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補聴器が故障する原因とまちがった取り扱い

補聴器が故障する原因とまちがった取り扱い補聴器が故障する原因とまちがった取り扱い

補聴器を使っていると、いずれ故障することがあります。日々のお手入れによって、故障を予防することができるのですが、まずは間違った取り扱いをしないことが大切です。
この記事では「間違えて覚えてしまった、故障の原因になる”毎日”の取り扱い」をご紹介します。もちろん、正しい取り扱いもセットでご紹介します。

”毎日”の勘違いした取り扱いが原因で、補聴器が故障する事例

補聴器を使っていて「音が小さくなったから調整してほしい」「急に音が聞こえなくなって壊れた」とご来店になるお客様がいらっしゃいます。お話をよく伺うと、毎日の取り扱い方法を勘違いされており、間違った取り扱いが原因で故障しているということが、まれにあります。

補聴器から音の出る穴が、耳垢で詰まったままになっている

補聴器は精密機器ですから、汚れが故障の原因にもなります。「音が小さくなった」「電池を変えても音が出ない、故障した」とご来店された方の補聴器をみると、耳垢で汚れていることが多いです。中には「購入してから一度も補聴器の掃除をしたことがない」と言われる方もいらっしゃいます。

音の出るところが耳垢で蓋をされたようになり、音が聞こえなくなってしまう

耳垢とは、耳の入り口から鼓膜までの耳穴(外耳道)の皮膚の垢が剥がれ落ちて、耳の中に溜まったものです。特に耳垢が多い方や、湿った耳垢(飴耳)の方は、補聴器の音が出る部分に、耳垢を詰まらせてしまい音が出にくくなることがあります。

故障しないための、音が出る部分のお手入れ方法

補聴器のお手入れ方法は、種類や形状によって少し異なります。
ここでは、耳あな型補聴器の簡単なお手入れ方法をご紹介します。

耳あな型補聴器の簡単なお手入れ方法
耳あな型補聴器を乾いた布でふく様子

1)補聴器を使ったあと、乾いた布やティッシュで全体を拭く。

専用のブラシで音の出口にブラシをかける様子

2)専用のブラシで音の出口にブラシをかける。

たったこれだけです。
耳の中を綺麗に保つためにも、補聴器を故障から守るためにも、日々の補聴器のお掃除だけでなく、耳鼻科での定期的な耳垢のお掃除もお勧めします。

耳あな型補聴器の詳しいお手入れ方法についてはこちらをご覧ください。
耳あな型補聴器のメンテナンス方法、3種類

乾燥ケースを使っていない

補聴器の乾燥ケース

専門店で補聴器を購入すると、どのメーカーであっても必ず補聴器用の乾燥ケースがセットで付いてきます。
しかし「補聴器を乾燥ケースに入れない日がある」「そもそも乾燥ケースを使っていない」または「乾燥ケースを無くしてしまった」という方が、時々いらっしゃいます。

湿気で錆びると補聴器は故障します

補聴器は朝から晩まで身につけて使う道具なので、汗や汚れが補聴器に付着します。
補聴器にはマイクという音を聞き取る場所があり、その箇所は密閉されていません。電池を入れる開閉電池カバーもあり、こちらも密閉はされていません。

補聴器の電池を入れる開閉電池カバー

電池を入れる開閉電池カバー

汗や汚れをそのままにしておくと、マイクや電池カバーなどの隙間から汚れが染み込んでしまいます。補聴器に湿気が入り込むと、マイクやスピーカー(レシーバー)の金属部品や錆びたり、ゆがんだりして、音が小さくなってしまいます。時には音が突然止まってしまうこともあります。

耳かけ型(RICタイプ)の基本構造

画像はワイデックス社のホームページより引用


錆びてしまった補聴器のマイク部分

汗や汚れをそのままにしておくと、隙間から汚れが染み込んでしまいます。

故障しないための正しい乾燥ケースの使い方

補聴器の故障を予防するためには、しっかり乾燥することが重要です。
補聴器の乾燥ケースにはいくつか種類があります。大きく分けると、蓋のついたプラスチックの乾燥ケースと電動乾燥ケースの2種類があります。

