WORKS
接客・販売・補聴器フィッティング
(言語聴覚士)
日本の難聴者は、推計 約1,360万人。およそ9人に1人です。そのうち補聴器をお持ちの方は、およそ6人に1人(15.6%)。難聴のある方の約84%が、補聴器を使っていません。
一方で、言語聴覚士のうち、聴覚領域に携わる人は約10.6%と、聴覚の専門家が足りていません。
大塚補聴器では、聴覚が本業です。補聴器のフィッティングは、耳の構造と音の性質、そして人の生活を同時に扱う仕事。気導と骨導の差が何を意味するか。語音明瞭度が上がらない理由はどこにあるか。この方の訴えは、増幅で解決するのか、それとも医師に診ていただくべきものなのか。
言語聴覚士として学んだ耳の解剖・神経生理・疾患の知識は、実際の仕事で役立ちます。
※JapanTrak 2025(自己申告難聴者率11.0%・補聴器所有率15.6%)と総務省人口推計からの当社換算。
※日本音響学会誌 78巻12号(2022)「聴覚障害を支える言語聴覚士の仕事」より。日本言語聴覚士協会の会員19,789名のうち、聴覚領域に携わる会員は2,097名(2022年時点)。
ご相談から納品まで、一人のお客様と何度もお会いします。
新しく入った方は、この一つひとつを先輩とペアで担当します。
「聞こえない」という訴えを、そのまま受け取らない。どの場面で、誰の声を、どう聞きたいのか。ご本人が言葉にできていない困りごとを、対話の中で形にしていきます。
使う道具は、二段階です。新人のうちは「きこえについての質問紙2002」。経験を積んだら、COSI(Client Oriented Scale of Improvement/オーストラリア国立音響研究所 NAL・1997年)へ。定型の質問紙だけでは拾いきれない、その方だけの主訴を記述し、目標を合意し、達成を振り返るためです。
聴力測定から、始まります。最小可聴値と不快閾値。骨導閾値と、マスキング。片耳ずつの最高明瞭度の把握、語音弁別能の測定。調整も、適応の判断も、この結果が土台です。
実耳測定装置は、全店舗に導入しています。補聴器フィッティングを受けたお客様の90%以上に実施しています。
※実施率は、補聴器フィッティングを受けたお客様の人数に対する割合です。
お渡し前には、語音明瞭度などの客観的な評価で効果を確かめます。効果が十分でなければ、購入をおすすめしません。
検査環境にも投資しています。外耳道の形状はOtoscanで3次元的に読み取ります。本店には7m×5mの防音室があり、検査室は残響時間まで設計しています。
2008年から続けている「補聴器の3か月無料貸し出し」があります。買わなくていいのです。「まずは買わずに、お試しください」——これは当時の折込チラシから今日まで、補聴器業界で先んじて始めてから変わらない私たちの本心です。
試聴期間中は1〜2週間の間隔でご来店いただき、暮らしの中で困った場面を伺っては調整する。取り扱い説明も、装用支援も、この期間の大切な仕事です。
同じ方の聞こえを、月単位で追えます。調整の結果がどう暮らしに表れたかを、ご本人の言葉で確かめられます。
効果が十分でなければ、購入をおすすめしません。
納品の日には、修理保証・紛失補償のご説明と、その後のアフターフォロー(クリーニング、定期的な聴力測定を含む音質の微調整)をご案内します。
いちばん性能の高いクラスから。「よく聞こえる」がどこまでかを、ご本人に体験していただきます。試聴機は、特別なご希望がなければRIC型から。
メーカーの聴き比べ。主要6ブランドを取り扱っているので、横断して選べます。
お好みが決まったら、クラスを下げていきます。ご予算と聞こえのつり合いが取れたところで、ご注文。この時点で、多くの方が補聴器を使いこなせています。
期待されることは、お客様の最高の聞こえと、安全の確認——この両立です。そして医療機関との橋渡しとして、医師への分かりやすい報告です。
安全には、数値の基準があります。音響性聴覚障害を防ぐ——鼓膜面音圧で132dBSPLを、確実に超えさせないこと。最高明瞭度が得られる範囲では、最小の利得を目指すこと。
増幅で解決してはいけない訴えの判断材料が、日本補聴器販売店協会などが定める禁忌8項目。ご相談のいちばん最初に、これを確認します。
そして、500・1,000・2,000Hzの聴力における20dB以上の気骨導差
ひとつでも該当すれば、補聴器のご提案より先に、医師の診察です。
医師には診察を依頼し、患者さんをご紹介します。
