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補聴器を使った「聞こえのトレーニング」

補聴器を使った「聞こえのトレーニング」

「聞こえのトレーニング」には、いくつか種類があります。補聴器を使った基礎的なトレーニングと、補聴器を使いこなせるようになった後、さらなる言葉の聞き取り改善を目的とした高度なトレーニングです。なお補聴器の調整がまだ不十分な場合、聞こえのトレーニングは効果的ではありません。高度なトレーニングをはじめるのは、補聴器の調整完了後がおすすめです。

最初は補聴器を正しく使いましょう

軽度~中等度難聴のほとんどの方は、適切に調整された補聴器を使用すれば、多くの場合、短期間で良く聞こえるようになります。

しかし難聴の種類によっては、正しく調整された補聴器を使っても、期待したように言葉が聞き取れない場合があります。

こういうケースでは「聞こえのトレーニング」で、もっと良く聞こえる可能性があります。

すぐ補聴器の効果を実感できる人、聞こえのトレーニングが必要な人
  • 健康診断のような普通の聴力測定では、補聴器の効果が表れやすい人と聞こえのトレーニングが必要になる人は分かりません。
  • 小さい音を聞く力ではなく、言葉の意味を聞き取る能力によって補聴器の効果が変わってきます。これには語音明瞭度という検査が参考になります。

「聞こえのトレーニング」で良くなるのは脳!?

一般の方は、言葉を耳で聞いていると考えるかも知れません。しかし言葉の聞き取りに重要な働きをしているのはなのです。

耳から入ってきた音や言葉は、電気の信号となって神経を通り、やがて脳に届きます。そこで初めて言葉として理解されます。
難聴になり聴力が低下すると、脳に届く信号も弱まり、脳があまり使われなくなってしまいます。

人間の脳は何歳になっても使えば使うほど良くなりますが、使わないでいるとその働きが弱くなっていく性質を持っています。
聞こえづらいまま、何も対策せずに長い年月を過ごした方は、ハッキリした言葉が脳に届いていない状態で日々を過ごしてきたことになります。これでは言葉を聞き分ける脳の働きが弱ってしまいます。

しかし脳は何歳になっても新しいことを学習することができます。

一度弱くなってしまった脳の働きも「聞こえのトレーニング」で改善できる可能性があるのです。

まずは補聴器を正しく使うトレーニング

補聴器を使い始めてすぐの方は、特殊なトレーニングをする前に、まずは『適切に調整』された補聴器を『毎日使い続ける』ことが大事です。

最初は、簡単で、しかも大きな効果が見込めることを試しましょう。

補聴器を使い始めたばかりの方は、どれくらいの時間、耳に着けるべきでしょうか。これには諸説あり、専門家の間でも意見が分かれます。

長年、議論が続いていますが「1日あたり5時間以上」というものから「長ければ長いほど良い」という説まで様々です。

私たちプロショップ大塚では、なるべく早く効果を実感していただくため「1日8時間以上」を目安に、補聴器を着けていただくことをおすすめしています。

もしも補聴器の音に不快さや苦痛を感じて、補聴器を着けていられない場合は、補聴器の調整や聴力測定が適切ではない可能性があります。

その場合は「トレーニングしなくちゃ!」と思って、お客様がムリして頑張るのではなく、私たち補聴器の専門家にご相談いただき、聴力の再測定、補聴器の再調整がおすすめです。

毎日ムリなく、快適に補聴器を着け続けられるようになったら、次の段階に進みます。

もっと言葉が良く聞こえるよう、段階的に補聴器の音量を少しずつ上げていきます。

補聴器を使う基本的なトレーニングの流れ
  1. まず補聴器を負担なく着けられる状態に調整する。
  2. 毎日、補聴器を使う。最短5時間、途中の休憩は何度でもOK。
  3. 言葉の聞き取りが最高になる音量まで、7~14日に一度のペースで、少しずつ音量を上げていく。

言葉を聞き分ける力は「聞こえのトレーニング」で伸びる

補聴器を使いこなせるようになり、もっと聞こえを良くしたい場合には、次に紹介する「聞こえのトレーニング」が有効です。

ここでは今すぐできるものから病院等で専門家が行うものまで、聞こえのトレーニングの方法をいくつかご紹介いたします。

※すべて補聴器を耳に着けた状態で行うトレーニングになります。

・補聴器を着けた状態で、毎日、声に出して本を読む

実は、ご自分で新聞などを音読することも、聞こえのトレーニングになります1)

