「喫茶店でお友達と会話ができるようになりたい」中等度難聴の女性にシグニア耳かけ型補聴器をフィッティングしました


喫茶店での聞こえを改善するために、補聴器の「雑音抑制」機能と「指向性」機能を使いました

「喫茶店でお友達と会話ができるようになりたい」中等度難聴の女性にシグニア耳かけ型補聴器をフィッティングしました

本記事では、個人情報にあたる部分に一部改変を加えたうえで、実際にプロショップ大塚で補聴器を試していただいた事例についてご紹介します。
「実際の補聴器店ではどのように相談・試聴ができるのか知りたい」という方向けに、補聴器で聞こえがどのように変わり、生活の質が上がったのかを説明します。

【目次】

オージオグラム
主訴
お客様のご年齢は80代、女性のお客様でした。聴力は中等度難聴程度。
「喫茶店で友人と話している時、会話に入っていけない」
「1対1で近くの人とは話せるが、遠くの声が聞こえにくい」
という困りごとを感じていらっしゃいました。
知人の方から紹介され、当店で補聴器を試したいとご来店いただきました。

ご希望の補聴器の形としては、
・耳かけ型が良い
・扱いやすい物が良い

ご希望の補聴器の聞こえとしては、
・喫茶店など、騒がしい場面でも会話がしたい
・周りの生活音が、うるさく聞こえない補聴器が良い
という点を教えて頂きました。

この点を考慮して、『シグニア補聴器』の耳かけ型『Motion 5Nx 充電式』を試していただきました。
その結果、
・テレビの音量が20→12に下がった
・喫茶店で、4人くらいで集まった時にお話ができた
・体温計の音など生活音がはっきりと聞こえた、しかもうるさくない
という効果を実感していただきました。
では、どのように補聴器を調整したことで、こちらのお客様はよい聞こえを手にされたのでしょうか?

初めてのご来店で、不安な気持ちをお聞きしました

お客様と当店スタッフ

ずっと迷っていたの。お店に相談に来るのが不安で・・・
初めて来店された時、お客様はこのようにおっしゃいました。
お話をうかがうと、ご友人から「高い補聴器を買わされる」「補聴器って、よく聞こえない」という噂を耳にしていたとのことでした。
実は、初回相談の時にこのようなお話をされる方は少なくありません。

「高いものを買ったのによく聞こえない」というような場合は、補聴器販売店でのカウンセリングや調整が不十分なことが多いです。
補聴器は『着けたらすぐによく聞こえるようになる道具』ではなく、『聴覚リハビリ』の機器です。
『聴覚リハビリ』は、その方に合わせた調整をすることにより、補聴器を常に使っていただき、新しい聞こえの世界を体験しながらよく聞こえるようにしていくことです。

私たちはお客様に、失敗しない補聴器選びをしていただきたいと思っています。こちらのお客様にもまず聴覚リハビリのお話をして、それから補聴器の試聴をしていただきました。

「聴覚リハビリ」について書いた記事があります。こちらもご覧ください。補聴器の調整で大切な聴覚リハビリの手順|プロショップ大塚

現在の聞こえの状況を確認しました

初回相談のときに、既往歴(耳について、どんな病気にかかったかなど)を確認しました。
・中耳炎など、耳の病気にかかったことはない
・4年くらい前から、聞き取りにくさを感じている

当店での聴力測定の結果、このお客様の聞こえの程度はおおよそ「中等度難聴」の範囲に該当しているようです。

では、この方の聞こえの状況(オージオグラム)を簡単にご説明します。

まずこの表の見方ですが、難聴ではないラインは、20という数字にあります。
一般的に、このラインよりも上に聞こえのラインがある人は、難聴でないとされています。
健聴のオージオグラム

では次に、今回のお客様の聞こえを見てみましょう。
お客様のオージオグラム

このように検査結果の聴力ラインが、「20の健聴ライン」を下回っていると難聴です。聴力ラインが図の下にいくほど、難聴が進行していることを表しています。

このお客様の難聴の特徴としては、高い音色(周波数)の難聴が進行しているため、近い距離の会話であっても言葉の子音を間違えたり(「た」→「か」)、聞き逃したりすることがあります。

プロショップ大塚では、測定結果を説明する際に、お客様の困りごとを踏まえたわかりやすいご説明を心がけています。なお、お客様の困りごとと測定結果の両方がどのような補聴器がお客様に向いているのかの判断材料になります。