医療機関での勤務経験がある方には、もう一つ期待があります。禁忌8項目に当てはまらなくても、治療で改善する可能性のある難聴を、見逃さないこと。
最後の2項目は、聴力測定の結果を読み解いて判断します。気骨導差が何を意味するか——あなたは養成課程で学んでいます。
その知識を、ここで毎日使います。
少し早めに出勤し、開店準備。前日の申し送りと、その日ご予約いただいているお客様を確認します。ペアを組む先輩と、今日の役割を決めます。
土日は開店と同時のご来店も。当日のご予約が入ることもあり、臨機応変に対応します。平日は比較的静かな時間帯もあり、事務作業を進めます。お客様の記録(HPS)への入力などから、覚えていきます。
ヒアリングと「きこえについての質問紙2002」を担当します。聴力測定と調整は先輩が行い、手元から学びます
昼食をとり、しっかり息抜きをして午後の業務に備えます。
試聴中の方の再調整やアフターフォローに同席。合間に、その日に見た調整の理由を先輩に質問します。
店舗は、3〜5名の小さなチームです。朝礼でその日のお客様を確認し、初回のご相談が入っている日は、枠の取り方もチームで決めます。
業務は、ほとんどが店舗の中で完結します。ご自宅や施設への訪問は、まれです。
店舗には売上の目標があり、達成を目指します。目標は、チームで追いかけます。店舗の目標はチームの目標。個人の販売ノルマはありません。
そのうえで、いちばん重視しているのは、一台あたりの単価ではなく、ご相談に来てくださった方のうち、何人の聞こえを改善できたか、です。
自社開発の接客支援システム「HPS(Hear Pro Support)」が、お客様一人ひとりの聞こえと経過を記録し、チームで共有します。
まず、160時間の初期研修があります。耳の構造、音の性質、補聴器の技術、カウンセリング。養成課程で学んだ内容と重なる部分もありますが、補聴器のフィッティングは別の体系です。
そして、言語聴覚士も、全科目の社内試験を受けます。 補聴器フィッティングの技能ごとに社内試験があり、資格があっても、全科目の免除はありません。
社内試験は、合格させるための仕組みです。再受験できますし、合格まで指導が続きます。教える先輩と、試験官は、別の人が担当します。
資格を持って入社した方ほど、最初の数か月に戸惑いがあるかもしれません。理由は一つで、聴覚に関わる業務は、正しく行わないとお客様に不利益が及ぶからです。「任せて大丈夫」と判断できるまで、担当は持ちません。入社から半年間は自分の担当を持たず、先輩とペアで、見学から受付、カウンセリングへと段階的に広げます(ペア体制は最長1年)。任されない領域は、すべて指導者が担当します。
聴覚領域から長く離れていた方も、養成課程の記憶があいまいになっている方も、スタートラインは同じです。研修と試験の体系は、ゼロからの習得を前提に組んであります。
逆に言えば、ここで「できる」と認められることは、資格とは別の重みを持ちます。
担当した事例をまとめて報告し、先輩からフィードバックを受けます。
専門書の購入費、学会の入会費・参加費を会社が支援する制度があります。
認定補聴器技能者には手当を支給しています。(金額は募集要項をご覧ください)
当社では、未経験で入社したスタッフも全員がこの資格を取得します。講習は4年度構成で、言語聴覚士は養成課程の一期目および二期目の受講が免除され、およそ2年で取得できます(社内試験は別です)。取得費用は会社が負担します。
適性が認められた場合、取得支援の対象になることがあります(選抜者に限ります)。
2人に1人が、言語聴覚士です。私たちの知る限り、補聴器店としては高い比率です。
提携クリニックの補聴器外来へ、当社社員を派遣した実績があります(実務経験3年以上)。
初回のご相談は90分から120分。同じ方と、月単位でお付き合いが続きます。あなたの調整で聞こえが変わると、その先で、ご家族や友人との会話まで変わっていきます。届いた音の先に、暮らしがあります。
会社として、日本聴覚医学会 総会・学術講演会で研究発表を行っています。第68回『成人・高齢者における外耳道の形状の計測について ー耳型の計測方法に関する予備的検討ー』、第69回『補聴器の周波数変換処理機能の調整にTENテストによる 予測CDRを用いた症例の検討』。
会社として、実耳測定の検査機器を代理店として届け、耳鼻科の先生方、医療機関の言語聴覚士、他社の補聴器店の皆様に向けた補聴器フィッティングの研修を行っています。技術を隠さないのが、私たちの方針です。