社員インタビュー
中途入社 言語聴覚士
言語聴覚士として
1から10まで
介入できる職場
YUI
大塚補聴器 東京エリア
技術支援チーム兼任
言語聴覚士
2023年中途入社
国際医療福祉大学卒
YUI
大塚補聴器 東京エリア
技術支援チーム兼任
言語聴覚士
2023年中途入社
国際医療福祉大学卒
耳鼻科から「補聴器店」を目指した就職活動
-
医療機関での職務経験がおありですが、どのような業務を担当していましたか?
-
最初に入職したのは総合病院の耳鼻科で、メインは聴覚領域でした。業務は聴力検査が多く、補聴器外来のフォローや人工内耳の調整などを担当させてもらいました。ただ総合病院だったので脳機能に障害を持つ患者様と関わることもあったんです。そのときリハビリや評価などが全然できなくて悔しくて。
当時の自分は聴覚のことは大体わかったから、別の成人領域にいって新しく勉強してみたいなという気持ちもあったので、新卒入職から3年目にリハビリ病院に転職しました。
2つ目の病院では、脳出血や脳梗塞で障害が出てしまった人のリハビリを主に担当しました。思い描いていた成人領域のリハビリに関わらせてもらえたのですが、やっぱり聴覚は楽しかったな、戻りたいなという気持ちが芽生えてしまって、聴覚領域に戻る決断をしました。
ドクターだけが患者さんに感謝される職場は悲しかった
-
補聴器店に転職しようと思うにいたった背景や転職を考え始めたきっかけはどんなところでしたか?
-
医療機関だと言語聴覚士は常にドクターの管理監督・指示のもとで働きますし、これは当然のことです。
ただ、ご家族に病状の説明をしたり、退院のときの説明では、担当しているドクターが基本的には説明します。このとき、どうしても一番感謝されるのはドクターなんです。たとえばリハビリ病院なら、リハビリ計画を頑張って考えてリハビリも頑張って、時には患者さんから暴言をはかれることもあって、それでも毎日毎日頑張ってるのに。でも(ドクターが退院の時に診察すると)「本当に毎日お世話になりました」とか「ここまで良くなったのは先生のおかげです」とか、言ってもらえるのはドクターなんです。
補聴器外来なら検査してカウンセリングして、患者さんの不満を聞いて、聴覚リハビリの進め方を補聴器技能者さんと一緒に考えて、患者さんは「聞こえが改善して、良かった。補聴器を買います」と言ってくれるんですけど、これを言ってもらえるのはやっぱりドクターで、患者さんは「本当に先生のおかげです」というんですね。
「ありがとう」と言われたくてやっているわけではないけど、全部そっち(ドクター)に行っちゃうのが悲しかった。
言語聴覚士として患者さんに1から10まで一括で関わりたい
病院では役割分担やシフトが決まっているので、それまで自分が一切かかわっていなかった患者さんを、ある日たまたま担当することも(総合病院では)よくありました。
それまでの経緯をカルテでしか知らない患者さんが、自分が知らないうちに何かいい方向になっていて、なぜか喜ばれて、感謝されることがあったり。そこだと「そうなんですね。よかったです」となりますけど、内心ではどうしても他人事になってしまいます。
専門家としては良くないのかも知れませんが、自分が全部1から10まで関わって、経過を見てきた患者さんの方が思い入れもありますし、笑顔で退院されたときは私も嬉しかったです。
病院でも、こういうやりがいを感じられる場面はもちろん合ったのですが、同時に自分が全部の患者さんで1から10まで関わって経過を見るというのは難しいな、とも感じていました。
就職先に求めたポイント
-
それでは話をまとめると、転職活動で職場に求めていたことはなんでしょうか?
-
◯ 聴覚領域の仕事ができる
◯ 患者さんに1から10まで関われる
◯ 自分の介入に患者さんやご家族からのフィードバックがもらえる
という3つになると思います。この気持ちは一回目の転職の時点でも思っていたんですけど、その時はSTの資格をせっかく持っているのに、何かもったいない気がしてしまって。
「STといえばやっぱり病院でしょ」というのが知人友人家族の大多数でしたから、やっぱり病院で働かないともったいないのかな?と当時は思っていました。二回目の転職のときに改めてしっかり考えて、就職の方針をガラッと変えました。
-
3つが満たされれば民間企業か病院かというこだわりはなかったのですか?
-
こだわりはありませんでしたが、病院を2つ経験したことから、医療機関だと3つのポイントをすべて満たすのは難しいだろうと感じていたので、補聴器店を中心に転職先を探しました。
-
転職活動では、なにか具体的な条件を設定したり、もしくは求人情報(採用サイトや募集情報)のどこを見ていたかなどがあったら教えて下さい。
-
具体的な条件はあまり無くて「残業が無かったら嬉しいな」とか。「転勤なしで東京にずっといられるなら嬉しいな」とか。そういうところで見ていました。
あとは入ってみないと分からないと思っていましたが、売上重視じゃないか?というのは見ていました。売上はもちろん大事なんですけど、騙してはなくても「それで(補聴器を)売っちゃって本当にいいの?」というようなことがないか。
-
「それで(補聴器を)売っちゃっていいの?」とはどういう意味でしょう?
