社だと思います。
この会社は大企業なので、子会社に2つも補聴器メーカーを持っているためです。
子会社の補聴器メーカーの名前は、フォナック社とユニトロン社になります。
会社名が2つありますが、製品の内容はほとんど同じものです。新製品の発売時期もまったく同じです。同じ中身で製品名は異なりますが、フォナック社、ユニトロン社のどちらを選んでも大丈夫です。
プロショップ大塚では、フォナック社の製品を扱っています。
2位 ウィリアムデマントグループ(商品ブランド:オーティコン、バーナフォン)
シェア第二位は、北欧のデンマークに本社を置くウィリアムデマントグループでした。
この会社も大企業で、ヨーロッパの貴族が大株主なのだそうです。
1位のSonovaグループと同じく、小会社に2つの補聴器メーカーを持っています。
オーティコン社とバーナフォン社になります。
こちらは製品が基本的に異なります。
オーティコン社の製品は、付けていて負担が少ないことや、脳へのリハビリ効果などが考慮されています。
バーナフォン社の製品は、言葉のツブがハッキリすることに重きを置かれているようです。
特徴の異なる2つのメーカーで、色々な種類の難聴に対応できるようになっています。
プロショップ大塚では、バーナフォン社の製品を取り扱っています。
3位 シバントスグループ(商品ブランド:シーメンス、シグニア、レクストン、ハンザトーン)
シェア第三位は、ドイツのシバントスグループでした。
この会社、元は医療機器総合メーカーのシーメンス社の補聴器部門でした。シーメンス社は世界で初めてレントゲンを発明したドイツの歴史ある医療機器メーカーです。その後、上場して別会社になりました。
ここまでグループでランキングを説明してきましたが、一社単独ではシバントスの補聴器が世界シェア1位のようです。また日本国内のシェアも1位のようです。
製品としては、居酒屋での会話など、騒音下の聞き取りを得意としています。
軽度難聴者がシグニア補聴器を使うと「うるさい場所では耳のいい人以上によく聞こえる」という研究結果があるほどです。
格安ブランドのレクストンは、数年前の型落ち品に商品名を付け直すことで、値崩れを防ぐ目的で使われるブランドのようです。
超大型スーパーのコストコなど、安さをPRする小売店で、取り扱われています。
シバントスグループの補聴器をお求めの場合は、どのブランドを選ぶか迷ってしまいそうですね。
価格と性能のバランスを考慮すると、10万円以下の最安品をお求めの場合はレクストンの製品、中価格帯以上の補聴器をお求めの場合はシグニアの製品をお選びいただくのが、お得だと思います。
プロショップ大塚では、シバントスの補聴器を取り扱っています。
4位 GNリサウンドグループ(商品ブランド:GNリサウンド、ベルトーン)
明治時代から日本で電気通信事業を営んでいたデンマークの大企業The Great Northern Telegraph社の補聴器部門です。
やはり子会社に2つの補聴器メーカーを持っています。
子会社の補聴器メーカーの名前は、GNリサウンド社とベルトーン社になります。
会社名が2つありますが、製品の内容はほとんど同じものです。
新製品の発売時期もまったく同じです。同じ中身で製品名は異なりますがGNリサウンド社とベルトーン社のどちらを選んでも大丈夫です。
特徴的な製品としては、重度難聴用の補聴器、スマホ連動で紛失時に発見できる補聴器、余分なピーピー音(ハウリング)をカットした補聴器など、特徴的な補聴器を開発しています。
プロショップ大塚では、GNリサウンド社の製品を扱っています。
電話の聞こえを改善したい方と、加齢にともなう重度の難聴者に、特におすすめしています。
5位 スターキー社(商品ブランド:スターキー)
ここまでヨーロッパ企業ばかりでしたが、第五位はアメリカのスターキー社です。
1967年に、全メーカー対応の補聴器修理会社として設立した比較的歴史の若い会社です。
ロナルド・レーガン元大統領が、在任中にスターキー社の補聴器を使っていることを公表したことで、一躍有名になりました。
製品としては世界で一番小さな耳穴型補聴器(外からまったく見えません!)や、骨伝導メガネ型補聴器など特徴的な製品を開発しています。
プロショップ大塚では、骨伝導メガネ型補聴器を取り扱っています。
骨伝導メガネ型補聴器は、特殊な補聴器です。中耳炎が原因の難聴や耳硬化症など、一部の病気が原因の難聴に有効です。逆に加齢性の難聴には、適合しない場合があります。骨伝導メガネ型補聴器をご検討の方は、当店で検査を受けていただければと思います。
6位 ワイデックス社(商品ブランド:ワイデックス、バイタル)
第六位は、デンマークの補聴器メーカー、ワイデックス社です。このメーカーの製品は、小さい音に対する感度が極めて高いことが特徴です。
ワイデックスの補聴器は、一円玉が布団の上に落ちた音さえ拾うことができます。これが役立つ場面は、会議・会合など、距離3メートル以上離れた場所での会話です。お仕事が現役の方や、老人会の会合の聞こえを改善したい方には、特におすすめしています。
格安ブランドのバイタルは、数年前の型落ち品に商品名を付け直すことで、値崩れを防ぐ目的で使われるブランドのようです。安さをPRする量販店で、取り扱われています。
ワイデックスの補聴器をお求めの場合は、バイタルではなく、ワイデックスブランドの補聴器をお買い求めいただくことをおすすめします。
理由が、2015年に発売された「Unique(ユニーク)」という新製品が、安くてよく聞こえるからです。2015年、2016年にバイタルの補聴器を買うのはもったいないと思います。「Unique(ユニーク)」は、以前の補聴器と比べて、性能はもちろん、コストパフォーマンスにも非常にすぐれています。
プロショップ大塚では、ワイデックスの製品を扱っています。
7位以下 その他の補聴器メーカー(国産メーカー全社を含む)
6位までに、国産メーカーが登場していません。
<その他>の中にパナソニック、リオン、パイオニア、オムロン、パイオニアなどの国産メーカーの合計がすべて入ります。
日本人としては残念なのですが、今は国産の補聴器が、あまり売れていません。
はじめての補聴器で安心・確実なものが欲しい場合には、上位3位までの補聴器メーカーであれば、どこをお選びいただいても大丈夫だと思います。
特別なご要望の方(例:メガネ型補聴器が欲しい、一番目立たない補聴器が希望、会議だけ困っている、耳鳴り対策としての補聴器が必要など)には、4位から6位の補聴器メーカーを含めて、試聴体験していただいた上でお選びいただくのが良いと思います。
出典 Global Hearing Aid Market Report: 2015 Edition(※英語の有料情報です)
(http://www.reportlinker.com/p0619281/Global-Hearing-Aid-Market-Report-Edition.html)
補聴器メーカーの合併など、大きな変化がありましたので、2019年版を作成しました。
2019年版:補聴器メーカーの比較と特徴(シェア率上位5社を紹介)