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補聴器購入ガイド:補聴器を考え始めたばかりの人へ

補聴器購入ガイド:補聴器を考え始めたばかりの人へ補聴器購入ガイド:補聴器を考え始めたばかりの人へ

日本人の1,400万人が、実はさまざまな難聴に苦しんでいます。そのほとんどは、高齢者です。総務省および日本補聴器工業会のデータ(JapanTrak2015)によると、65歳以上の人の約3分の1が難聴を自覚しており、75歳以上になると、その半数近くが難聴になっていることが分かりました。
十分に対策していない難聴は、重大な健康問題です。
難聴になると、家庭内や友人関係、仕事上のコミュニケーションが難しくなるのはもちろんですが、近年の研究では、うつ病、記憶力や集中力の低下、さらには認知症などの重大な健康問題と関連していることが分かってきています。*1

【目次】

※本記事では、補聴器をまだ購入していない方のために「これを知っていれば失敗しない」という補聴器の基礎知識をまとめました。記事を読むより分かりやすい説明をご希望される方は、ぜひご来店ください。相談だけの方も大歓迎です。プロショップ大塚:来店予約ページへ

難聴や聴力低下について、知っておくべきこと

難聴の種類その1「感音性難聴」について

難聴には種類がありますが、感音性難聴と呼ばれるタイプがもっとも一般的です。この難聴は、鼓膜より奥にある蝸牛の中にある有毛細胞がダメージで機能しなくなることが原因です。有毛細胞は、耳に入ってくる音波を電気信号に変換し、脳に送る役割を持っています。

有毛細胞は、老化によってダメージを受けます。その他に騒音を聞くこと、特定の薬物、病気、および家族に難聴者がいること(遺伝)も、難聴になる可能性を高めます。

感音性難聴は基本的に治療で改善できませんが、適切な補聴器を使えば、よく聞こえる生活をとり戻すことができます。
なお補聴器の他にも対策はあります。たとえば手術で耳の中に人口内耳を埋め込むという治療法です。これは重度難聴の場合のみ対象で、医療機関で行われます。

難聴の種類その2「伝音性難聴」について

伝音性難聴は、あまり一般的ではなく、中耳炎や耳垢の詰まり、または奇形(柔道やレスリングなどのケガなど)の結果として発生します。感音性難聴と異なり、治療で治る場合があります。

対策は、たまった耳垢を取り除くこと、中耳炎など炎症を治療すること、奇形の場合には矯正手術を受けることなどです。通常は、これらの対策で聴力を回復させることができます。しかし治療しても、聴力が完全に回復しない場合、補聴器を使用することもありえます。

難聴の種類その3「混合性難聴」について

上に紹介した両方のタイプの難聴が混在することがあります。これを混合性難聴といいます。例えば、お年とともに聞こえにくくなる感音性難聴は、有毛細胞のダメージが原因です。これに加えて、同時に耳垢がたまっていれば、さらに聞こえにくくなります。この場合は、伝音性難聴の対策(耳垢の除去)と、感音性難聴の対策の両方が必要になります。

難聴の種類について詳しく知りたい方のために下記の記事を書きました

補聴器について、まず「ものを知る」

感音性難聴になり、内耳の有毛細胞がダメージを受けたら、元に戻すことはできません。しかし、補聴器を使って適正な音量・音質で聞くことで、生活の便利さは大幅に改善できる可能性があります。

補聴器の構造と仕組み、どうして音が聞こえるのか?

補聴器には、音を拾うためのマイク、音を大きくするためのアンプ、耳の穴に音を入れるためのレシーバ(≒スピーカー)があります。現在のデジタル補聴器では、音がマイクに入った後、アンプ内部にある超小型コンピュータに音が伝達されます。コンピュータは、言葉が聞き取るために必要な音の​​周波数を選んで増幅します。この他、言葉以外の雑音の除去にも、コンピュータチップは役立っています。

※画像はワイデックス社のサイトより引用

※アナログ補聴器について:現在、アナログ補聴器は世界的にほとんど生産されていません。デジタル補聴器の機能が大幅に進歩したためです。日本で流通している補聴器は、ほぼすべてデジタル補聴器になりました。

補聴器(と聴覚)の専門家は、何をしてくれるのか?