「オージオグラム」の詳しい説明をご覧になりたい方は、こちらをご覧ください。
もう難聴?聴力検査の結果を自分で読んでみよう|プロショップ大塚

「補聴器を使って、ぜひ解決したいこと」をお聞きしました

聴力測定についての説明が終わった後、「補聴器を使って、ぜひ解決したいこと」
をお客様にお聞きしました。
①喫茶店でご友人と話すときに、スムーズに話したい
②テレビをもう少し小さい音量で見れるくらいになりたい

このお客様は重度の難聴ではないため、近くの1対1での会話は聞こえるのですが、喫茶店など周りが騒がしい状況や、少し離れたところの声が聞きづらくなっているようです。
このようなお客様のご希望に対して、どのような補聴器が必要でしょうか?

①喫茶店での聞こえを改善するために、補聴器の「雑音抑制」機能と「指向性」機能を使いました

喫茶店、もしくはレストランには、たくさんの人の話し声・食器の音・厨房の音などがこだましています。そして大体のお店には、健聴の人が少し聞こえるくらいの音楽が流れています。
このような環境で相手の話し声を聞くことは、難聴の人にとって、とても難しいことです。
健聴の筆者でも、レストランで向かいの人の声が聞こえないことがたびたびあります。
難聴の方にとっては、その難しさが何十倍にもなって感じられます。

そこで、手助けしてくれるのが「雑音抑制」機能と「指向性」機能です。
「雑音抑制」機能は、補聴器の人工知能が周囲の音を分析し、必要な音(会話音)は音量を大きくし、会話に必要のない音(エアコンの音、食器の音など)は音量を小さくします。

雑音抑制機能の性能は、高級な補聴器の方がよくなります。
雑音抑制を表す図

『指向性』機能は、正面の人の声を聞きやすくするために、自分の後ろの雑音をカットします。高級な補聴器になると、横からの聞こえや360°の中から一番大きい声で話している人の声を検出するものもあります。正面の人の声を聞きやすくする機能は、ほとんどの補聴器についています。

シグニア補聴器のホームページより引用

シグニア補聴器のホームページより引用

今回のケースでは、実際の生活の中で『雑音抑制』と『指向性』機能を試していただき、「喫茶店でも友人の話がよく聞こえた」とおっしゃっていただきました。

以下の記事では、補聴器のデジタル機能やその選び方について、詳しく説明しています。
補聴器購入ガイド:補聴器を考え始めたばかりの人へ

②遠くの声を聞き取りやすくするため、小さな音量での言葉の聞き取り測定を行いました

補聴器の第一の機能は、“言葉を聞き取りやすくすること”、と私たちは考えています。
このお客様も、ご友人との会話やテレビのから聞こえる言葉の聞き取りを重視していらっしゃいました。
そこで、補聴器でただ音を大きくするだけでなく、言葉の聞こえをよくするために、『語音検査』という検査を行いました。
この検査でことばの正答率の測定を行い、補聴器の効果があることを確認してから、補聴器を販売しました。
スピーチオージオグラム

語音検査の正答率は『語音明瞭度』として%で表されます。
△は補聴器を着けていない状態での正答率を示し、▲は補聴器を着けた状態での正答率を示しています。
このお客様の場合、中くらいの大きさ(60dB)の言葉の聞こえが55%→80%に改善したため、補聴器の効果がはっきり出ていると私たちは判断しました。

実際に補聴器を試していただき、嬉しい感想を聞かせていただきました

喫茶店など騒がしい場所でも人の話が聞き取りやすくなった

喫茶店で楽しく会話する様子

一番初めにお聞きした感想としては、騒がしい場所でも、ご友人やご家族のお話が聞き取りやすくなったというものでした。ご友人からも『今日はしっかり聞こえてるわね』と言われたと、嬉しそうに語っていただきました。

テレビの音量が20→12に下がった

テレビのリモコン、音量を下げる様子

また、テレビの音量が20→12に下がったという感想もいただきました。
高齢の方にとって、テレビは大切な情報収集ツールです。
試聴期間中にちょうど災害関連のニュースがあり、内容がよく分かったとおっしゃっていただきました。

