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耳が遠い方に通じやすい話し方のコツ

補聴器専門店の私たちが実践している話し方です

耳が遠い方に通じやすい話し方のコツ耳が遠い方に通じやすい話し方のコツ

耳が遠い友人や家族、同僚に話しかけるとき、普通に話したら返事が返ってこない。大きな声を出すのに疲れてしまう。人前で大きな声を出して話すのは恥ずかしい。そんな時は、話し方の工夫で、耳が遠い人に言葉を届かせるコツがあります。

このコツを実践していただければ、中程度の難聴までなら補聴器無しでもある程度まで会話できる可能性があります。
実は大きな声を出すと、相手が話を聞く気が無くなるなどのデメリットもありえるのです。
私たち補聴器の専門家も、補聴器未経験のお客様とお話しするときは、実際にこのコツを使ってお話しさせてもらっています。

ご家族や身近な方の難聴に悩んでいる方へ。私たちにご相談ください。

それでは一つずつ見ていきましょう。

視線のコツは、相手の顔を見て、視線をもらうこと。

相手の顔を見る効果

人と話をするときに相手の顔を見てお話しするのは、幼稚園でも習う当たり前のマナーですが、これは耳の遠い人にとって、とても助かることです。顔を見て話してくれると、声がまっすぐ飛んできます。またあなたの口の動きが、よく見えると、相手は無意識に口の動きを読んで、言葉を推測することができます。
まずはしっかり意識して、相手の顔を見て、顔を見たまま話しましょう。

視線をもらうことの効果

次の工夫は、相手の視線をこちらに向けてもらうことです。人間は、目で見ているものに対して、無意識に集中力が高まります。逆に、視線を向けていないものに、集中することは困難なのです。

視線を向けた時と向けていないときの差。向けた時のほうが会話に集中しやすい

耳が遠い方にとって、人の言葉を聞き分けることは、集中が必要な難しい作業です。その負担を減らすために、視線をこちらに向けてもらいましょう。

視線を向けてもらうには、名前を呼んだり、肩を叩くなどして、あなたの話に興味をもってもらいましょう。

速さは、ゆっくり。とにかく、ゆっくり。そして区切って話す。

家庭内での何気ない会話では、難しいことですが、常にゆっくり話しましょう。

なぜ、ゆっくり話すことが必要なの?

そもそも、ゆっくり話すと分かりやすいのは何故でしょうか?

耳が遠くなった方の多くは、感音性難聴という状態になっていることが多いです。この難聴では、音が小さく聞こえるだけでなく、音を言葉として識別する能力が低下してしまいます。
この状態を、イラストで表すと図のようになっていると言われています。

音を言葉として識別する能力が低下した状態を示したイラスト

感音性難聴の方が、言葉を理解するときには「穴の空いた文章の隙間を推測・想像しながら、話を聞く」という作業が必要になってしまうのです。

これに対し、話しかける人にできる工夫が、一瞬考える時間を与えてあげること。そのために、ゆっくり話すこと。そして区切って話すことが有効です。

・・・もしかしたら、めんどくさいと思われたかも知れません。

でも、いつものスピードで、同じ内容を何度も話すより、いつもの半分のスピードで、ゆっくりと1回だけ話した方が、確実に伝わりやすくなりますし、時間もかかりません。
時間がかからなければ、お互いにストレスになることも少なくなります。ぜひ試してみてください。

話し方の習慣を変えるコツは、口の動かし方

ここまで、口を見せる効果と、ゆっくり話す効果などについてご紹介しました。心優しい読者のあなたが「よし!これからは顔を見て、口を見せて、ゆっくり話そう!」と心に誓っても、普段の話し方は簡単に変わりません。習慣を変えるには、もう一つ工夫が必要です。

話し方の習慣を変えるヒントが、口の動かし方です。

口は、極端なほど、大きく動かす!

ゆっくり話そうと思うと 「どれくらいのスピードがちょうどいいのかな?」 「区切るタイミングはどこだろう?」 などと迷ってしまいます。迷うことがあると、人間、めんどくさくなってしまいます。

そこで発想を変えて、口を極端にはっきり動かすことを目標にしてみましょう。 まずは、ゆっくりと限界まで極端に口を動かして「あ、い、う、え、お」としゃべってみましょう。

口の動かし方の例

耳が遠い人と話すときには、これと同じくらい、言葉の一言一言で、口を極端に大きく動かしましょう。

話し方以外にも、ご家族や身近な方が知っているとご本人の助けになることがあります。

まとめ:顔を見て、ゆっくり、大きな声より大きな口が大切。

大きな声で話すと体力を使いますし、息が続かないので無意識に早く話してしまいます。また息が続かないと顔が怖くなって、例えば認知症の高齢者と話すときには良いこととは言えません。笑顔で、かつ大きな声で、コツを実践できれば理想的ですが、舞台俳優のような発声練習が必要。現実的ではありません。

大きな口で、はっきり動かしていただければ、ゆっくり話せますし、滑舌も良くなり、ちょうどいい大きさの声が、自然と出てきます。お耳の遠い人とお話しするときは、ぜひ大きな口で話してあげてください。

そして、もし耳の遠い人とのお話しに、負担を感じるようになったら、ぜひプロショップ大塚にご相談ください。ご本人以外の方からのご相談も、いつでも受け付けています。

※ご本人が補聴器を希望されていない場合は、最初にご家族様だけでの相談をおすすめしています。遠慮なく、なんでもおっしゃってください。


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この記事は
私が書きました

大塚祥仁 写真

大塚 祥仁
【認定補聴器技能者】

2006年から補聴器の仕事を始めました。もっとも確実に、よく聞こえる方法をご提供することが、私のミッションです。皆様の耳に合った補聴器をお届けするため、毎日毎日、聴覚医学の論文を読み、デンマークやドイツの研究機関と連絡を取り、時には欧州へ勉強に行き、海外から研究者を招き勉強会を開催し、国内の社会人大学院へ通い修士号まで取ってしまいました。本Webページでは、補聴器と難聴について、確かな情報や最新の情報をお届けしていきます。ご相談の方は、お気軽にご連絡ください。

保有資格:認定補聴器技能者、医療機器販売管理者

★ Twitter はじめました。耳の話を真面目に書いてます! : @mimi_otsuka

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