難聴に種類ってあるの?難聴の基本


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難聴の種類により症状や困りごとは変わります

難聴に種類ってあるの?難聴の基本

音や言葉が聞こえにくくなる難聴には、3つの種類があります。
感音性難聴、伝音性難聴、混合性難聴の3種類です。それぞれ症状、自覚、困りごと、対策が異なってきます。難聴の種類によっては、病院の治療で聴力が改善します。逆に聴力が改善しない種類の難聴もあります。

3つの難聴を一つ一つ見ていきましょう。

  • 感音性難聴は、耳の奥の方にダメージ。治療が難しい。
  • 伝音性難聴は、耳の入り口にダメージ。治療で治る場合がある。
  • 混合性難聴は、耳の奥の方と入り口の両方の場所にダメージ。

難聴の原因となる疾患
高齢者の半分以上が該当!?感音性難聴って?

感音性難聴は、耳の奥の部分(内耳)に損傷が起こり、音や言葉が聞こえにくくなる難聴です。下の画像の「蝸牛」や「聴覚神経」のどちらか、または両方にダメージがあります。蝸牛や聴覚神経など、耳の奥にある器官をまとめて「内耳」と呼びます。

※画像はWikipediaを参考に当社作成

 

なお医師によっては脳のダメージによって聞こえにくくなった場合も、感音性難聴に分類する場合があります。たとえば脳梗塞の後遺症などです。これは人間が音や言葉を認識するためには、耳だけでなく脳も正常に機能していることが必要なためです。

感音性難聴はどんな症状?病気?老化?

感音性難聴の原因

感音性難聴は細かく分類すると、発症する原因によって、さらに細かく分かれます。加齢による加齢性難聴(老人性難聴ともいいます)、生まれつきの先天性難聴、めまいを伴うメニエール病による難聴、原因不明の突発性難聴、何年もうるさい環境で仕事・生活してきた場合の騒音性難聴、ライブ会場などで大音量を聞いたために起こる一時的な音響外傷などがあります。

感音性難聴で最も多いのは、加齢性の難聴です。60歳~69歳で20%、70歳以上では50%が難聴になるといわれています。

※難聴の原因となる病気については、こちらに詳しい記事を書きました。ご覧ください。
難聴の症状と対策、病気や怪我が原因の難聴

感音性難聴の症状、困りごと

感音性難聴の症状は、原因によって異なります。音や言葉が聞こえにくだけでなく、耳鳴りが聞こえてしまうケース、その他にめまいが起こるケースもあります。最近の研究では加齢性難聴は、認知症を発症・加速させる危険因子になることが、ハッキリわかってきました。こういった症状は、もちろん問題なのですが、ここでは聞こえに関連する困りごとをご紹介します。

人前でのマナー、あなたの声の大きさについて

感音性難聴になると、人の声が聞こえにくいだけではありません。自分自身の声も聞こえにくくなり、適切な声の大きさが分からなくなります。家族でショッピングに出かけた際に周りの方に、話し声がすべて聞こえる大声になってしまったり、葬儀や友人のお見舞いなど、静かにしなければいけない場面でも、大きな声で話してしまったりします。

電車やバスの中で、大声で話している人を見かけて、イライラしたり、迷惑に感じることは誰でもあります。難聴を放置していると、いつの間にか、難聴のご本人がマナーを守れなくなってしまうことがあります。

※ご家族の方が、難聴者のためにできることについては、こちらの記事をどうぞ。
耳が遠い方に通じる話し方、3つのコツ
難聴者のご家族様に理解していただきたい 4つのこと

家族・友人の話を「無視」してしまう

感音性難聴、中でもお年とともに進行する加齢性難聴は、高齢になってから発症するため、自覚症状がないことが少なくありません。難聴の自覚がないまま過ごしていると、ある日、急に友人や家族から「なんで返事してくれないの?」「なんで無視するの?」などと指摘されてしまうことがあります。

ご本人にとっては自覚がないため、いったい何のことか分かりませんが「声をかけられて、気づくことができなかった」「話しかけられていたのに、返事をしなかった」ことがあったということです。

ご本人に無視したつもりがなくても、ご家族・ご友人にとって「無視された」ということが続くと、人間関係が疎遠になってしまいます。

仕事の自信がなくなってしまう

お仕事やボランティア活動などを続けている方は難聴が始まっても、すぐに気付くようです。打合せや会議またはお客様の対応など、相手の話をしっかり理解して返事をしなければいけない場面が数多くあるからです。こういった大切な場面で、相手の話が分からないことが続き、自信がなくなってしまう方は、少なくありません。真剣な場面で、相手の言葉をハッキリ聞き取ることが出来ないために仕事から引退してしまう方もいらっしゃいます。

感音性難聴の治療は可能なの?