周りの生活音が聞こえるようになり、嬉しい。うるさく聞こえることはない

公園のすずめ

家電製品の音や鳥のさえずりなど、今まで聞こえていなかった音が聞こえる。しかも、うるさくないとのことでした。補聴器を初めて着けると、このように色々な生活音が聞こえてきます。しかし、一般的に最初はこういった音に戸惑っても段々と慣れていく方が多いようです。この方も補聴器を常用することにより、段々と補聴器から聞こえる音に慣れていきました。

ご購入いただいた補聴器のブランド、特徴について

その後、およそ2カ月間の試聴期間を経て、シグニア補聴器の耳かけ型補聴器『Motion 5Nx(充電式)』をご購入いただきました。
シグニア補聴器|MotionNx

『シグニア補聴器』は、世界シェアが高いブランドで、以前は『シーメンス補聴器』として知られていました。今もその高い技術力を引き継ぐブランドです。
このブランドについて、詳しくはこの記事で説明しています。
シーメンス・シグニア補聴器の特徴は、補聴器をタンスの肥やしにした人(使わない人)にこそ合う

今回は、取り扱いが簡単な補聴器をご希望でしたので、手先の細かい電池交換がいらない充電式の補聴器をお買い上げ頂きました。

取り扱いが簡単な補聴器については、下の記事で詳しく解説しています。
取り扱いが簡単なオススメ補聴器|プロショップ大塚

ご購入を決めた理由を教えていただきました

今回ご購入を決めていただいた理由をお尋ねしたところ、
・聴覚リハビリについて、わかりやすい説明があったから
・友人との会話やテレビの音など、一番聞きたい『人の声』が聞こえるから
・食器の音や紙の音などの、生活音をうるさく感じないから
・充電式なので、電池を交換する必要がないため取り扱いがしやすく、でも目立たないから

以上の理由を教えていただきました。

アンケートにて、「丁寧に説明してもらえて助かった。」というお声を頂きました

Q1:どうやって当店を見つけましたか?

A:友人の紹介

Q2:当店にご相談になる前に、どんな事でお悩みでしたか?

A:喫茶店で友人と会話するときに、聞きづらい。テレビの音が大きくなってしまい、家族に注意されてました。

Q3:当店での対応(補聴器の調整、接客、聴力測定など)はいかがでしたか?

A:良く話を聞いてもらえて、説明も丁寧で大変助かりました。うるさいことがないので良く調整された補聴器なんだと思います。

Q4:他にも補聴器の販売店がある中で、何が決め手となって当店でご購入頂けたのでしょうか?

A:こちらの要望に応えてもらえて、色々と分かりやすく説明していただきましたので、決めさせて頂きました。

Q5:実際に補聴器をお使いになってみていかがですか?素直なご感想をお聞かせ下さい

A:補聴器はうるさいばかりで聞こえづらいと思っていたが、そんなことはなかった。充電式だったので面倒なこともなく、使い易かったと思います。

お客様のアンケート画像

まとめ

今回は中等度難聴、80代女性の方の事例をご紹介しました。

このお客様は、補聴器購入後にお誕生日を迎えられ、お誕生日会でもたくさんのお話をすることができ、幸せを感じたとのことでした。
お客様からこのような感想をお聞きするたびに、お客様の生活の質の向上にご協力できたと思い、大変嬉しい気持ちになります。

これからも、様々なお客様の事例を取り上げて、記事を公開する予定です。
ご質問・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームよりお願いします。


本記事に いいね を押していただけると、担当者のはげみになります。よろしくお願いします。

この記事は
私が書きました

この記事は大塚祥仁が書きました

大塚 祥仁
【認定補聴器技能者】

2006年から補聴器の仕事を始めました。もっとも確実に、よく聞こえる方法をご提供することが、私のミッションです。皆様によく聞こえる生活をお届けするため、毎日毎日、聴覚医学の論文を読み、デンマークやドイツの研究機関と連絡を取り、時には欧州へ勉強に行き、海外から研究者を招き勉強会を開催し、国内の社会人大学院へ通い修士号まで取ってしまいました。本Webページでは、補聴器、難聴、耳鳴りなどについて、確かな情報や最新の情報をお届けしていきます。ご相談の方は、お気軽にご連絡ください。

保有資格:認定補聴器技能者、医療機器販売管理者

★ Twitter はじめました。耳の話を真面目に書いてます! : @mimi_otsuka

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