補聴器と聴覚の専門家は、医療機関または補聴器専門店に在籍しています。
耳鼻科医の中でも「補聴器適合判定医」もしくは「補聴器相談医」という資格を持っている先生は、補聴器を得意としています。
聴覚やリハビリに特化した「言語聴覚士」という国家資格もあり、こちらは一部の病院や一部の補聴器専門店に在籍しています。
補聴器に特化した技能を持っている人は「認定補聴器技能者」という資格を持っています。
これらの専門家は連携していますので相談すると、お一人お一人の困りごと、生活環境、聴力、ご要望に合わせた治療や補聴器の試聴体験サービスが受けられます。
聴器の試聴の場合、やはり専門家とそれ以外では受けられるサービスが異なります。難聴と言っても、人によって、聞こえて欲しい音と聞こえて欲しくない音は、まったく異なるのです。
専門家は、お客様お一人おひとりの聴力と感想、またはご予算や見た目のご希望を考慮して、適切な補聴器をご提案し、音を調整します。
職場の環境や、家庭内のテレビを聞く環境など、一人一人の環境もヒアリングして、環境に応じた微調整も行います。

最近の補聴器の特徴

最新の補聴器では、スマートフォンと無線で通信できる器種も出てきました。最新の補聴器では、テレビの音や電話の声をダイレクトに両耳で聞くことができます。特に電話は通常、片耳で聞きますから、両耳で電話が聞こえるのは、大きな補助になります。テレビの音声を聞く場合音質も、テレビ内蔵のスピーカーより補聴器の方が優れていることが多いです。
充電式の耳あな型補聴器が増えており、電池を交換する負担が減り、ご高齢の方にとっても取り扱いが楽になってきています。
オーダーメイドになりますが、外からまったく見えない極小サイズの補聴器も登場しており、実は補聴器を使っているのに周りに気づかれていないという人もいます。

あなたに合う補聴器は?

あなたにもっとも合う補聴器は、難聴の種類と重症度、あなたのライフスタイル、手先の器用さなど、いくつかの要素で決まります。こういった、いくつかの要素があるので、あなたが気に入った補聴器が、お友達にはまったく合わない場合があります。補聴器は何百種類とあり、一人一人、ぴったり合う補聴器は異なります。

補聴器にできること、できないこと

補聴器は「難聴者の聞こえを、耳のいい人に近づけること」を目的に開発されています。基本的に、耳のいい人に出来ないことは出来ません。
耳のいい人に近づけるための機能として、ほとんどの補聴器には周囲の騒音を減らして、人の話す言葉を選んで強調する機能があります。こういった機能のある補聴器を使えば、言葉が分かりやすくなり、耳のいい人の聞こえる状態に近づくことになります。

それでも補聴器を使った『聞こえる状態』は、耳のいい人の健康な聴覚と同じになるわけではありません。

大切なことは、あなたの具体的な困りごと、解消したい問題、補聴器を購入する目的、これらをできる限り具体的にすることです。具体的な目標が決まっていれば、困りごとが解消したか否か、ハッキリして分かりやすくなるでしょう。困りごとを具体的に伝えるのが難しければ、専門家の助けを借りましょう。あなたの困りごとを、上手に聞きだして、目標を明確にしてくれるはずです。

また補聴器の試聴レンタルなどで、実際に補聴器を体験したら、感想(良いことも悪いことも両方)を専門家に伝えることが大切です。あなたの希望と補聴器を体験した感想を伝えれば、補聴器の専門家が、もっとよく聞こえるようにしてくれる可能性が高まります。同時に、良い専門家は、補聴器にできることだけでなく、できないことも正直に分かりやすく説明してくれます。

補聴器メーカーや補聴器のブランドについて

世界的な補聴器メーカーは、メインのブランドとサブのブランドがあります。自動車メーカーで例えると、トヨタの傘下にはダイハツやスバルがあり、それぞれのブランドで似た車を販売していることがあります。
補聴器も「ほぼ同じ製品なのに、違う名前」ということがあります。同じ製品が、違う名前で売られているだけでなく、価格まで異なる場合があります。
下記の記事に、メーカーとブランドについてまとめました。参考にして下さい