感音性難聴の聴力は、治療で改善することは難しいと言われています。基本的に、感音性難聴の方は、めまい、耳鳴りなどの難聴以外の症状がなければ、補聴器で聞こえを改善していくことが一般的です。

感音性難聴の方が、初めて補聴器を使う場合、購入前にしっかり試聴してから購入することがおすすめです。めまい、耳鳴りなどの症状がある場合は、補聴器の前に、まず耳鼻咽喉科でしっかり治療しましょう。

なぜ難聴になるの?何歳から難聴になるの?

感音性難聴で、もっとも多いのはお年とともに聞こえにくくなる加齢性難聴です。「孫の声が聞き取れない・・・」「テレビの音がうるさいって家族に注意されてしまう・・・」といったことで困っている方は、60歳代で20%、70歳以上では50%もいます。超高齢化社会の日本では、難聴は老眼と並んで、一般的なことになってきました。

※なお加齢性難聴と老人性難聴は、同じ意味です。昔は医学の教科書でも、老人性難聴と説明されていましたが、2000年頃から加齢性難聴と呼ばれるようになりました。

加齢性難聴については研究が進んでおり、耳の中のどの部分にダメージがあるかというのは分かってきました。最も有力な説では「内耳の蝸牛の中にある有毛細胞という特殊な感覚細胞が減少することが、加齢性難聴の原因」とされています。

※画像はワイデックス社資料より引用

 

この有毛細胞は、いわば音のセンサーとしての役割を果たしています。この細胞は一度ダメージを受けると、再生しないので、現在のところ治療で治すことはできません。

※実は2007年の時点で、マウスを使って有毛細胞の治療に成功した研究があります。現在でも、人間のための治療方法が確立されたわけではありませんが、研究の進歩に期待しましょう。厚生労働省科学研究成果データベース「感音難聴に対する内耳薬物投与システム臨床応用に関する研究」

加齢性難聴は予防できるの?補聴器で難聴が進む?

「加齢性難聴の進行を抑えたり、予防することってできないの?」「補聴器を使うと、もっと耳が衰えてしまわないか?」というご質問をいただくことがたくさんあります。

加齢性難聴は予防できるの?予防できないの?

加齢性難聴を治療するのが難しいなら、予防することはできないのでしょうか?
実は補聴器を毎日使っている加齢性難聴の方は、補聴器を使わない難聴者と比べて、難聴進行のスピードがゆるやかであるという研究(※参考論文「補聴器装用耳と非装用耳における純音聴力レベルと語音弁別能の経時変化」)があります。

この研究による予防効果の信頼性については、研究者の間でも意見が分かれています。しかし、ほとんどの専門家は、補聴器は早めに使うほうが良いと考えています。それは「加齢性難聴の治療方法がない現代では、予防の可能性があるなら、予防した方が良い」からです。

補聴器による難聴予防の他に、民間療法として下記のものがあります。

  • ビタミンB12が神経細胞の栄養になり、難聴を予防する
  • 蜂の子サプリやローヤルゼリーが、難聴に効果がある
  • 耳の後ろの柔らかい部分を、毎日マッサージすることで血行が改善し、難聴に効果がある
  • 整体などにより、首の筋肉が柔らかくなると、血行が改善し、難聴に効果がある
  • 十分に睡眠をとることで、ストレスが減り、血行や神経の働きが良くなる。

これらは医学的に効果が認められているわけではありませんが、健康促進という意味では適切な栄養、適度な運動、ストレスの減少、血行の改善、十分な睡眠などは大切です。逆に言えば、栄養不足、運動不足、過剰なストレス、睡眠不足などは、耳にもよくありません。健康・健全な生活を送ることは、難聴の予防にもよいと言えるでしょう。

※難聴を出来る限り予防する方法について、記事を書きました。こちらもご覧ください。
難聴の原因と、難聴を予防する4つの方法

適切な補聴器を使って、難聴が進行することはありません。

補聴器専門店または耳鼻咽喉科で、聴力検査を受けたうえで、試聴・購入する補聴器を使って、それが原因で難聴が進行することはありません。ただし補聴器を使っても使わなくても関係なく、加齢性の症状ですから、お年とともに聴力が低下することはあります。