プラスチックの乾燥ケース

プラスチックの乾燥ケースは、専用の詰め替え乾燥剤を使用します。ケースは軽く、電気を必要としないので、旅行にも便利です。

蓋のついたプラスチックの乾燥ケース

使い捨ての乾燥剤を入れます

乾燥剤不要の電動乾燥ケース

プラスチックの乾燥ケースも機能的ですが、お仕事などでよく汗をかく方やスポーツをする方へお勧めは、補聴器専用の電動乾燥ケースです。各メーカーとも仕様は異なりますが、どの電気乾燥機も取り扱いは簡単で、確実に補聴器を乾燥します。
ここではシグニア補聴器の電動乾燥ケースをご紹介します。

電気で動く電動乾燥ケース、「パーフェクトドライラックス」は、乾燥だけでなく紫外線照射装置を内臓しています。耳垢を食べる雑菌の繁殖も同時に防ぎます。シリカゲルなどの乾燥剤を定期的に交換をする必要もありません。コンセントにつないでおけば「いつでも」「簡単」「清潔」に補聴器を良い状態に保ってくれます。

詳しい記事はこちらをご覧ください。
補聴器を汗から守る!電動乾燥ケース、パーフェクトドライラックス!

ここがポイント!

乾燥ケースは、湿気を取り除いてくれる大切なお手入れ用具です。一日の終わりには、補聴器専用の乾燥ケースに入れてしっかり乾燥しましょう。

乾燥ケースの専用乾燥剤を交換していない

補聴器の乾燥ケースには専用の乾燥剤が使われます。この乾燥剤は、定期的に交換する必要があるものです。
お客様に乾燥ケースの取り扱いをうかがうと「毎日、乾燥ケースに入れているけど、乾燥剤を交換したことはない」という方がいらっしゃいます。乾燥剤の交換について説明すると「いつ替えるの?」や「えっ?取り替えるの?今まで替えたことがない」と驚かれる方がいらっしゃいます。
稀に補聴器用の乾燥剤を使わずに、お菓子の袋に入っていた乾燥剤を使ってしまう方もいらっしゃいます。

効き目が切れた乾燥剤は、効果がありません。

先にもお伝えしたように、精密機器である補聴器は、汗や湿気で故障します。効き目が切れた乾燥剤には、湿気を吸い取る効果がありません。
乾燥剤を交換するペースは、乾燥剤の種類や季節によりますが、1ヶ月〜3ヶ月前後です。
乾燥ケースにすき間がある様子
補聴器ケースは、ふたをしっかり閉めましょう。緩いと乾燥しません。

乾燥ケースのフタをしっかり閉める様子

大事なのは乾燥剤の種類と交換のタイミング

乾燥剤にはいくつか種類があります。最適な乾燥剤は、補聴器の形状などによって変わります。なお乾燥剤を開封した後の有効期限は、空気の乾燥具合で、大きく変わります。梅雨時は短く、冬は長くなります。
乾燥剤の交換を忘れないようにお気を付けください。

代表的な乾燥剤の種類、それぞれの交換時期、有効期間をご紹介します。

標準のシリカゲル乾燥剤

ワイデックスシリカゲル

使える補聴器:ほぼすべての補聴器
商品名:詰め替え用乾燥剤 シリカゲル(162円 税込)
交換時:水色の粒がピンク色に変わってきた時
有効期間:1~3か月

乾燥剤の色の変化

青色の粒がピンクに変わったら取り替えましょう

標準のシリカゲル乾燥剤
シグニア補聴器シリカゲル

画像はシグニア補聴器ホームページより引用

使える補聴器:シグニア補聴器のすべての補聴器
商品名:詰め替え用シリカゲル 2個入り(1,000円 税抜)
交換時:オレンジ色が白くなってきた時
有効期間:1~3ヶ月

フォナック補聴器の充電式用乾燥剤

フォナック補聴器乾燥剤

充電器用ケース専用の乾燥剤


フォナックB-Rのケース

充電ケースに、乾燥剤がいれられるようになっています

使える補聴器:フォナック補聴器の充電式用
商品名:ドライカプセル(960円 税抜
交換時:オレンジ色が白くなってきた時
有効期間:未開封:特に期限なし、開封後:1ヶ月

除菌・脱臭効果もある乾燥剤
クイックエイド

画像はIDEX株式会社のホームページより引用

使える補聴器:ほぼすべての補聴器
商品名:クイックエイド(590円 税抜)
交換時:湿度検知紙の色が青色からピンクになってきた時
有効期間:未開封:1年半、開封後:2ヶ月

乾燥剤の交換を忘れないために

乾燥剤を交換する時期を忘れないように、乾燥剤を交換したら、新しい乾燥剤に交換した日と次回の交換予定日、両方を書いておきましょう。(片方しか書かないと、使用期間が分からなくなります)

乾燥剤の交換時期を書いた乾燥ケース

交換した日付と次回交換予定日を書けば忘れません


ここがポイント!