補聴器メーカーと補聴器ブランドについては、下記の記事にまとめました。

補聴器の形による特徴、メリット・デメリット

デジタル補聴器は、主に4つの形状があり、耳の上または耳の穴など、どこに装着されているかによって分類されます。2020年のコロナ流行以降、日本では多くの人が常にマスクを着けるようになりました。マスクとメガネと補聴器の3つを耳の上に掛けるのは邪魔になることから、近年は耳あな型補聴器の人気が伸びています。

小型耳かけ型補聴器(RIC: receiver-in-the-canal)

コロナ流行前まで、もっとも多くの人に選ばれていたのが、このタイプ「小型耳かけ型補聴器」です。このタイプは、RIC補聴器とも呼ばれ、スピーカーが耳の穴の中に入ります。補聴器のマイクやアンプや電池などの本体は耳の上に乗せて、本体とスピーカーは細いワイヤーでつながっています。スピーカーが耳の穴の中に入るため、耳の上の本体が小型化されています。
耳せんの種類は、一人一人の耳型を採って制作するオーダーメイド耳せんを使う場合と、既製品のゴム製耳せんを使う場合があります。

RIC補聴器のメリット

着け心地が快適で、外からはほとんど見えません。耳せんとスピーカーを変更することが出来るため、一つの補聴器で軽度難聴から高度難聴まで対応できます。重い難聴では、耳の穴をピッタリふさぐためにオーダーメイド耳せんが必須になります。後ほど紹介する小型耳あな型の補聴器と比べると、取り扱いが簡単です。このタイプは、目立ちにくさと取り扱いの簡単さのバランスに優れています。

RIC補聴器のデメリット

耳の穴に入るスピーカーが耳垢で汚れますし、耳の上の補聴器本体は汗で汚れます。汚れる箇所が二か所なので、他の補聴器より故障率が少し高くなる傾向にあります。メガネやマスクと同時に使う場合、邪魔になる場合があります。

昔からある耳かけ型補聴器(BTE:Behind-in-the-Ear)

このタイプの補聴器は、もっとも古く、30年以上前から現在も多くの人に愛用されています。RIC補聴器と異なり、すべての電子部品が耳の後ろに装着されるプラスチック製の本体に入っています。本体と耳せんは、外から見えるチューブでつながります。耳せんの種類は、一人一人の耳の型を元に制作するイヤモールドを使う場合と、既製品のゴム製耳せんの両方が使えます。

BTE補聴器のメリット

低周波数から高周波数まで、幅広く音を出すことができます。最大音量が大きいのも特徴です。重度難聴の場合、ほとんどの方が、このタイプを選びます。耳垢や中耳炎による浸出液が多くても、補聴器の故障にはつながりません。耳せんが汚れるだけで済みます。また耳せんが汚れた場合のお掃除も簡単です。本体が大きいので、耳に入れたり出したりする取り扱いはRIC補聴器より、さらに簡単です。

BTE補聴器のデメリット

このタイプは着けていると、外から見えます。メガネやマスクと同時に使うとき、邪魔になる場合があります。本体が大きく重いため、耳せんの形と耳の穴の形がぴったり合っていないと落下の原因になります。

完全に見えない耳あな型補聴器(CIC:complete-in-the-canal、またはIIC:invisible-in-canal)

完全に耳の穴に入って隠れる最も小さい補聴器です。別名、見えない補聴器とも呼ばれます。1cm以内(1円玉より小さい!)という非常に小さな補聴器本体の中に、マイク・アンプ・スピーカー・電池など、すべての部品が入っています。このタイプは、ほとんどがオーダーメイド品になり、注文時にはお一人おひとりの耳の形状の型を取って制作されます。
補聴器メーカーによって、また耳の型を取る販売員の技術力によって、出来上がった補聴器の大きさ、形、そして着け心地に大きな差が出ます。補聴器を外すときには、引っ張り出すためのテグス糸をつまんで取り出します。

CICまたはIIC補聴器のメリット

耳の穴の奥に入り、耳にぴったりフィットします。外から見たときには、まったく見えません。マイクも耳の穴の奥に隠れるため、風の雑音が静かになります。マイクの位置が鼓膜に近づくため、聞こえ方が自然になると評価する人もいます。また電話を使った際に、ピーピーという音が出にくくなっています。メガネやマスクを同時に使った時、邪魔になりません。