なお通信販売で売られている補聴器や集音器を使った場合は、難聴が進行してしまう可能性があります。これは大音量が出すぎる機器を使った場合です。大きすぎる音を聞くことによる騒音性難聴の原因になる可能性があります。すでに通販で補聴器、集音器を買っている方は「この音、大きすぎるかな」と思った場合には、その機械を使わないことをおすすめします。

独立行政法人 国民生活センター(消費生活センターの上部組織)でも、通販の補聴器は一部に危険があるため、2007年から一貫して「難聴者は、集音器等を使用しないようにしよう」と、通販の集音器を買わないことを推奨しています。

※参考、通信販売の補聴器等の安全性や補聴効果-販売サービスに関する調査も含めて(発表情報)国民生活センター http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20070906_1.html

補聴器専門店または耳鼻咽喉科では、補聴器の音量を、必要十分かつ大きすぎない音量に調整し、安全な補聴器のみ提供しています。

難聴は、どこまで進む?言葉も分からなくなる?

感音性難聴を、より細かく分けていくと、加齢性難聴、メニエール病、突発性難聴、生まれつきの先天性難聴など、数多くの難聴に分かれていきます。これらの難聴の70%程度に共通しているのが、音だけでなく言葉が分かりにくくなる症状です。これは十分大きな声で話しかけられても、言葉が理解できないということです。

実は私たち人間が音や言葉を感じて理解するのは、耳だけではなく脳の働きです。普段、私たちは耳で音を聞いていると思っていますが、実際は脳で音を聞いているのです。外から入ってくる音は、耳の奥にある内耳で電気信号に変換し、脳に伝えているのです。

脳は外部からの刺激が入ってくることで適切に機能します。刺激が入ってこない脳は、少しずつ衰えてしまいます。耳が正常なら、適切な刺激が脳まで届きますが、感音性難聴では音の刺激が脳まで届きにくくなります。この結果、刺激が入ってこない脳は、徐々に機能しづらくなり、難聴が始まってから数年程度、経過すると少しずつ言葉が分かりにくくなると考えられています。

※画像はワイデックス社資料より引用

 

補聴器を毎日使っている感音性難聴の方は、難聴の進行を抑えられる可能性があります。これは難聴の方でも補聴器を使えば、十分な刺激が脳に届くために、脳の機能が衰えにくいためと考えられています。

感音性難聴かなと思ったら、どうすればいい?

まず一度は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。加齢による感音性難聴は治療できませんが、病気による感音性難聴であれば治療により改善できる場合もあります。特に、急に聞こえなくなった場合の難聴は、治療で治る可能性が高いです。

加齢による難聴では、ほとんどの場合、補聴器の装用によって、聞こえを改善していくことになります。なお病院があまり好きでない方は、耳鼻咽喉科を受診される前にプロショップ大塚へご相談いただいても大丈夫です。プロショップ大塚では、無料で詳細に聴力を検査させていただきます。この検査で、治療で治る可能性が見つかった場合は、耳鼻咽喉科をご紹介させていただきます。

中耳炎が原因の難聴!?伝音性難聴って?

伝音性難聴は、耳の入口から中くらいの深さまでのどこかに損傷が起きて、音がうまく耳の奥(内耳)に伝わらない難聴です。下の図の「外耳道」「鼓膜」「中耳腔」「耳小骨」のどれか一つ以上にダメージがあります。

※画像はWikipediaを参考に当社作成

外耳道と鼓膜の外側までを合わせて「外耳」と呼び、鼓膜の内側から耳小骨、中耳腔、耳小骨をまとめて「中耳」と呼びます。このタイプの難聴は、感音性難聴と比べて、治療で改善する可能性が高いです。

伝音性難聴はどんな症状?病気?ケガ?

