YUI
言語聴覚士として1から10まで 介入できる職場
INTERVIEW 06
TODANI
大学卒業後、新卒でホームセンターに入社して店長をしていたんですよね。店舗のメンバーは40名弱程度。仕事は楽しかったんですけど、もうね、やりがいがなくなっちゃったんですよね。それがほんとに大きいです。
『目の前のお客様の問題を解決して喜んでもらう』ということが何よりやりがいだったのに、店長になったらほとんど店頭に出ることがなくなってしまったんですよね。
毎日楽しいし不満もないけど、やりがいがない。やりがいがないことを50歳になっても60歳になっても続けられるか、と思うと難しいなと。
もともと大学が医療系だったので、医療分野への興味はずっと持っていましたし、大学時代から「言語聴覚士(ST)」という資格の存在も知っていました。
STは“話す・聞く・食べる”という、生きていく根幹に関わるリハビリを担える職業。まさに人の生活を支える仕事だと感じ、資格取得を決意しました。
当時は30代後半。4年制大学卒業者なら2年間でST資格を取得できる制度があったこと、さらに専門実践教育訓練給付金を活用できることも大きな後押しになりました。
浜松でSTを採用している補聴器店はとても珍しく、「こんな会社もあるんだな」と印象に残っていたんです。
ただ当時は「まずは嚥下領域かな」と漠然と考えていたので、卒業後は医療機関に就職しました。実習の影響が大きいですね。実習先はほとんど医療機関で、学生のときは病院勤務のイメージしか持てなかったんです。
実際に働き始めると入院患者さんの本当に多くの方が難聴で。でも、その病院は聴覚リハや補聴器外来をやっていなかったんです。
「ここに確かにニーズがあるのに、誰も応えられていない」―そんな思いから次第にどうしても聴覚領域をやりたいという気持ちが強くなり、大塚補聴器への入職を決めました。


楽しいですし、やりがいがあります。
やっぱりお客様と会ってお話して、困りごとを聞いて、聴力と困りごとの両方を考慮して、最適な補聴器や対策をご提案する。それが上手くいったとき、目の前のお客様に喜んでいただけて、信頼していただける。これが全部つながっているんですよね。
こんなにやりがいがある仕事って中々ないと思います。

大塚補聴器では小規模店舗の多店舗化を目指しているので、一つの店舗でスタッフは4人前後。店長も基本的に接客しますし、担当のお客様もいます。
店長になる前までは「自分のお客様に全力を尽くす」ことが中心でしたが、店長になって大きく変わるのは「スタッフ全員のお客様が満足できているか」を常に考える必要があります。
会社の基本的な考え方が「お客様の満足は数字と結果に表れる」というもので、その視点で数字も考えます。売上金額や単価よりも重視しているのが、ご相談にいらっしゃった方の何割が補聴器を購入するか、つまり何人の聞こえとQOLを改善できたかです。
前任の店長がエリアマネージャーを兼任していたこともあり、私はその頃から耳鼻科の先生とのコミュニケーション、取引先の対応、売上分析や資料作成といった仕事をOJTで学ばせてもらいました。ひとつひとつ経験を積んでいたことで、店長就任後もスムーズに役割を担うことができたと思います。

特に耳鼻科の先生とのやり取りでは、「ST」という国家資格を持っていることで信頼を得やすいと感じます。
大塚補聴器が「STを配置している補聴器専門店」であること自体が信頼材料となり、医師からの紹介や連携にもつながっている。専門性がきちんと評価される環境で働けるのは、STとして大きなやりがいです。
プレイヤーとしてだけでなく、管理業務も早くから経験させてもらったことで、店長になってからも自然に役割を広げられました。業務は増えましたが、その分やりがいも大きくなったと実感しています。
今の店舗には新人がいないのですが、個人的な次の課題は部下や新人の育成かなと思っています。
入社後は研修を経て現場に配属されました。
入社当初、実は「STの資格があるのだから、すぐに現場で活躍できるはず」と思っていたんです。けれど実際は、最初の数か月は裏方の仕事ばかり。資格を持っているのに、なぜ自分は何もできないんだろう――正直、もどかしさでいっぱいでした。
けれど今振り返ると、それこそが一番正しいプロセスだったと心から思います。聴覚に関する業務は正しく行わないと危険があるからです。
検査にしても、補聴器の調整にしても、過剰に大きな音を出すと音響性聴覚障害といってお客様の聴力を低下させてしまう危険があります。だからこそ「任せても大丈夫だ」と判断されるまでは、大塚補聴器では絶対にやらせてもらえません。社内テストがありますし、テストを受けるまでにも、一定の教育期間があります。安全に業務を進めるためには当たり前のプロセスでした。
実際、ST資格を持っていても学校では言語や嚥下に多くの時間を割いており、聴覚の知識や経験は不足していました。現場に出て初めて「自分は何も知らない」と痛感し、ゼロから学び直すことになったんです。
少しずつ知識を積み重ね、やがて先輩とペアでお客様対応を経験するようになりました。掃除や部品交換から始まり、カウンセリングや試聴対応へと進み、3か月ほど経った頃にようやく本格的にお客様の前に立てるようになりました。
その過程で実感しました。「補聴器は本当に奥が深い」と。
思っていた以上に難しく、一人ひとりに合わせた繊細な対応が必要だからこそ、基礎から学ばせてもらえた経験は今の私にとって大きな財産になっています。
会社には学会発表などに挑戦できる技術支援チームもありますし、専門性をとことん深める道もあります。その中で私は、これまでの販売経験を活かしてマネジメントの道を選びました。
今後は、まずは店長として今の店舗をしっかり成長させていきたいと思っています。
私のモデルは前任店長でエリアマネージャーの倉橋さんです。お客様にとことん寄り添う姿勢や、効率よりも「どうすれば喜んでもらえるか」を徹底的に考える姿勢を身近で学ぶ機会があったことが、今の自分の仕事の軸をつくっていると思います。
そのために、スタッフ一人ひとりの力を引き出し、お客様に「ここなら安心できる」と思っていただける環境を整えていきたいですね。


INTERVIEW
大塚補聴器を形づくる、
メンバーたちの等身大の想いをご紹介します。
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