CICまたはIIC補聴器のデメリット

サイズが小さいため、雑音がうるさい環境で、言葉を選ぶ機能が弱くなります。これは指向性マイクという部品が入れられないためです。制作時に、かならず耳の型を取る必要があります。この時、耳型を取る人間の技術によって、出来上がる補聴器の品質が変わります。
の補聴器に使われる電池は、もっとも小さいサイズだけです。電池寿命が他のタイプより短くなり、電池の交換が頻繁になります。補聴器、電池ともに小さいため、手先の器用さによっては、取り扱いが難しくなることがあります。スピーカーが耳垢で汚れるとよく聞こえませんので、お手入れも他の補聴器より頻繁に行う必要があります。

※CICまたはIIC補聴器のおすすめメーカーは「スターキー」がトップ!
オーダーメイド補聴器の世界シェア1位のスターキーは、CICまたはIIC補聴器の品質と小ささにこだわり続けており、当社が独自に行っているオーダーメイド補聴器の形状比較テストにおいて最小サイズは毎年スターキーです。平均的な耳の大きさであれば、様々な選択肢があります。しかし耳の穴の小さい方が「絶対に外から見えない補聴器がいい」とご希望される場合は、スターキーの極小サイズがおすすめです。

“目立たない耳あな型補聴器”のおすすめメーカーの特徴はこちらをご覧ください。

普通の耳あな型補聴器(ITC:In-The-Canal)、大型の耳あな型補聴器(ITE:In-The-Ear)

このタイプの補聴器は、耳の中に入れて使います。補聴器本体の中に、マイク・アンプ・スピーカーなど、すべての部品が入っています。この補聴器は、多くがオーダーメイドになり、注文時には耳の型を取って制作されます。補聴器メーカーによって、出来上がった補聴器の大きさ、形、そして着け心地に大きな差が出ます。補聴器を外すときには、引っ張り出すためのテグス糸をつまんで取り出します。
プロショップ大塚に来店されるお客様のうち、40%以上がこのタイプを選んでいます。選ばれる理由は、メガネの邪魔にならず、IIC補聴器より取り扱いが簡単なためです。

耳あな型補聴器のメリット

CICまたはIIC補聴器と比べた場合、うるさい場所で、人の言葉を際立たせる機能(指向性マイク)があります。RICまたはBTE補聴器と比べた場合、マイクの位置が少しだけ鼓膜に近いため、より自然な聞こえが得られる可能性があります(ご本人の耳介集音効果の活用といいます)。
電池のサイズを選ぶことが出来るため、見た目と取り扱いの細かさのバランスを選ぶことができます。メガネやマスクを同時に使った時、邪魔になりません。

耳あな型補聴器のデメリット

スピーカーが耳垢で汚れるとよく聞こえません。CICまたはIIC補聴器ほどではありませんが、お手入れは必要になります。CICまたはIIC補聴器と比べて、外から見えるようになります。見た目にはRIC補聴器より目立ちます。

補聴器の色々な機能、あなたに必要な聞こえの効果

うるさい場所で言葉を聞くための指向性マイク

現在、ほとんどの補聴器に指向性マイクがついています。この機能は、騒々しい環境で会話することを助けてくれます。
通常、耳のいい人でも、にぎやかな環境では顔を向けた方向の声しか聞きとれません。指向性マイクは耳のいい人と同じように、後方または側面からのノイズを減らして、あなたが顔を向けた方向の音と声を選んで大きくしてくれます。この機能は、騒々しい環境で会話する際には、とても役立ちます。具体的にはスーパーや百貨店で、家族や友人と一緒に買い物する際中のおしゃべりに、特におすすめです。
ただし、バスや自動車に乗車する際は、座る席によって聞きたい声をカットしてしまう場合があります。例えば、自動車の助手席に座っているときには、顔を向けた方向ではなく、運転席(通常なら右方向)や、後ろ方向の声が聞きたいはずです。
高価格の補聴器では、より高性能な指向性マイクが搭載されています。高価格な補聴器では、360度どちらの方向であっても声を選んで増幅し、それ以外の音をカットしてくれます。つまり高性能な指向性マイクがついている補聴器では、顔の向きを意識する必要がなくなり、より自然に聞くことが出来ます。