伝音性難聴は、病気やケガそして老化など、色々なことが原因で発生します。感音性難聴と比べて、治療で治る可能性が高いのが特徴です。

伝音性難聴になってしまう原因は、鼓膜がやぶれたなどのケガ、加齢による鼓膜の変化、風邪による炎症が耳まで広がった時、先天的な耳の形の奇形、後天的な耳の形の変化(柔道やレスリングなど)、あらゆる種類の中耳炎(真珠腫性中耳炎、航空性中耳炎、急性中耳炎、滲出性中耳炎、慢性中耳炎)、耳硬化症という病気などがあります。

伝音性難聴は治療することで聴力が回復する可能性があるため、まず耳鼻科を受診することをおすすめします。

伝音性難聴の症状

音が聞こえにくくなります。感音性難聴では音だけでなく言葉を聞き取る能力まで低下することがありましたが、伝音性難聴では言葉を理解する能力が低下することは、ほぼありません。中耳炎が原因の場合は、炎症による痛みが同時に発生することがあります。慢性滲出性中耳炎の場合、炎症による浸出液が聞こえを邪魔しています。浸出液の量が増減することで、聴力が変化します。

耳硬化症の場合、数日程度で聴力が変化することはありません。しかし症状が徐々に進行しますので、数か月から数年程度の期間では、徐々に聴力が低下します。

鼓膜のケガが原因の伝音性難聴では、鼓膜の状態が変化しなければ、聴力も変わりません。

すべての伝音性難聴に共通していることですが、初期には軽いめまいを感じる方がいます。多くの伝音性難聴は、片耳のどちらかだけ聞こえにくくなります。この時、音の左右のバランスが変わってしまうことで、音の方向感覚が狂うことにともない、平衡感覚も少し変わって感じるためと考えられます。伝音性難聴の状態に長年慣れている方で、日常的にめまいを感じる方は、あまりいません。

伝音性難聴かなと思ったら

まずは耳鼻咽喉科で早めに受診をしましょう。治療により改善できることが多いです。治療で回復しない伝音性難聴は、中耳炎の後遺症などがあります。また耳硬化症や真珠腫性中耳炎という病気の治療には、入院をともなう手術が必要です。緊急で治療する必要がない方の場合「しばらくは補聴器を使って、聞こえを改善して、時間が取れる時期に手術を受ける」という方もいます。

伝音性難聴は、比較的、簡単によく聞こえる。

多くの伝音性難聴の方は、内耳という重要器官にダメージがありません。そのため安い補聴器で、すぐ簡単に、よく聞こえる方が多いです。

混合性難聴は、感音性難聴と伝音性難聴の両方

混合性難聴は、感音性難聴と伝音性難聴の両方が発症している状態です。耳の中の広い範囲にダメージがあるという意味です。ただし、これは難聴の重さとは直接関係ありません。混合性難聴だから、重篤な難聴という意味ではありません。

軽い感音性難聴と、軽い伝音性難聴を両方発症しても、重度な混合性難聴にはなりません。中程度の混合性難聴になります。伝音性難聴を患っていなくても、重度な感音性難聴の方はいらっしゃいますし、その逆もあります。

混合性難聴になる人は、どんな人?

混合性難聴は、音を伝える部分(外耳と中耳)がダメージを受けた伝音性難聴と、音を感じる部分(内耳)がダメージを受けた感音性難聴の両方を併せ持つ難聴です。

若い人で、混合性難聴になる方はあまり多くありませんが、高齢者には意外と多くいらっしゃいます。これは高齢者の若いころ、医療が発達しておらず、中耳炎の治療を受けることが難しかったためです。

若い頃に中耳炎や鼓膜のケガが原因で伝音性難聴になり治療を受けられなかった方が、年を取って加齢性難聴(感音性難聴)も患うと、混合性難聴になります。現在80歳程度の方が子供のころというのは戦時中です。病院にかかることが難しく、中耳炎の治療が受けられなかった方も少なくありません。こういった方は、若いころの中耳炎の後遺症と、加齢による難聴の両方が、難聴の原因になっています。そのため若いころに中耳炎を患ったり、鼓膜にケガをした高齢者は、他の人より少しだけ早く補聴器を始めることがあります。

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この記事は
私が書きました

宮﨑 絢子

この記事は宮﨑絢子が書きました

補聴器専門店プロショップ大塚・浜松幸店所属。2才のころから慢性中耳炎を患い、難聴と補聴器に興味を持ち、2017年6月にプロショップ大塚に入社しました。聴覚医学に関する論文や、厚生労働省の資料などをもとに、可能な限り正確な情報を皆様にお届けします。経験の少ない未熟者ですが、皆さまにわかりやすい記事を心がけています。少しでも、あなたのお役に立つ情報がお届けできればうれしいです。

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