-
耳鼻科に勤務している言語聴覚士はおそらくみんな思っているはずなんですけど、最初は販売店をあまり信用できなかったんです。耳鼻科に勤務していると、補聴器をつけてもよく聞こえない患者さんがたくさんいらっしゃるんです。
(補聴器の効果を確かめる検査をしてみると)聴力に対して全然音が入っていない。それなのに患者さんからお話を聞くと、金額も高い補聴器を買わされている患者さんが多くて。なんでこんなことが起きてしまうのか疑問を抱いていました。自分が就職するなら、ちゃんとお客さんの聞こえが改善されるか?というお客さん重視でやっている補聴器店がいいなー、と思っていました。実際、そういう視点で転職先を探しましたが、組織の中のことは入ってみなければ分からないと思っていました。もし売上重視の補聴器店しか無かったら、自分が頑張って変えていければいいなー、とも思っていました。
-
良い聞こえを提供できる職場を希望していたわけですね?どうやって探したんでしょう?
-
どうやって探したらいいかは正直全然分からなくて、とりあえずエージェント会社さんに登録して、補聴器店をいくつか紹介していただきました。実際に応募する前にWebサイトや採用サイトを見て、それぞれ調べてみたんです。
特に大塚補聴器に応募しようと思う決め手になったのは代表のTwitter(当時)です。
補聴器のことや聴覚のことについて、すっごくたくさんツイートされていて、こんなに知識が豊富で聴覚に対して真面目に向き合っていました。「え、私がやってきたことってなんだったの?全然違うじゃん」と思うようになりましたし、Twitterでは売りつける感じがありませんでした。この会社で、しっかり聴覚について勉強して働きたいと思うようになりました。
大塚補聴器店へ転職、一年目
-
実際に入職してみて感じたことを教えてください。
-
入職して1週間で、自分はまだまだだったんだと気づかされました。
最初の1週間で座学を中心に研修を受けたのですが、特に印象に残っているのが実耳測定です。教科書では一言ぐらい「実耳測定っていうのがありますよ」という程度に載っていて、単語としては知ってたのですが、別にそんなに大事なことじゃないのかなと思ってたんです。
でも入職して、先輩STから実耳測定について教わって、 とても大事な測定だったということがわかりました。これをやらないと、ちゃんとした補聴はできないんだとわかって、自分は全然まだまだだ、と思いました。今は実耳測定による補聴器フィッティングを、ほぼすべてのお客様に行っています。
-
大塚補聴器へ転職して嬉しかったことはなんですか?
-
(病院より)お客様に喜んでもらえるセリフを言ってもらえることが増えたんです。
病院で働いていた当時は、毎日本当に多くの患者さんが受診されていたので、もう少し患者さんのお話をしっかり聞いたり、綿密にかかわりたいなという思いがありました。病院は患者さん一人にかけれる時間が少なくて、もう少し話を聞いてあげられれば、もっと良い介入ができたのに!と思うことは少なくありませんでした。
今はお客様一人ひとりの話を聞くことに時間を使えていますし、一人のお客様を最初から最後まで担当できています。
その上で喜んでもらえて、どんな場面で聞こえが改善したのか教えてもらえて、お礼まで言われるので、本当に自分が頑張った成果が出たぞ!という感覚があります。お客様のコミュニケーションの機会が増えて、難聴になる前に近いコミュニケーション頻度になっていく姿が見れるのは、他人事でなく私も嬉しいですし、心から”良かったね!”と思えています。
編集後記
(病院勤務の経験者が気になりそうなポイントを聞いてみました)
-
大塚補聴器に入職して、生活にどんな変化がありましたか?
-
プライベートな話になっちゃうんですけど、残業が少なくなって定時上がり出来る日が多くなって、仕事が終わった後に習い事をする余裕ができました。以前は友人と仕事が終わった後に夕飯を食べに行くことが難しかったんですけど、今はできます。
少し前から友達とダンスを習い始めて、今は週2回通っています。基本的に残業がないので、定時の18時にあがって、19時から習い事ができるのはすごく良いですね。今度、発表会があるので、その日は有給を申請済みです。
ワークライフバランスが確立できるようになったのは、本当によかったなと思っています。
-
勉強の時間はどういう風にとっていますか?
-
まだ入職して1年目ということもあるのかも知れませんが、接客と接客の合間に時間がある日があるので、そういったタイミングの勤務時間中に勉強できています。
例えば実耳測定などの検査の手技やパソコンソフトの操作で、ちょっと分からないことがあればすぐに上司に聞ける環境なので、とても助かっています。それ以外に基礎的なことや実習が必要な業務について、たとえば実耳測定や耳型採型、不快閾値の測定などのレクチャーでは、そのためのまとまった研修時間を業務の中で確保してもらえているので、勉強のために時間を確保してもらえているなーと思います。
日本聴覚医学会の加入や書籍の購入については、経費で補助が出たので、とても助かりました。学会へ参加させてもらえたときには、学生時代の恩師に挨拶できたり、最先端を学べたり、すごく楽しかったです。