ピーピー音をおさえるハウリング抑制機能

補聴器を使っていると、ピーピーという音が外に漏れてしまうことがあります。この現象はハウリングまたはフィードバックと呼ばれており、この現象を抑えるのが、ハウリング抑制またはフィードバック低減の機能です。
ピーピー音が発生しやすいのは、耳の穴と耳せんのサイズが合っていないとき、補聴器を使いながら電話の受話器を取ったとき、または食事や会話でアゴを動かしたときです(アゴを動かすと、耳の穴の形がわずかに変形し、スキマができるため)。また難聴が重く、補聴器の音量が大きくなるほど、ピーピー音は発生しやすくなります。
電話をよく使う方、会話する機会が多い方、難聴が重い方、ゆるい耳せんが好みの方の場合は、高度なハウリング抑制機能が必要になります。
ハウリング抑制機能は、価格よりもメーカーと発売時期によって大きく変わります。同じメーカーで、同時期に発売された補聴器なら、高い補聴器も安い補聴器も、ハウリング抑制機能は大きく変わりません。
具体的なアドバイスとしては、電話をよく使う方や、ゆるい耳せんが好みの方は、旧型の最高級補聴器よりも、新型の中級補聴器の方が便利になるでしょう。

快適に過ごすための雑音抑制と衝撃音抑制の機能

補聴器には雑音を抑える機能があります。これは言葉の聞き取りの助けにもなりますが、騒々しい環境でも快適に過ごせるようにしてくれます。
補聴器初心者の場合、耳のいい人が常に聞いていた生活音を、久しぶりに聞くことになります。たとえば自動車のエンジン音や、エアコンのモーター音、食器の音、トイレの水を流した音など、日常生活で発生するすべての音です。これらの生活音は、補聴器初心者にとって補聴器に慣れるまでの間、大きな負担になります。雑音抑制と衝撃音抑制の機能は、初心者が補聴器に慣れるまでの間、生活音の負担を大きく軽減してくれます。なお完全に補聴器に慣れて、毎日、朝から晩まで補聴器を使っている経験者の場合、雑音抑制の機能が必要なくなる場合もあります。
もちろん雑音抑制と衝撃音抑制の機能は、にぎやかな場所での言葉の聞き取りも、いくらか聞き取りやすく、また理解しやすくしてくれます。

補聴器の選び方、病院から販売店まで

補聴器を買う前に、治る難聴かも知れません

自分が難聴だと気づいた方は、専門家(補聴器適合判定医、補聴器相談医、言語聴覚士、認定補聴器技能者)に相談しましょう。メガネ店の補聴器売り場などに最初から行ってしまうと、治療可能な難聴を見逃す可能性があります。

最初は、どこの誰に相談するべきでしょうか?
難聴の治療や診断をお求めの場合、まずは耳鼻科を受診して下さい。あなたの難聴の原因が、医療上の問題(中耳炎、耳垢の詰まり、または耳の腫瘍など)があるかどうかを診断できるのは耳鼻科医です。治療で難聴が十分に改善しないとき、補聴器の出番になります。

「病院にかかるほどのことだろうか?」とお考えの場合、もちろん最初に補聴器店へ相談することも可能です。認定補聴器技能者は、鼓膜の観察や聴力測定の結果から、もしかしたら治療できるかも知れないという可能性が見つかれば、適切な病院を紹介します。

当店までご来店可能な方は、ぜひプロショップ大塚をお選びください。

店舗案内

当店まで、ご来店できない方は下記の名簿が参考になります。
補聴器相談医名簿:一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
認定補聴器専門店一覧(認定補聴器技能者が必ず常勤しており、検査設備も充実した専門店です)

専門家のアドバイスはどんなもの?