補聴器を着けた状態で、毎日声に出して本を読みましょう。

新聞を口に出して言葉を聞く様子

文字を目で見て、声に出して、言葉を聞く



難聴になると、人の声も自分の声も言葉がゆがんで聞こえるため、正しい言葉が少しずつ分からなくなります。
極端な例では活舌や発声が悪くなっていきます。

これを改善する目的で行われるトレーニングが、補聴器を着けた状態での音読です。

補聴器を耳に着けた状態で言葉を聞くと、一度忘れてしまった正しい音声を改めて脳に届けることになります。
音読では、本の文字を目で見て、正解が分かっている言葉を聞くことで、言葉の学習が進みやすくなると考えられています。

音読のトレーニングを続けることで、自分が持っている音のイメージが実際の音に近づいていきます。
結果として聞こえ方の違和感が減り、言葉の聞き取りが改善されることが期待できます。

書籍は脳トレ本がオススメ

・医療機関では追唱(スピーチトラッキング)

リハビリを専門とする医療機関では追唱(スピーチトラッキング)などが行われています。

追唱(スピーチトラッキング)はNHKのあさイチでも紹介されていたトレーニングです。
言語聴覚士などの専門家に文章や単語を音読してもらい、ご本人は聞こえたとおりの言葉を声に出して繰り返します2)
もし間違えてしまった所があれば、正しく聞き取れるまで音読と復唱を繰り返します。

この訓練は、患者様の聞き取る能力によって、難易度を変えるところに特徴があります。
難しすぎるトレーニングでは、本人のやる気がなくなってしまいますし、簡単すぎる内容ではトレーニングとして意味がありません。

専門家は、声の大きさ、話す距離、口を隠したり見せたり、単語の種類を増やしたり、長い文章にしてみるなどによって、やる気とトレーニング効果のバランスを取っています。

医療機関で聞こえの訓練を続けることで、とくににぎやかなところでの言葉の聞き取りが改善されると報告されています3)

このトレーニングは専門的な知識・技術が必要になります。
  • ご家族が真似すると、ついつい大きすぎる声を出したり、難しすぎる声掛けになることがよくあります。ご本人がやる気をなくし補聴器を使わなくなる原因になる場合があります。
  • ご興味のある方は医療機関にご相談されることをオススメします。

・タブレットなどでできるトレーニング

iPadなどを使ったアプリでは、ゲーム感覚で聞こえのトレーニングが出来ます。
認知聴覚バランサーというアプリは、点数が記録され、トレーニングを続けると、毎日少しずつ点数が上がっていくことが自分で分かるため、ゲーム感覚で楽しく続けられます。

すでにiPadをお持ちの方には特におすすめです。

聴覚認知バランサーアプリの画像

聴覚認知バランサー

適切な調整をした上でのトレーニングが重要

聞こえのトレーニングは、補聴器の調整が適切であることが前提となります。

まずは、補聴器を適切に調整できる専門家にご相談ください。
適切な調整をした補聴器をつけるだけで、十分に効果を感じられる方もいらっしゃいます。

正しく調整された補聴器をお使いいただき、さらに「もっと良く聞こえること」を期待される場合に、高度な聞こえのトレーニングに取り組みましょう。

参考・引用文献

1)幸松 玲未他, 「装用訓練により語音了解度の改善を認めた6例」,『 AUDIOLOGY JAPAN』, 48 巻 5 号,2005, p. 547-548
2)三瀬 和代他, 「補聴器装用における文章追唱訓練を加えた聴覚リハビリテーションの有用性」, 『AUDIOLOGY JAPAN』, 62 巻,1 号,2019, p. 59-67
3)Stropahl, Maren他, 「Auditory Training Supports Auditory Rehabilitation: A State-of-the-Art Review」,『 Ear and Hearing』,July/August 2020 Volume41 Issue 4 , 2020,p 697-704


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私が書きました

森谷大地 写真

森谷 大地
【言語聴覚士】

コミュニケーションにお困りの方に寄り添える仕事を目指し、2012年に言語聴覚士免許取得。8年間の病院勤務にて聴覚障害の領域などを担当。難聴の方の聞こえを改善するため、補聴器を専門にして働きたいと考え、2020年プロショップ大塚に入社。耳鼻咽喉科での勤務経験を活かし、さまざまな情報や知識を分かりやすくお届けすることを心がけています。

保有資格:言語聴覚士

補聴器専門店プロショップ大塚を運営する株式会社大塚の代表取締役。認定補聴器技能者、医療機器販売管理者。

たくさんの難聴の方々に、もっとも確実によく聞こえる方法をご提供することが私たちのミッションです。
監修においては、学術論文もしくは補聴器メーカーのホワイトペーパーなどを元にしたエビデンスのある情報発信を心がけています。

なお古いページについては執筆当時の聴覚医学や補聴工学を参考に記載しております。科学の進歩によって、現在は当てはまらない情報になっている可能性があります。

※耳の病気・ケガ・治療、言語獲得期の小児難聴や人工内耳については、まず医療機関へご相談下さい。

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