適切な乾燥剤を適時に使用すれば、補聴器を湿気や錆から守り、故障の予防になります。故障したときの修理代と比べれば、乾燥剤を定期的に交換した方が断然お得です。

補聴器用電池を乾燥ケースに入れるのはNG

補聴器を乾燥ケースに入れる際に、使用中の電池を一緒に入れてしまう方がいらっしゃいます。補聴器用の電池は、電池カバーから外して、乾燥ケースの外に置くのが正しい取り扱いです。
「電池がすぐ無くなってしまう。故障じゃないのか」とおっしゃるお客様のお手入れ方法を伺うと、乾燥ケースの中に補聴器の電池を入れている方が少なくありません。乾燥ケースに電池を入れてしまう方にお話を伺うと「いちいち電池を外すのは面倒くさい」とのこと。
補聴器の電池を外さず、補聴器と一緒に乾燥ケースに入れると、どうなってしまうでしょう。

補聴器の電池を乾燥ケースに入れると、電池の減りが早くなります

乾燥ケースに補聴器用電池を入れると、電池の寿命が短くなります。これは補聴器の電池が、一般的な乾電池と構造が違うためです。

補聴器電池

補聴器の電池には極小の穴が開いています

補聴器の一般的な電池は、空気亜鉛電池と呼ばれる補聴器専用の電池です。目に見えない極小の穴が開いています。この穴を通じて、空気と化学反応を起こすことで、電気を生み出しているのです。
そのため補聴器用電池の周りの空気が乾燥していると、化学反応が過剰に早く進み、電池が切れるのも早くなります。電池が切れれば補聴器が止まるので、音も出なくなります。

補聴器電池

新しい電池はシールをはがして使います

補聴器用電池を長持ちさせる正しい取り扱い

補聴器を乾燥ケースに入れる際には、補聴器用の電池を補聴器から外します。電池は乾燥ケースに入れません。このようにすれば補聴器用電池の過剰な乾燥を防ぎ、補聴器の電池を長持ちさせることができます。

補聴器を乾燥ケースに入れる様子

電池は乾燥ケースの外で保管しましょう

乾燥ケースのフタが磁石になっていれば、発電するプラス面(+)平らな方を磁石に向けて置くようにしましょう。電池の消耗を最小限に押さえることができます。

※ちょっとだけ注意事項
封を切った補聴器用電池は、極小の穴をシールなどでふさぐのはやめておきましょう。シールで穴をふさいだ際に、接着剤が穴に付着すると、電池が正常に動作しなくなります。

補聴器は「正しい取り扱い」が大切

補聴器は、毎日身に着けて使うものです。そのため、お手入れが大切です。しかし慣れてくると次第に取り扱いが自己流・簡潔になりがちです。「間違った取り扱い」を覚えてしまうと、不具合が起こりやすくなります。

補聴器の不具合を予防するために、購入後は定期的に販売店へ行って、補聴器の状態と取り扱いをチェックしてもらいましょう。

補聴器のメンテナンスは、もちろん補聴器店でも行いますが、お客様ご自身が補聴器を正しく取り扱うことで良い状態を長期に保つことができます。
本記事が、皆様の補聴器の正しい取り扱い、そして補聴器を良い状態で使っていただく助けになれば幸いです。


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私が書きました

松原浩子 写真

松原 浩子

カナダの州立大学大学院音楽療法学科修士課程修了。10年間カナダ認定音楽療法士として乳幼児から高齢者までを対象とした、心身の発達、社会性やコミュニケーション能力の向上に携わる。音楽療法を通して難聴と補聴器に興味を持ち、2018年にプロショップ大塚に入社。店舗でのお客様の声と論文等の根拠に基づいた資料を基に「納得と安心の聞こえ」「楽しい生活」につながる情報をお届けいたします。

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