認定補聴器技能者は、あなたに必要な補聴器を提案する場合、まずあなたの困りごとや要望をしっかり聞きます。次に聴力を検査します。困りごと、要望、検査結果の3つを元に補聴器にできること・できないことの説明や、補聴器の試聴レンタルの提案などを行います。補聴器の試聴レンタルの料金は医療機関、補聴器専門店ともに無料または数千円程度です。
聞こえを改善するには、多くの技術や方法があります。あなたに合った補聴器を選び、よく聞こえる生活を手に入れるためには、専門家と協力して(もちろん、あなたの希望を遠慮なく伝えて)、十分に試聴してから決定することが大切です。
補聴器の試聴は、国外・国内のどちらにおいても推奨されています。
米国では、州ごとに定められた消費者保護法によって、30~60日間の試聴期間(もしくは返品可能期間)が定められています。*2
国内においても、医療機関の補聴器外来において、補聴器試聴が行われており、当外来で補聴器を購入した人の満足度が高い要因の一つとして、十分な試聴期間が挙げられています。*3
プロショップ大塚の場合、無料の試聴期間は平均二か月ほどです。
なおオーダーメイドの耳あな型補聴器をご希望の場合は無料試聴がありません。保証金を預かってのレンタルサービス、もしくは購入していただくことになるものの90~120日程度を期限とした理由なしの返品返金対応が行われていることがあります。

誰のアドバイスが信頼できる?どこに行けば会える?

補聴器購入者を対象にしたあるアンケート*4では、回答者の71%は補聴器専門店で補聴器を購入したと回答しました。その他にはメガネ店、病院、電気販売店、通販で購入した例もあります。
補聴器専門店の中には、様々なメーカーを扱っている独立系の店舗や、補聴器メーカーが運営するチェーン店舗などがあります。
英国において行われた調査*5では、一つのメーカーのみを扱っているメーカー系列の店舗と比べ、複数メーカーを比較して試聴できる独立系店舗のほうが、顧客満足度が高いというデータが出ています。
補聴器専門店の認定補聴器技能者、補聴器メーカーの認定補聴器技能者、耳鼻咽喉科の医師、補聴器相談医、言語聴覚士(国家資格)は、それぞれ役割が異なり、受けているトレーニングも異なります。あなたの状況に合わせて相談先を変えましょう。

あなたの状況別、おすすめの対応方法

中耳炎の経験者や、耳鼻科に一度もかかっていない方⇒耳鼻科で難聴治療の相談を

生まれつきの難聴の乳幼児の場合⇒言語聴覚士が常勤する総合病院へ

すでに補聴器を買って持っていて、よく聞こえない時⇒メーカー系列店。もしくはその器種を取り扱っている補聴器専門店。

60歳以上の難聴で、自分に合った補聴器を探している⇒認定補聴器専門店で色々な補聴器の比較を

相談するときの心構え(良い専門家を見分けるコツ)

よく聞こえるためには、あなたのライフスタイルや、日々のコミュニケーション、そして難聴による困りごとなどを、あなたと専門家の双方が、十分に分かっている必要があります。良い専門家なら、例えば「どんな事にお困りですか?」というお話を聞く時間をシッカリ取ってくれます。
また「あなたは、どれくらい電話を使いますか?」のように具体的な質問もしてくれるでしょう。

良い専門家を見分けるコツ

・あなたに聞いた話をカルテにメモします。(同じ話を二度したくないですよね?)

・すぐ購入することは勧めずに、家族やパートナーまたは友人と相談することを勧めます。

・あなたの手の動き具合や器用さ、視力の状態について質問する必要があります。これは補聴器を、うまく扱えるか確認するためです。もしも指、腕、肩が上手く動かせないなら、それに合った取り扱いが簡単な補聴器が必要ですし、老眼で細かい操作が難しければ、それにも配慮が必要です。

・聴力測定には、専用の防音室を使います。そして測定結果の説明があるでしょう。お店によりますが、測定結果のコピーをもらえることがあります。

・専門家は「あなたが補聴器を使って、よく聞こえているか」を必ず確認します。そのため補聴器を購入する前に、補聴器の効果を確認するテストを行います。もちろん、その結果についても説明があるでしょう。

・補聴器を体験して、補聴器が役に立たない、またはうまく扱えない場合は専門家に相談するわけですが、このときの反応で、専門家の優劣がよく分かります。納得できる説明があるか、問題を解決してくれるか、そして問題の内容によっては補聴器の返品(または機種の変更など)を提案してくれるのが、良い専門家です。

・最後に、どんなサービス(病院や美容院など)でも同じことですが、人気のある店は混んでいることがあります。人気があるのに混んでいないなら、そのお店は予約制や予約優先制でしょう。

補聴器がはじめてでも分かる「腕のいい専門家・専門店のチェックリスト」

良い専門家を見分けるチェックリストを作りました。すべての項目に合格する必要はありませんが、専門家に初めて相談するときは、複数の店舗を回って比べていただくのが理想です。信頼できる専門家を選ぶ参考にして下さい。

補聴器店チェックリスト

□ 予約制、または予約優先制か?(人気店は予約制または予約優先制)

□ お店にいる間に、他のお客様がいたか?(人気が無いお店なら予約なしで行ってもすぐに入れるし、他のお客様が少ないものです)

□ あなたの話をよく聞いてくれましたか?

□ 聞こえの困りごとや生活環境について、質問してくれましたか?あなたの話をよく聞いてくれましたか?

□ あなたの話を聞きながら、メモしていましたか?

□ 密閉型の広い防音室が完備されているか?(簡易な防音室では、調べられない難聴があります)

□ 聴力の測定結果について、納得できる十分な説明があったか?

□ 補聴器を着けた後、を客観的な方法で確認してくれましたか?効果測定の結果について説明がありましたか?

□ 提案してくれた補聴器は、取り扱いや見た目があなたの要望に合っていましたか?

□ 補聴器を着けて、よく聞こえたと自分で感じましたか?

□ 補聴器を着けて、よく聞こえなかったとき、補聴器をうまく扱えなかったとき、解決策を提案してくれましたか?

補聴器の価格、補助金、コストパフォーマンス

補聴器の価格は5万円~130万円です。
高い補聴器と安い補聴器の価格の差は大きく、耳鼻科や補聴器専門店では5万円~50万円と様々です。両耳で買うと100万円を超える高額な補聴器もあるということです。もっと安いものを探せば、補聴器ではなく集音器という道具もあります。
補聴器は自動車と違い、人によっては毎日10時間以上利用されます。厚生労働省の定めている耐用年数は5年ですから、最高級の補聴器は一日使って700円です。

価格の安い集音器や、補聴器の価格による違いは、下記の記事をぜひ参考にしてください。

補聴器を購入するときには、補助金や医療費控除。

日本には介護保険や健康保険などの保険制度がありますが、残念ながらどちらも補聴器の購入の補助はありません。しかし「聴覚の身体障がい者手帳」をもっている方は、補聴器を購入するときに、補助金をもらうことが出来ます。近年は、身体障害者手帳が発行されない程度の軽い難聴であっても、自治体によって独自の補聴器購入の補助制度が作られつつあります。地域によって異なりますので、お住まいの地域の市役所の健康保険課や長寿福祉課などにご相談ください。
所得が一定以上あり、確定申告を行っている方の場合は、補聴器購入のお金を医療費として申請する「医療費控除」によって、払った税金が戻ってくる場合があります。(医療費として税務署に認められるためには、お医者様から診療情報提供書を発行してもらうなどの条件があります)
これらの制度を活用すれば、補聴器を購入する際の経済的な負担は軽くできるでしょう。

7、補聴器以外の難聴の解決策、安い集音器など

補聴器に数十万円も費やす心の準備ができていないと思われる場合は(問題もありますが)安価な代替品を検討してください。集音器や通信販売の補聴器、スマートフォンの補聴アプリなどです。

集音器

集音器は、一般的に補聴器よりも機能が少なく、これらの製品は難聴を補う道具としては販売できません。しかし「テレビだけ聞こえにくい」「電話だけ聞き取りやすくしたい」など、特定の状況だけに困っている難聴の人々のために、低価格で問題を解決できるかも知れません。
集音器を使っている人を対象にしたアンケートで、集音器に満足していたのは「高級集音器」を購入し、かつ「主にテレビを聞くときだけ利用する」と答えたグループでした。集音器を購入した人のほとんどは「屋外では使っていない」と答えました。
なお集音器は、特定の音を聞きたい人向けに設計されており、難聴者の難聴を補う装置として販売することはできません。これは法律および厚生労働省が定めた安全性などの基準をクリアしていないためです。集音器は安全性が確認されていないので、音量が大きすぎるなどの理由で、難聴が進む原因になる可能性があります。
集音器を使う際には、大きな音(消防車のサイレンなど)の近くでは使わないよう、十分に注意して下さい。

集音器については、下記の記事を参考にして下さい。

聴覚補助機能付き「イヤホン」

Apple社のAir Podsシリーズが最も有名ですが、近年、グローバル企業が聴覚補助機能付きのイヤホンを発売しています。これも日本の法律上の位置付けは、集音器と同じ、音響機器になります。
国産の集音器と異なるのは、世界でグローバルに活動するApple社などの大企業の製品は、WHO(世界保健機構)の定めるルールに従っていることです。
WHOは、イヤホンなどを使って大きな音を聞き続けることは、難聴を進行させるリスクを高めるとして、難聴進行予防を任務の一つとしています。そのためWHOがイヤホンに要求する基準はとても厳しく、近年発売されるグローバル企業のイヤホンは、最大音量が年々小さくなっています。
「安全だけど、とても軽い難聴をのぞけば音量不足で効果が期待できない可能性が高い」というのが、イヤホンについている聴覚補助機能の実態になるかと思います。

スマートフォンの「補聴アプリ」

非常に軽い難聴など、ほんの少しだけ補助が必要な場合は、補聴器や集音器に加えて、これからはスマートフォンの活用も選択肢です。「補聴アプリ」と呼ばれるアプリが、いくつかあります。このアプリをダウンロードして、スマートフォンに入れておきます。使うときには、スマートフォンにつないだイヤホンを耳に入れ、スマートフォンのマイクを聞きたい音や言葉の方向に向けて使います。非常に近い距離の会話なら、改善される可能性があります。スマートフォンアプリの最大のメリットは、スマートフォンのマイクを発言者の口元に向けて、距離も近づけられることです。これらのアプリを使う場合は、iPhoneの最新モデルなど、マイクの性能が高いスマートフォンを選ぶと、より良いでしょう。

その他の補助装置、テレビを聞くためのワイヤレスヘッドホンなど

イヤホンやヘッドホンで、テレビやその他のオーディオ機器の音を大きくして聴くことができるのはご存知のとおりです。電話、目覚まし時計、玄関チャイムなどの基本的な家庭用品の音量を大きくしたり、光の点滅や振動で知らせる装置もあります。難聴のご本人が補聴器を望んでいない場合、もし同居のご家族がテレビの音量などに困っているなら、これらの補助装置が家族の負担を減らしてくれる可能性があります。

参考文献

1.認知症と加齢性難聴―認知症予防対策における補聴器の役割― https://www.jstage.jst.go.jp/article/audiology/64/1/64_37/_pdf(2022年12月28日最終閲覧)
2.米国難聴者協会による州ごとの消費者保護法
https://www.hearingloss.org/wp-content/uploads/ConsumerProtectionLaws.pdf(2022年12月28日最終閲覧)
3.当科補聴器外来における比較試聴システムの試み https://www.jstage.jst.go.jp/article/audiology/57/3/57_181/_pdf(2022年12月28日最終閲覧)
4.JAPAN_Trak_2018_report.pdf http://www.hochouki.com/files/JAPAN_Trak_2018_report.pdf(2022年12月28日最終閲覧)
5.最高の補聴器プロバイダー|https://www.which.co.uk/reviews/hearing-aid-providers/article/best-hearing-aid-providers/best-hearing-aid-providers-overview-a0bwU2e7Kzyu(2022年12月27日最終閲覧、有料記事)


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補聴器専門店プロショップ大塚を運営する株式会社大塚の代表取締役。認定補聴器技能者、医療機器販売管理者。

たくさんの難聴の方々に、もっとも確実によく聞こえる方法をご提供することが私たちのミッションです。
監修においては、学術論文もしくは補聴器メーカーのホワイトペーパーなどを元にしたエビデンスのある情報発信を心がけています。

なお古いページについては執筆当時の聴覚医学や補聴工学を参考に記載しております。科学の進歩によって、現在は当てはまらない情報になっている可能性があります。

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